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その後の5人〜演劇「思わせぶりのダージリン2020」のディストピアキャラ設定

この春は二つのイベントを計画していた。一つはIMERUATの関西ライブ。もう一つはモノムジーク大学。今日は前者の方。そのイラスト。いやさ落書き。

IMERUAT関西ライブは昨年4月に初演の演劇付きライブ「思わせぶりのダージリン」の遠征計画。初演はイメルア史上最も客席が(笑いで)沸いた音楽劇だった。楽曲をわかりやすく解説していく脚本で、初イメの方にもとても楽しんでもらえたようなので、「またやろう!」と意気込んでいた。私も自身初の演劇脚本ながら死ぬほど楽しくて、その前後から多数の脚本案を蓄積するほどになり、FF7Rが終わったらまず再演から取りかかるつもりであった。でもってそれが終わった直後の今年1月には演奏家にいついつ頃〜などと話していたのだが…。

いやいや長年「危険厨」をやっていてよかった。1月末にはもう「こりゃいかん」とストップをかけた。いや、自分の感覚では全然早くなかったのだが。だから、3月中頃に4月の外出仕事の依頼が来たときは「え…?」だった。フツーに情報追ってたらどう考えたって無理、なんでそんなことやるんだと。しかし即答したら「浜渦氏、危険厨?w」と言われるかもしれん、とギリギリまで待ってから「リモートで…」と応答。それでも「なんか氏が何か言って来てる…」となっていたとか、なっていなかったとか。案の定、その3日後に「自粛要請」というファンタジックな日本語が市民の奉仕者なる行政とかいうところからようやく発表された。それから10日も経たないうちに依頼側は組織ごとリモート化し、危険厨の私の頭の上をあっという間に通り越していった。オネアミスのグノォム博士の逃げっぷりが過ぎったが、それはちょっと失礼か。正常性バイアスと言うより、仕事組織とは何かが起きない限りマイルストーン通りに動くものだからだ。あれ、それってやっぱりバイアスなのか。

自分は普段から人に会わないので生活はほとんど変わらない。しかしせっかくなので20年ぶりに口ひげを生やすことにした。ミナに髪も黒くしたらどうか、面白いからと提案されて迷っている。それはともかくこの演劇、会場を抑えかけていたところで中止して計画は無期限延期。キャンセルなどのダメージはなかったが、非常に残念であった。

そして先日ふと一年前のその「思わせぶりのダージリン」の世界に思いを馳せていた。ご来場いただいた方にしか分からない話で恐縮だが、その後登場人物の5人はどうなっただろうかと。好きな漫画の連載が終わって、いや映画でもドラマでもいいのだが、「その後みんなどうしてるかなぁ」なんてちょっと切なく感じることありません?まさか自分で書いた脚本のキャラクターにそれを感じるとは思いもよらず。いや、5人を演じた役者は皆健在で、いつでも連絡取れるのに、である。(※1)

無期限延期は残念だが、こういうタイミング、それも憤りを伴う時間は発想や暗躍に実に適している。ばばーっと色んなものが浮かんできた。ああまた政治に逆感謝か。それはともかく「思わせぶりのダージリン」の舞台、カフェバイオレットに纏わる人々は2020年5月現在どうしているのか。ちょろっと設定を書(描)いてみた。未だに慣れないペンタブで。

カフェ店主 ミナ

Vioミナ_バイアスが解けた600

バイアスが解け、半世紀続いた店を畳む
一応詠んでいるので「きけんちゅの」と読んで

勤労学生 ニコ

Vioニコ_バイト2つクビ、休学中で求職中600

バイト2つともクビ、休学中で求職中
だから働いてきたんだけどヴォケと窓口で(※2)

配達員 吉野

Vio吉野_一足先にディストピア600

一足先にディストピア
気の毒でしょうがない、しかし皆より一足先というだけ

編集者 広田

Vio広田_一番アカン状態600

一番アカン状態
描いててものごっつムカついたが同時に役者さんって凄いなと思った

カフェライター 本城

Vio本城_相変わらず色々見えてない600

相変わらず色々と見えていない
C級コピーライター気取りでますます快調

ということで「思わせぶりのダージリン 2020」の設定イメージスケッチでした。しかし「当て書き」ってのは本当に面白い。みんなの個性をどうやったら引き出せるか、そして本人達がやりたいことと折り合いをつける妙味。MV「暗殺したい!」で味を占めてしまった気がする。演技経験のない人ばかりだったが、むしろだからこそ雄山のように素材に惚れ込んで引き出すという楽しみが得られる。ここだけの話、桑野さんの演出が一番難しかった。何故ならステージに立つ仕事をしている感情表現のプロだからである。歌もそう。本当にここだけの話、音痴でリズム感が悪い人の方が自分は凄くワクワクする。はっきりそう言えるその理由は…また今度。あと「モノムジーク大学」については近々。

※1:途中に書いてたが、本題まで遠くなるので別記。そういえば短編アニメの「ポレットのイス」でも似たような感覚があった。あまりにも短いアニメなので、そのピアノアレンジを作って、各シーンの世界を勝手に広げてみようという試みだった。主人公のポレットの生活を少しだけ掘り下げたり、空飛ぶイスはもう少し色んなところを飛び回ったはずだと寄り道させたり。そしてポレットは今でも幸せに暮らしているかなぁなどと考える。

※2:「だから働いているんであって、それで雇用が増えてますってええっ!?」という歌詞が未公開曲の「今どきの労働歌〜ウルトラハイパーブレイク」にある。絶賛編曲中!

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