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血糖値との付き合い方

 日課のジョギングをサボりがちになると、やはり太ってくる。ベルトの穴は「ベストな位置」と「一歩後退」とを行ったり来たりする攻防戦だ。走る回数を増やすとすぐに穴の位置も効果が出るところが面白く、モチベーションにつながる。

 「アラカンがなにをいまさら」ではあるが、やはりみっともなく太る姿をさらしたくない。いや、「このトシだからこそ、シュッとしたシルエットを保ちたい」のだ。

 それ以上に問題は血糖値のコントロールだ。数カ月おきに採血して経過を観察しているが、ヘモグロビンA1c=HbA1cは6%台の後半から7%台にかかることもある。「それならたいしたことないだろ。俺なんか8%近いこともあるぞ」という豪傑肌の上司もいるが、服薬をして、酒を飲まず、身体を動かすという「努力」をしているところでの値である。「これ以上どうしろと?」という悲観的な気分にもなる。

 数カ月前、業務途中の間食がとてもおいしい日々を過ごしていたところ、数値が7%にかかった。患者としてはがっかりするしかない。「なにか心当たりは?」と尋ねる医師に「ちょっと間食が増えまして・・・」と正直に白状する。すると医師は「あ、それなら仕方がないですね。気をつけてください」とあっさりしたものだ。

 なんとなく気がついた。医者の立場で気にしているのは血糖値の急激な上昇だけなのだろう。それは膵臓がんの兆候だ。

 定年間近まで会社を勤めあげ、子どもたちもほぼ育てあげた。いまでも非常に厳しく自らを律しているわけでもないが、さらにQuality of Lifeという考え方を持ってもいいのかもしれない。

 ひとつくらいベルトの穴が遠くなっても、多少HbA1cが悪化してもいいではないか。くよくよ、ウジウジ考えることを抑えることを目指したい。
(23/3/18)

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