秋月春之介

佛弟子。メディア企業で30年以上記者・特派員・カメラマンなど報道セクションに従事し20…

秋月春之介

佛弟子。メディア企業で30年以上記者・特派員・カメラマンなど報道セクションに従事し2021年に別部署へ異動。2023年に定年退職してシニアスタッフに。趣味の読書はミステリー、佛道、ノンフィクション、人文系など。仕事を離れた文章を書くことの楽しさに目覚めてnoteデビュー。

最近の記事

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「文章を書く」愉しみ~自己紹介と過去記事(抜粋)

「文は人なり」といいます。定年を間近にして、これから会社以外の世間さまで出会うであろう人々に「私はこういう者です」と言えるような記事を書いていきたいと思っています。しかし・・・ 苦労した駆け出し時代サラリーマン記者として昭和の終盤からニュース原稿を書いてきました(キャリアの中ではカメラマンなどもやりましたが)。大きな枠としてはこれも「文章を書くこと」ですが、宿命として取材と執筆を両立させる必要があり、常に時間に追われる作業になります。もちろん趣味で書く物ではないし、上司(デ

    • 生放送を持つ部署

       昨夜は報道局時代の後輩と神宮球場のヤクルトvs DeNA戦に行ってきた。私は大洋ホエールズ時代からのファン、後輩は横浜にマイホームを構えてからのファンで、5-2で快勝したのでご機嫌だ。  かつての部署のみんなの近況を聞くのも楽しい。ご懐妊で悪阻がひどくて休んでいる女性、30過ぎの独身でアイドルの推しに激ハマりをして1週間休暇を取った女性、その間にオリンピックがあったために残ったメンバーは死ぬほど忙しい目にあったそうな。  彼の次なる心配は来週にも本州を直撃するとされる台

      • 買い占めたいわけではないが

         まだまだコメが買えない。  所帯を持った長男から「地元でまったく見当たらない。もし見かけたら買っておいてください」というSOSが舞い込んだ。我が家はすこし備蓄があるようだが。  たまたま今日はテレワークなので朝8時から地元のスーパー3軒とドン・キホーテを自転車でぐるぐる回るが、まったく影も形もない。  テレビでは「買い占めないでください」と言っているのも見た。言っている意味はわかる。しかしこんなに売っていないようでは見かけたらつい余分に買いしたくなるではないか。「買い

        • 縁起が悪いって、どういうこと?

           今日の朝食は昨夜の残りのイワシにした。尻尾を取り外そうと悪戦苦闘していたところ、愛用の箸の先がボキっと折れてしまった。イワシの背骨、おそるべし。  高野山へ参拝した際に土産物店で買ったものだった。「高野山」という金色の文字はすっかり剥げ落ちてしまったが、そのことは思い出になっている。  「下駄の鼻緒が切れるのは縁起が悪い」と言われたものらしいが、幸い鼻緒モノを履かない今はそんなことは気にしなくなった。なんとも縁起が良いことである。  では「箸が折れる」も縁起が悪

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        「文章を書く」愉しみ~自己紹介と過去記事(抜粋)

          やっぱりすごい筆力だ【感想文】「失われた岬」篠田節子

           「長さを感じないリーダビリティ」と思いながら夢中で読んだが、それでもやっぱり長いものは長い(^^;;それぞれのエピソードに充分な密度あって充足感もたっぷり。幻想的な気分、近未来の不気味さ、人間の業の深さをも考えさせられて、ミステリーの体裁を取りながら純文学としても読める。  篠田節子さんはやっぱりすごい作家だなあ。脱帽です。ヒグマ、怖い(^^;; (22/1/23読了)

          やっぱりすごい筆力だ【感想文】「失われた岬」篠田節子

          令和のコメ騒動

           スーパーの店頭から米が消えたそうだ。そう聞いてきのうの帰路で近所の店に立ち寄ったところ、トップ画像のようなありさま。代わりにレンジでチンするパックご飯が山積みになっていたのである。  思い出すのは私たちが結婚した1994年年のコメ不足である。前年の冷夏により日本米がすっかり消えて、日本人の口に合わないタイ米ばかりが並んでがっかりさせられたものだった。  きのうかろうじてスーパーの棚にあったのは、びっくりするほど高いブランド米の小袋だけ。「パンがないならケーキを食べればい

          令和のコメ騒動

          令和のコメ騒動

           スーパーの店頭から米が消えたそうだ。そう聞いてきのうの帰路で近所の店に立ち寄ったところ、トップ画像のようなありさま。代わりにレンジでチンするパックご飯が山積みになっていたのである。  思い出すのは私たちが結婚した1994年年のコメ不足である。前年の冷夏により日本米がすっかり消えて、日本人の口に合わないタイ米ばかりが並んでがっかりさせられたものだった。  きのうかろうじてスーパーの棚にあったのは、びっくりするほど高いブランド米の小袋だけ。「パンがないならケーキを食べればい

          令和のコメ騒動

          こんなところにも泡沫候補が・・・

           岸田首相が終戦記念日の前日に自民党総裁選不出馬を表明したのには驚かされた。派閥解消で混沌とした情勢のなか「この間隙を縫ってスルスルと再選されちゃったら、そのまま総理を続けることになるかもね」などとぼんやり考えていた。  突然総裁選レースの号砲が鳴った形で、一気に騒がしくなってきた。きょうの段階で新聞やテレビで「とりざたされる候補」は11名もいるらしい。 「なるほどこういう顔ぶれなのか」と思うものの、誰とはしないが「え、あなた誰?」という人がいて、出馬へのハードルが下が

          こんなところにも泡沫候補が・・・

          文章の密度と緊迫感

           第166回の芥川賞を「ブラックボックス」で受賞した砂川文次氏の新作長編「越境」を読んでいる。この作品がなかなかの“歯ごたえ”なのである。  純文学を対象にする芥川賞。主催している日本文学振興会は「雑誌(同人雑誌を含む)に発表された、新進作家による純文学の中・短編作品のなかから、最も優秀な作品に贈られる賞」としている。長編小説は対象ではないのだ。 受賞作「ブラックボックス」はメッセンジャーとして自転車を駆る青年の物語だったが、砂川氏は元自衛隊員。それ以前に候補となった「

          文章の密度と緊迫感

          「お前、そこで踊ってみろ」

           パリ五輪のブレイキンで見事に初代女王に輝いたAMIさん。メダリストによる首相官邸への表敬訪問で、彼女に対するひどいパワハラ事案が起きた。  スポーツ庁の室伏広治長官が首相の前でAMIさんに「即興が得意ということで、ちょっと場を和ますというか……、いかがでしょう? AMI選手」と発言したという。AMIさんが「スーツなので」とにこやかに断ったのでその場が収まったのは素晴らしいが、まあ、アスリート出身にもかかわらず、まるで余興のようにパフォーマンスを強要するなど、リスペクトのか

          「お前、そこで踊ってみろ」

          客寄せの「人形供養」

           先日の新聞朝刊の折込チラシで目に入ったのが「ぬいぐるみ・人形供養&葬儀なんでも相談会」というもの。詳しく読むと葬儀会社の営業チラシなのだった。 曰く「ご家族の役目を終えた人形をお寺様の読経で供養いたします」「心を込めてご供養いたします」「お預かりしたぬいぐるみ・人形は当日お寺様に供養していただき、終了のご報告を後日会館前に貼り出します」「○○会員様は20体まで無料」「人形の返却はできませんのでご了承ください」とある。こうして客とその個人情報を集めて、墓地や葬儀の営業にす

          客寄せの「人形供養」

          最後は無難にブランドで選ぶ

           連日の酷暑である。  恒例の朝の3駅30分ウォーキングでは日傘・携帯ファン・サングラスを装備して臨んでいるが、昨日はこれに新兵器が追加された。ネッククーラーである。  数年前から街で女性が着けているのを見かけるようになってきた。特にこれといった理由もないまま試していなかったが、先日立ち寄った無印良品でサンプルを試してみたことをきっかけに興味が出ていた。  ネットで探してみると、まあ次から次へと類似商品が出てくる。安いものは数百円から、高いのになると数千円もするのである

          最後は無難にブランドで選ぶ

          うーん、焦点が定まっていない【感想文】「真・慶安太平記」真保裕一

          (プチネタバレあり)馴染みがなかった江戸前期、それも「慶安事件」が舞台になっていて、歴史のお勉強として面白かった。しかしその事件がメインストリームになるのはかなり後半、主要登場人物たちのキャラもいまいち明確でなく、群像劇といえばカッコいいが、焦点がボヤけてしまった印象。サブキャラの春日局の凄みばかりが印象的というのは、作者の狙いがうまくいってない証ではないか。家光のダメダメさも読ませるが、所詮題材が地味なんだよね。 (22/1/16読了)

          うーん、焦点が定まっていない【感想文】「真・慶安太平記」真保裕一

          五輪ロス

           パリ五輪は11日に閉会した。開会式当日に国鉄で同時放火事件があったこともあり治安が心配されたが、無事に完遂できてよかった。「時差がある」「野球・ソフトボールがない」「誤審騒動」などで、一部には「国内では盛り上がりに欠けた大会」という声もあったようだが、個人的には毎日ワクワクしながら観戦させてもらった。  敗退した阿部詩選手の号泣、堀米選手の大逆転金メダル、フェンシング江村選手の凛々しいたたずまい、レスリングのメダルラッシュなど名シーンが目白押しだったが、女子やり投げの北

          「男は臭い」の炎上

           フリーアナウンサーがX(旧Twitter)に投稿した記事が炎上し、事務所との契約を解除されるまで発展した。  ご本人としては「男性の中には体臭に無頓着な方もいるし、いろいろ気をつけましょうね」という軽い気持ちの書き込みだったのだろう。私もその程度にとらえていた。 実際彼女は「気付かぬうちに不快にさせることが誰しもあるから、できる範囲で清潔感を保つことが大事(ということです)」と直後に“釈明”している。投稿の主旨が「臭い」ではなく、後段の「気をつけましょう」だったと言いた

          「男は臭い」の炎上

          ああ、富山県

           産経新聞が9月30日をもって富山県内での産経新聞、サンケイスポーツ、夕刊フジの発行を休止すると発表した。富山県については先日、毎日新聞も配送を休止すると発表したばかりだった。両社とも「休止」としているが、雑誌の「休刊」が事実上の廃刊であるのと同じで、「もう富山ではやめちゃう」ってことである。「発行休止」と「配送休止」の違いはよくわからないが。取材体制はどうするのだろう。共同電頼みになるのだろうな。そもそもいまも支局はあるのかな? この記事で驚いたのは「日本ABC協会による

          ああ、富山県