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アラカン的に「シン・ウルトラマン」を熱く語る

オタク気質のアラカンとして

 グッズを大量に蒐集したりすることはないが、それでも自分の“オタク気質”に気づくことがある。例えば、小出しにされてきた映画「シン・ウルトラマン」のプロモーション動画(予告編)に数カ月前からワクワクしていた。いてもたってもいられず、公開8日目にあたる金曜日の夜に鑑賞してきた。

 私はアラカン=広くは「ウルトラマン世代」ではあるが、初代ウルトラマンはちょっと早すぎて、同時代的には見ていなかった。思い入れがあるのは「ウルトラセブン」だ。それでも、もちろんウルトラマンはよく知っている。

 さすがの話題作である。ネットに素晴らしい感想・レビューが山のように出現している(特に後段で引用しているこちらのレビューが過不足なく、素晴らしい)。「いまさら私ごときが何を書いても」という気もするが、まあ、せっかく仕入れたnoteネタだ、しっかり語らせてもらう。プチネタバレありなので、ご注意を。

とにかく楽しんだ。でも・・・

 最近でこそ小説でもSFを楽しめるようになってきているが、やはり映像でワクワクするのは子どもの頃から変わらない。“SF的グルーヴ感”と名付けていい。そして、「シン・ウルトラマン」ではその感覚をたっぷりと味わうことができたのである。

 このあたりの感覚は昭和ヒトケタ世代の父親にはまったく理解できないらしい。キューブリック監督の「2001年宇宙の旅」や、80年代に大いに話題になった小松左京「さよならジュピター」について、「プラモデルの宇宙船が飛び交っているだけの映画のどこが面白いんだ?」とケチョンケチョンだったのが懐かしい。

 ネットで見る「シン・ウルトラマン」のレビューによると、「ウルトラマン」だけでなく、「ウルトラQ」「エヴァンゲリオン」へのオマージュが満載なのだという。気づいたものもあるし、わからずにスルーしたものも多いはず(特に「エヴァンゲリオン」の世界観はまったく無知なので)。もちろんバックグラウンドがなくても楽しめるようにできているし、「深い知識があればさらに楽しめる」のはどんな作品でも同じだろう。ちなみに、私の翌日に鑑賞した長男(20代半ば)は「十分に面白かったよ」という感想だった。

 気になったのは、ふんだんに出現する「セクハラカット」だ。これについてもネット世界でレビューがあふれている。

 2022年のいま、バリバリの昭和オヤジである当方ですらあのカットの数々には違和感があった。ましてや女性たちが“ドン引き”になったのはやむを得ないだろう。「それを含めたウルトラマン世界観へのオマージュ」ということなのか?

「シン・ゴジラ」の凄さを再認識

 2016年公開の傑作「シン・ゴジラ」と比べると、今作の設定はあそこまで緻密に作り込まれてはいなかったように見える。決して瑕疵にはなっていないのだが、シミュレーションドラマとしての「シン・ゴジラ」の凄みを改めて認識、Amazonプライムビデオで早送りしながら再視聴している。

 つぎは「シン・仮面ライダー」だそうだ。私は1号から熱狂したドンピシャ世代なのだが、不思議にも宣伝動画にまったくワクワクしていない。何故だろう?

 とにかく「シン・ウルトラマン」はオヤジ世代が熱く語り合うことができる作品だった。世代を超えて楽しめることも間違いない。これをきっかけにもっと日本のエンタメ映画を追いかけてみてもいいな、などと考えているところだ。

(蛇足)興行的にはどうなんだろう?

 記事によると20日までの8日間で100万人を動員、興行収入15億円を達成したそうだ。私もこれにカウントされたひとり。

 しかし、金曜日のアフター5にもかかわらず私が行った300人規模のスクリーンに客はわずか12人だった。きょうの各劇場の予約画面を見ても、満員には程遠いようだ。「たとえロケットスタートでも、その後の動員が続かない」のはオタク系映画ならでは動きなのではないか。各種レビューも“絶賛一辺倒”というよりは“賛否両論”の印象だ。「シン・メガヒット」を記録するのは難しいのかもしれない。
(22/5/22)


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