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【単位換算編】宇宙の年齢を手計算してみよう2

今回は【天文学】宇宙の年齢を手計算してみようの追記NOTEです。まぁ世の中には乗り物がいっぱいありますけど、やっぱり一番怖いのは……体重計ですよね(精神的に考えて)。自分はここ数年、花粉症にならないように週一でランニングしてますが全く体重も体脂肪も落ちる気配がありません。あぁ、無情。

さて、体重と言えばkg(キログラム)っていう単位がありますよね。自然科学(物理とか化学)の分野では ”単位換算” "単位変換" が山ほど出てきて、それに苦しめられている方にはこのNOTEは朗報かもしれません。ここでは自分が普段やっているスコアボード表記による単位換算のやり方を紹介したいと思います。もし気に入ったら使ってやって下さい。

1.スコアボード表記の仕方と簡単な計算例

イメージとしては野球のスコアボードとか、相撲の取組表のような感じで書いていくんです。まぁ文にするより見ていただいた方が早いでしょう。

単位換算1

書き方のルールは2つありまして、黄色エリアに書いてます通り①すべて分数表記する、②成分ごとに縦棒で区切るです。これを使って時速36kmを秒速へ単位換算する具体例を併せて示しました。

まず左端に換算前のデータを書き、後は青エリアで距離の換算を、緑エリアで時間の換算を個別に書いていきます。換算は好きな順番で構いません。もし目的の単位(m/s)が残っているか不安だったら、分母分子で打ち消し合う単位をスラッシュ”/”で消して確かめればOKでしょう。最後は、数値の掛け算・割り算をして終わりです。個人的には、この表記を使うと掛け算記号 ”×” を書かなくていいのでめちゃくちゃ見やすいと思ってます。

単位換算1+

紙面上で手計算する場合は、緑エリアの時間換算のように複数エリアに渡って同じ次元(時間なら時間、距離なら距離)の換算が続くものがでてきます。パワポみたいにカラー別に分けられたらいいんですけど、そういうわけにゃいきません。そんな時は上みたいに大きなカッコ[ ]とか( )を使ってくくってやれば次元別に分けることができて、混乱は避けられると思いますよ。

2.スコアボード表記で宇宙の年齢を計算する

計算が複雑化するとスコアボード表記は威力を発揮します。例えば、宇宙の年齢を計算する時とか役に立ちますよ。

単位換算2+

世に出回っているハッブル定数のうち今回は71km/(s・Mpc)という数値を使います。ハッブル定数は326万光年離れた場所が1秒ごとに71km遠ざかるっていう膨張頻度を表していて、単位換算には①②③の式を使います。それでは改めて、スコアボード表記を使って宇宙年齢を計算してみましょう。

単位換算2++1

1.ハッブル定数から秒数の算出では距離の換算がメインとなります。実はMpc(メガパーセク)とkmはどちらも長さの次元です。3色でカラーリングしたエリアはMpcをメートルに直すために①②③式が必要だったことを表しています。右端に示したように計算が終わったら時間(秒)の次元だけが残ってきました。続いて秒数を年数に換算しましょう。

単位換算2++2

2.秒数から年数への換算では先ほどの例のようにひたすら時間を換算していきます。秒→分→時間→日→年とやっていった結果、大体宇宙の年齢が138億年であることが分かりました。

ちなみに、ハッブル定数を71km/(s・Mpc)にした理由は天文学辞典さんの図4(上のグラフ)を見て一番中央値っぽいなと思ったからです。仮に、72km/(s・Mpc)として計算したら宇宙の年齢は140億年になって結構ズレるんです。現在測定されているハッブル定数にはムラがあって、「これだ」っていう値は出せていません。将来的に高精度のハッブル定数が求まり、宇宙の年齢がある程度絞れればいいですね。

まとめ

色々な単位が登場する単位換算は、計算ミスがとても起こりやすいです。今回紹介したようなスコアボード表記を使うと、単位の打ち消し合いや掛け算が視覚的に分かりやすくなると思います。また、これは時間や長さだけでなくて、両替とか為替レートの計算にも使えるんで、それなりに活用して頂ければ嬉しいですね。

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