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将棋エッセイ

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自分の将棋の見方です。
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2020年7月の記事一覧

【ねこぱんち戦法】対一直線穴熊用中飛車ミレニアム

【ねこぱんち戦法】対一直線穴熊用中飛車ミレニアム

2000年を少し過ぎた頃、超速▲3七銀がまだ世に出る前に自分が先行して指していたオリジナル戦法、中飛車ミレニアム(ねこぱんち戦法)を紹介したいと思います。本NOTEを投稿してから約2年後の2022年、プロ棋士・伊藤真吾先生が中飛車ミレニアムを紹介したことから、決して奇を衒った作戦ではないことを裏付けています。今回は、この対一直線穴熊専用中飛車ミレニアムの指し方をざっくりと解説します。

中飛車ミレ

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【将棋考察】振り飛車が勝ち難い理由の言語化

【将棋考察】振り飛車が勝ち難い理由の言語化

1.飛車を動かす手数分、居飛車が先を行く居飛車対振り飛車の対抗形に限ると、振り飛車は最低でも飛車に1手かけます。中飛車や向かい飛車の場合は飛車を引いて計2手費やすこともあるでしょう。居飛車はこの1,2手分を自由に使うことができるのです。攻めに使うしても囲いに使うしても、この手の交換は居飛車の方が先を行くため、これが振り飛車が勝ち難い理由の一つだと自分は考えています。仮に、飛車で相手の大駒を狙う観点

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【将棋】振り飛車の変遷イメージ

【将棋】振り飛車の変遷イメージ

ひとつだけ詰将棋(10手台)でも出しておきますね。

ざっくりとした四→中→三というトレンド
2000年頃は四間飛車・藤井システムが大流行していました。居飛車は単純な四枚穴熊を組みづらくなったので、その代わりとして玉を角筋から避けて組む天守閣美濃や米長玉、串カツ囲いなどを導入しましたが玉頭がネックとなっておりました。そこで、陣形の低いミレニアムが考案されて、一時期は四間飛車に対して一定の成果を得ま

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王位戦第二局で起きた”時間のアヤ”

王位戦第二局で起きた”時間のアヤ”

2020.07.16. 藤井七段、棋聖獲得おめでとうございます(新棋聖となられる直前にこの記事をアップしたため七段表記となっていることをお断りしておきます)。

第61期王位戦七番勝負第二局(▲木村王位-△藤井七段)は藤井七段の大逆転劇で幕を閉じたが、どうしてこんなことが起こったのだろうか?自分はこれは起こるべくして起きた ”時間のアヤ” による悲劇だと思っていて、その理由を自分が勝手に指し手から

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