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みんなの本棚<8棚目/選者 渡辺 実莉さん>

 リレー形式で様々なメンバーから、おすすめ本を3冊選書してもらうシリーズ企画「みんなの本棚」。8人目の選者は、諸戸さんからバトンを渡されたコンテンツデザイン局 渡辺 実莉(わたなべ みのり)さんです!
 ぜひ、みなさんのインプットにお役立てください。

コンテンツデザイン局 渡辺(わたなべ)さん

▼プロフィール紹介
2021年新卒入社。DI(デジタルインテグレーション)チームでディレクターをしています。趣味は映画鑑賞です。

 実はDI(デジタルインテグレーション)チームで輪読会を不定期開催しています。テクノロジーにまつわる様々な本を取り上げて議題を設定し、メンバー間で知識を深めたりそれぞれの違う一面を知ったりしています。

DIチームの輪読会の様子

今回はその中で取り上げた3冊と、DIチームの議論の一部をお届けします!


1.「新しいメディアのなかには、きっとまだ見ぬ未知の芸術が潜んでいるにちがいない」

「メディア・アート原論」(久保田晃弘・畠中実 【著】)

 こちらは「テクノロジー×芸術」をテーマに、第1回輪読会で取り上げました。さまざまな定義が混在している「メディア・アート」という領域を、歴史やキーワードからわかりやすく解説した一冊です。

 
本書から引用して「技術が可能にする体験は、人間の何を変えるのか?」という議題で話し合い、
 「例えばSNSのフォロワー数でインフルエンサーの金額が決まったりする。テクノロジーは人の存在価値そのものを変えるのではないか」
 「想像でしかなかったものができるようになっちゃった時に、自分の価値観がどうなるのかを考えるきっかけを作るのが技術」
 などなど、メンバーの経験に基づいた多様な意見が出ました。やはり案件では聞けないそれぞれの思考って重要ですね!

2.「人と人工知能という異種の間に、理解の起点を見つけることは可能なのでしょうか」

「人工知能のための哲学塾 未来社会編」(三宅陽一郎・大山匠 【著】)

 「テクノロジー×哲学」をテーマに第2回で取り上げました。人工知能における「知能とは」「人とは何か」という問いについて、さまざまな視点から哲学議論を行う一冊です。

 今回は「人と人工知能は分かりあえるか」という章を取り上げ、AIのみならず友人やペットまで、多様な「分かりあい方」について議論しました。
 「最初は分かりあえないなって感じたとしても、掘り進めると、向いている方向は同じなんだけど進み方が違ってるだけ、みたいなことがある」
 「非言語で分かりあう方がお互いに余白があるから、想像で補い合ってどうにかなる気がする」
 「『こいつとは分かりあえないな』って思うことはあるけど、ならば『分かりあえる』の定義が存在するはずなんだけど、それがないのは何で?」
 
 個人的には繁田さんの「うちの猫が、自分のことをご飯をくれる人っていう『機能』としてしか見てくれてなくて、猫と分かりあえてなかったな…と思った」という体験談がとてもよかったです。

飼い主を機能として見ている繁田さん宅の猫ちゃん

3.「現在の生活の中のどんな目立った変化も、その中心には何らかのテクノロジーが絡んでいる」

「〈インターネット〉の次に来るもの」(ケヴィン・ケリー【著】、服部桂【訳】)

 「テクノロジー×メディア」をテーマに第3回で取り上げました。人工知能、VR、ライフログなど… インターネット普及後の世界で何が起きていくかを、章ごとのキーワードを軸に紐解いていく一冊です。

 今回はこの中の一章「フィルタリング」から「自分の注意を次にどこに向けるかを、私たちはどうやって決めたいだろうか?」という議題で、情報が溢れる社会で私たちがどのように「選択」していくか、など情報と社会にまつわる議論を行いました。
 「自分の手の届く範囲の情報しか見ないと自分の世界が閉じられていってしまうから、あえて全然知らない場所に飛び込んでみたりする」
  「例えば辞書でも、同じ単語でも出版社によって説明が全然違ったりする。そこには編集者の持つ『偏り』みたいなのがあって、それはもう回避できない」

 ちなみにこの章に「人はモノではなく『体験』に金を出すようになる。なぜならモノは技術革新でどんどん安価になっていくが、体験は複製できないし、安価にならないからだ」という話があり、なるほどなと思いました。
 自分の手の届いていなかった場所を言語化してくれるのが本の良いところだなとしみじみ思います。

4.次の選者について。

 次のバトンは、コンテンツデザイン局 DIチームの小野寺(おのでら)さんに渡します!
 どんな本に触れてきたのか気になっています。よろしくお願いします!

>>それでは、次回もお楽しみに!

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