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薄楽俊
2023年5月20日 20:47
処暑の火曜日はとても暑くて少年のぼくは飼い主に裏切られた猫のように日陰を探して人通りの絶えた町をうろついていたぼくは大人になったいまでも鉛筆とかアイスピックとか妻の八重歯などといった先の尖ったものが苦手であるそれは幼い頃に突然咲いた母の白い日傘がぼくの目をかすめたからだ母がそれを詫びたのは 十年後ぼくが大学に入って最初の夏の帰省の時だった母はたぶん油断していたのだと思う
2023年4月14日 17:53
私のソラリスー浮遊する記憶 それなら、やはり、これから何年も・・・彼女の息をまだ覚えている 空気の中で過ごすべきなのだろうか?いったい 何のために? スタニスワフ・レム 「ソラリス」より渦星雲のように蒼白く蛍光しその夜はいやに長くいく粒の震え瞬く弦のように記憶を降ら