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薄楽詩集

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詩をまとめています。
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#記憶

【詩】処暑の火曜日

【詩】処暑の火曜日

処暑の火曜日はとても暑くて
少年のぼくは飼い主に裏切られた猫のように
日陰を探して人通りの絶えた町をうろついていた

ぼくは大人になったいまでも
鉛筆とかアイスピックとか妻の八重歯などといった
先の尖ったものが苦手である
それは幼い頃に突然咲いた母の白い日傘が
ぼくの目をかすめたからだ

母がそれを詫びたのは 十年後
ぼくが大学に入って最初の夏の帰省の時だった

母はたぶん油断していたのだと思う

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【詩】私のソラリスー浮遊する記憶

【詩】私のソラリスー浮遊する記憶

私のソラリスー浮遊する記憶 

   それなら、やはり、これから何年も・・・彼女の息をまだ覚えている
   空気の中で過ごすべきなのだろうか?いったい 何のために?                                       
               スタニスワフ・レム 「ソラリス」より

渦星雲のように蒼白く蛍光し
その夜はいやに長く
いく粒の震え瞬く弦のように
記憶を降ら

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