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しりとりが詩集になった・薄明詩集Ⅱ『羞恥にリボン』の記録。

こんにちは、薄明です。今月の頭に、二冊目の写真詩集『羞恥にリボン』を作りました。注文いただいたうちの大半が皆さんのお手元に届いたので、秋雨の音を聴きながらnoteを書いています。(Tweetで到着報告いただいたものは追記していっています)

一冊目の写真詩集『執着点』を作ったのは昨年の6月でしたから、およそ一年以上ぶりになります。ただ、前回は書き溜めてきた詩や撮った写真から選んで構成したのに対して、今回は一定のルールによって綴った詩を写真とセットで時系列に掲載したものです。

以前書いたこのnoteにそのあたりの経緯は書いてあるのですが、改めて申し上げると「詩でひとりしりとりをしているので、それを本にした」ということです。

今回はページ数も96ページと多めにはしたつもりでしたが、見開きでひとつずつにしたら結局作成時点まで追いつけずでした。なのでそのうち二冊目も作りたいと思います。

見開きで詩と、ツイートしたときにセットになっていた写真を一枚レイアウトするというスタイルでほぼ統一されています。ただ、一部の写真は編集時に変更していたり、まだTwitterにあげていない新作の写真を入れてみたりと少しは変化を持たせたつもりです。しりとり自体も少し手を入れたものもあります。

タイトルについて

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タイトルである『羞恥にリボン』ですが、収録されているひとつの詩から採っています。

しかし写真はまた別の詩につけているものから選んでいます。深い意図はなく、単純に写真として好きなものを表紙に使ったという理由です。本当はタイトル自体もこの詩全篇を使用するつもりだったのですが、文字数オーバーと言われてしまい、仕方なく一部分を切り取ることにしました。「他人のエンドロール…」と迷ったのですが、最終的にしっくりきたのがこちらの詩でした。

詩は私にとっては写真以上に自分の内面のエキスがしみ出ている媒体で、そのためそこにはただの想いも、虚栄心も、羞恥心も、怖れも、虚無すらもいろんなものがことばに少しずつ含まれています。詩をひとつひとつ解題していく必要はありませんので、このタイトルと詩集全体との関わりを考える方はいらっしゃるかもしれませんが、各人の思う形で大丈夫です。

私がなにか正解をもってこのタイトルを掲げているわけではありません。強いて言うならば、私のつくるものすべてに少しずつ含まれているのがこの羞恥という感情でしょうし、普段袂に隠しているそれにリボンをつけてやるくらいの気持ちが、この詩を書いた時の私は見えていたのだと思います。

タイトルだけでなく個々の詩についても、解釈はすべて読む人に委ねられています。そしてその答えはあなたのものです。私のそのときの答えが私だけのものであるように。私と読者の解釈が通じれば、それは単純に幸せなことです。

紹介しておきますと、前作の詩集『執着点』に関するnoteはこちらです。

お届けした方々からの声

感想ツイート第一号がよーさんでした。写真集に続き、ひとり穏やかな時間に手に取ってくださると嬉しいです。

にゃんさんも写真集を先日注文いただき、写真はセットで撮ってくださいました。ありがとうございます。

ひとに響くものがあれば嬉しいですし、響くものもひとによって違うのも面白いです。ありがとうございます。

アノさんには、詩一篇が小説一章分、だなんて素敵な表現をしていただき恐縮です。

以前写真展にお邪魔した西出光一郎さん(ハッセルで北欧の写真を撮られていました)が購入してくださいました。ありがとうございます。

イタリーさんの考察がすごかった。正直そこまで考えてはいなかったのですが、これもひとつの解釈として面白いなあと感心して読んでおりました。次のkusa mochiさんも同じく、タイトルの「リボン」のンで終わるのはしりとりらしい締め方を想定したタイトルなのかなと仰っていました。

kusa mochiさんは何人かいる、直接お渡しできた方のうちの一人です。その場でたくさん感想を聞かせていただいたにも関わらず、ツイートまでしていただいてありがとうございます。あまり詩の解釈をお話するのも野暮かなあとは思いながらも、話がはずんでついつい話したいことを話していた気がします。解釈の押し付けになっていないといいのですが。

「楽しみにしていた」なんてありがとうございます。手元にまだないときにもそんな風に感じていただけて光栄です。

引っ越しのタイミングと重なりましたが、唯一縦書き表紙と横書き表紙を両方注文してくださったtattiさんと紙魚さんのお二人。ありがとうございます。縦書き表紙版は私も持っていないので、2020/9/25現在、全世界において唯一の所持者です。(いやさすがに私は作っておくか)

物書き業をされている街街さんから、沢山素敵なご感想をいただきました。ツリー先や続きのツイートでたくさんのことばを頂戴して胸がいっぱいになりました。ご感想の文章だけでひとつの作品のようでした。ありがとうございます。

いつも面白いDMで笑わせて下さるわたろさんです。(詐欺じゃないのに詐欺っぽいDMで入金してくる) わたろさんのフォトブック2冊目もよかったです。1冊目と違ってスナップでまとめたものでしたので、かなり唸らされました。わたろさんは同じDf使いなのですが、私には撮れないものばかりで、違いというものをまざまざと見せつけられる思いです。愛がそこにある。

「薄明さんの詩はひとつひとつの言葉の意味を繋げて、じっくり読み解く感じがとても好きです。」とのお言葉を頂戴して、嬉しかったです。そこまで深く考え抜いて組み立てられていないのですが、丁寧に読み解いてくださって恐縮です。

ぽんさんははじめましてからの注文を頂き、嬉しかったです。しかしそれだけに手に取っていただくことへのプレッシャーが! 楽しんでいただけていたらいいのですが。

shさんからも丁寧な感想ツイートを頂戴し、しかもなんだか素敵に撮っていただいている…ありがとうございました。

(公開後追記)いちがみさんは同じ市内で活動している方なので、今回も直接お渡し出来ました。朝の習慣に組み込まれるって衝撃的です笑 それにしても写真がお洒落です。

レンズの修理などのnoteでいつも拝見しているケイタケさんにもご購入いただきました。ありがとうございます。くだらないことでも、真剣に遊ぶと結果としても面白いものができるような気がします。

リアル友人のケイさんには手渡しできました。ありがとうございます。ケイさんはnoteなどで短篇小説や旅行記を書いておられますので是非。

前回のフォトブックも買ってくださったフィンスさん、本詩集もお求め頂きました。ありがとうございます。花まで添えて素敵に撮ってくださっている…! 詩集は適当にページを開いてそこを読む、というスタイルが私のです。

このほかにDMでご感想いただいたり、InstagramのストーリーズやDMでお言葉を頂戴したり、はたまた直筆のお手紙を頂戴したりしました。いつもツイートをみて下さっているだけでも、そして実際に手に取っていただけて本当にありがたいことなのですが、さらにご感想までいただけるなんてなんだか勿体ないくらいです。貴重なお時間を割いていただいてありがとうございます。

上に紹介できた方は一部ですが、どの方も素敵な写真やことばをWeb上などに発表されている方たちですので、もしご存じでない方がいらしたら是非見に行ってみてください。

中には詩集に触れるのが初めての方もいて、初めてが私のでいいのか…?と思いましたが、長い目で何かのきっかけになれたら嬉しいことです。フォトブックはかなりの数が出たのですが、詩なのでせいぜい10人くらいかなと想定していたので、それを上回る声をいただけたのは本当にありがたいことでした。

実際に形にしてみて

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皆さんのご感想はそれとして嬉しくいただいておりますが、自分自身がこうして形にして、どう感じたか。今回は前回の詩集『執着点』と違い、ベースが時系列順にすでに完成しているものでした。ですから前回のように構成やセレクトに苦心するということはなかったので、フォトブックからそう間を置かずに発行に至りました。

そのことで何人かからは「前の本からほとんど期間置いてないですね」と言われたことが記憶に残っています。写真だけにせよ、詩を交えるにせよ、選んでさらにそれをどうレイアウトしていくかを考えるのは非常にエネルギーと時間を使うことだなと、3冊作ってみて思いました。

(こちらは前回のフォトブックを作成したときのnoteです。)

ただ、今回の『羞恥にリボン』も見開きでひとつという構成ではあるものの写真の入れ替えであったり、写真の大きさを変えたりと多少変化を取り入れました。石ころと執着点の間くらいの動きがあるなあと自分では感じています。

Webで発表しているものと内容としてはほぼ同じなのに、なぜ本にしたかったのか。

それは、少なくともTwitterやInstagramなどのSNSはひとつのアカウント内で一定のテーマやコンテンツをまとめて置いておくことに長けているわけではないと、私は感じているからです。

写真なり詩なりをひとつひとつの作品と捉えた時に、それを編集して塊にしたとしてもアクセスしづらい。それをしたいならもっとアーカイブの性質の濃いものに乗り換えるか、個人サイトなどで自分で構築するのがいいのでしょう。何人かはやはりポートフォリオサイトを作って公開されています。

私はそういうものの形のひとつとして、その時点での作品の塊を印刷してまとめておくということを選んでいます。思い出を振り返ったり、自分のその時点での考え方や感じ方を振り返りたい、という欲求が私にはあります。ですので、noteもそれに近い使い方をしています(他の方のnoteから刺激や感慨を得ることもひとつの目的です)。

紙に印刷されたそれらは、非常に手に取りやすい。

また、プリントした写真や印刷物を手に取る機会というのも、ここ30年でぐっと減ったことと思います。それが劣った手段であるから廃れたのではないと私は思っていますが、もしこうして私が楽しんでいる様子を見て、「アナログのポートフォリオ(や作品集)なんて」と思っている人が少しでもプリントに興味を持ってくれたら、その人の世界もまた少し開けるのではないかと考えています。

ディスプレイの光とは違う、自然光などの中で見る写真は、また異なる情感を伝えてくれる気がします。

薄明詩集Ⅱ『羞恥にリボン』を販売しています

こちらのツイートでご案内しておりますが、本詩集は現在も販売中です。印刷会社からの直送でお届けもできます。一冊1500円(送料・税込)です。もし興味を持たれた方がいらっしゃったら、TwitterやInstagram等、DMなどでお知らせください。

それでは、よき写真生活を。

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