【コピーライターが誰でも使えるUXライティングを解説】一歩手前の行動で選択を促す「匂わせアクション」って?
こんにちは!博報堂プロダクツ コピーライターの平原です。
「ことばのUXラボ」では、UXライティングの研究としてさまざまな企業・サービスのWEBコンテンツをチェック。気になる事例を持ち寄って、日々議論を重ねています。
今回は、前回に引き続き「誰でも使える!CVを高める10の手口」をご紹介。
手口1では、あと一息でハードルを下げる「イマココ提示」について解説しました。
手口2は、心理的障壁を下げて行動につなげる「匂わせアクション」です!
UXライティングの真髄を学べる神回かも。 (言い過ぎか…)
今回の登場人物
(ベテランコピーライター)高谷・(4年目コピーライター)平原・(2年目デザイナー)清水の3人です!
「匂わせアクション」ってなに?
清水:レストランの予約サイトを見ていたら「空席確認・予約する」と「お気に入り登録」のほかに「📎とりあえず保存」っていうボタンがあって。「とりあえず保存」しちゃいました笑
平原:なんかわかる!「とりあえず」っていうのがいいですね。しかも大体そこを予約しちゃうっていう。
高谷:それは「匂わせアクション」だね。「購入」とか「会員登録」とか売りに直結する行動の前に、行動を匂わせるワンステップを入れることで選択のハードルを下げる。使いこなせるとCVアップに大きく貢献できるテクニックのひとつです。
高谷:さっき清水さんが言っていた事例は、「お気に入り」まではいかなくても、ちょっと気になる店舗をリストに残すボタンを用意することで、獲得の間口を広げていますね。
清水:買い物するときに「購入する」じゃなくて「カートに入れる」があるのもハードル下がりますよね。「購入」はプレッシャーがやや高いので。
「匂わせアクション」は思いやりのかたまり。
平原:本当にしてほしいことのちょっと手前の選択肢を作ることが大事なんですね。
これは転職サイトで見つけたコピーなんですが、「アカウントを作る」「ログイン」の下に「まずは募集をみてみる」っていうのがあって。とりあえず見てみようかな、という気になります。
高谷:「とりあえず」やってみよう、と思わせるのが「匂わせアクション」のポイント。
実際には選択肢を別で用意するのもアリだし、同じ行動をさせるために言葉を変える方法もありますよ。例えばこの事例では、「無料トライアル」を促すために「プランと価格を見る」という言葉に変えたことで、200%もCVが上がったそうです。
清水:無料って言われても「トライアル」はちょっとハードルが高いですもんね。登録を迷っている人や、他と比べたい人に効きそうです。
平原:そう考えると「匂わせアクション」って、すごいやさしいコピーですね。迷ってる人に寄り添って、行動を後押ししてあげるので。
高谷:そうですね。実際に書くときは、「本当はどんな行動をしてもらいたいのか」を考えた上で、その一歩手前、心理的障壁が低い選択肢を用意する。サイトを訪れた人の立場に立って作るのが大切です。
清水:ちょっと言葉を変えるだけで、ユーザーにも企業にも嬉しいし、いいことづくめですね!
「診断コンテンツ」は「匂わせ」に有効!?
平原:サブスクのサイトって、よく診断コンテンツが載ってたりしますよね。この前はコーヒーのサブスクで見つけました。あなたにあったコーヒーが届くという内容だったので、サービスと直結していてハードルも下がって、すごくいいなと思いました。
清水:BtoBのサービスでもよくありますよね。この前「2Stepでわかる使い方診断」というのを見つけました。
高谷:「UXライティング」から派生してそういうコンテンツを作るのはいいよね。もう少しやりやすいものだと、「プランの比較」ページを作るのもハードルを下げるのに有効です。
いかがでしたか?
確かにユーザー目線で考えてみると、いきなり「購入する」と言われたら身構えちゃいますよね。
ちょっとしたハードルになるものを丁寧に取り除いて、スムーズに行動(購買)につなげていく。これは「ユーザー体験(User eXperience)価値をあげる」のが使命であるUXライティングにおいて、特に重要なことだと思います。
売る側にも買う側にも嬉しい「匂わせアクション」、ぜひ今日から活用してみてください。
それでは次回もお楽しみに!