この時期になると必ず見かける間違い(1-2)自家製酵素ジュース 【いつの間にか酒になっちゃった!を防ぐためには】
前回は、自家製酵素ジュースの衛生管理のお話をしました。
前述にもあるように酵素ジュースの問題点は主に3つある。
と書きました。
そのうちのひとつが こちら ↓↓↓↓
前回のおさらい ↓↓↓↓
今回は酵素ジュースの問題点2つ目
いつの間にか酒になっちゃった!を防ぐために
についてお話してきます。
梅の時期ですね。
ワタシは毎年、和歌山の尊敬する紀州南高梅の梅農家さんから毎年梅を取り寄せています。
(ご利用の際はizumiのブログを見たと言っていただけたら嬉しいです)
みっちゃんと園主であるお父さんが愛情込めて育てた梅は、
大きくて、ぴかぴかしていて、とてもりっぱでカッコイイ。
梅しごとをしたい方、美味しい梅を探している方は是非。
おすすめです。
前述にもあるように、ワタシはみっちゃんから毎年梅を購入しています。
6月の下旬になると、みっちゃんからりっぱな梅が届き、
箱を開ける前から完熟した梅のうっとりするような甘い香りが漂い、幸せのお届け物感たっぷりです。
箱を開封すると、その香りはアニメーションになるかと思うくらいはっきりと香りの筋が形を持って部屋中に漂います。
その瞬間のなんて幸せなことか。
何ものにも代えられない至福なアロマ。
生きたアロマテラピーです。
梅干しを作ったり、梅シロップを作ったり、その年によってバランスを変えるのですが、梅シロップは毎年必ず仕込んでいます。
作り方やレシピも毎年変えて、自分なりのベストを模索しています。
梅シロップの一般的な作り方
完熟梅でも青梅でもどちらでも作ることができますが、
ワタシは主に完熟梅を使うことが多いです。
みっちゃんから届く時は、輸送中に完熟になっている(もしくはなりかけている)ことが多いので完熟梅として扱うことにしています。
一般的に梅シロップの作り方で多いのは青梅を使うことが多いかもしれません。
<つくりかた>
梅をよく洗う
キッチンペーパーで水気をとる
爪楊枝や竹串で なり口(ヘソともいう)部分を優しく傷つけないように取る
よく消毒した瓶に梅と同量の砂糖を、梅と砂糖、交互に層になるように入れる
数日待つ その間、かき混ぜるなどする
エキスが十分出て、梅がしぼんできたら、梅を取り出す
エキスを炭酸水や氷水などで割って楽しむ
この数日の間、砂糖の浸透圧で梅の果肉からエキスが出てジュースの素となる原液ができるのですが、この過程で違う方向に向かうとアルコール発酵が優勢となり酒になってしまうということが起こります。
何故酒になるのか
果物の表皮には微生物がいる
果物の表皮には、酵母をはじめとした微生物が付着しています。
果物だけでなく、野菜などの表皮にも、そこらへんの葉っぱの表面にもいます。
何だったら空気中にも存在しています。
それらが、果物や砂糖の糖を餌とし、増殖し発酵は起こります。
この場合の発酵は主に「アルコール発酵」もしくは「酵母発酵」と呼ばれます。
果物の発酵、アルコール発酵で生まれるもの
果物の表皮にいる酵母は、果物そのものの糖や、加えられた砂糖を餌として増殖します。
そして酵母は空気のない状態であればエタノール(アルコール)と炭酸ガスを生成します。
酒になるのはNG?
まず第一に、酵素ジュースを作りたい!という目的として
体にいい
自分はもとより、家族や子どもに安全で安心な材料を与えたい
素性のわかるものを摂るために手作りしたい
と思う方は多いと思います。
ただせっかく体によいものを摂りたいと思っても
それが酒だったら本末転倒ではないでしょうか?
(いや場合によっては酒がよい場合もあるけどさ・・・・)
少なくとも子どもには与えられないですよね。
それから日本では「酒税法」というものがあります。
本来ならば、ここに引用して表示するべきかもしれませんが酒税法はかなり多岐にわたるため、理解するのはかなり難解です。
(というか法律を覚えるのめんどくさいですよね)
なので、要点だけまとめて書きたいと思います。
酒造り自体が違法である
そもそもお酒は税金が課せられるという意味でNG。
アルコール度数が1%を超えた時点で酒
自宅でうっかりの場合であってもNGです。
東急ハンズやロフトなんかで売られている自宅でビール作れるよ!キットなんかは、アルコール度数1%を超えないレシピになっています。
果物は何を使用しても全部だめですか?
酒になった時点でNGです
梅酒なんかはどうなのよ?
自家製の酒づくりがNGならば、梅酒なんかはどうなのよ?問題。
これは一定の条件をクリアすれば、酒の製造行為とならないとされています。
課税されたアルコールを使うこと
自作のアルコールはもってのほかです米、麦、あわ、とうもろこし、こうりゃん、きび、ひえ若しくはでんぷん又はこれらのこうじを使わないこと
こうりゃん・・・・・?ソルガムのことらしいです。ぶどう(やまぶどうを含む)を使わないこと
アルコール度数は20%(度)以上のものを使うこと
梅酒を造るときに使用するホワイトリカーは、アルコール度数20度以上(35度程度)なのでOKというわけです。
一般的に蒸留酒は20度以上のものが多いのでそれらを使用する場合は問題ありません。
ただし、
20度以下の日本酒、みりん、リキュール類は使用できません。
ときどき、ブログやSNSなんかで
「本みりんを使って梅酒仕込みました💕」
「今年の梅酒はリカーのかわりに日本酒で仕込んでみました✊」
なんつーのを見かけることがありますが、これ、だめです。
コメント欄なんかで知らない人に怒られます。
ぜったいにやめましょう。
たまに日本酒でも20度以上のものがありますがそれならOKです。
かなり少ないけど。
酒にならないためには
まず、酵母の性質として
空気がある環境(好気)では酵母が増殖し、
空気がない環境(嫌気)ではアルコール発酵が起こります。
酵母のこのような特徴を通性嫌気性(つうせいけんきせい)といい、
酵素ジュースを作るときはこの性質を利用すると失敗しにくくなります。
酵素ジュースを作るときにかきまぜるのはこの酵母を増やす作業ということになりますので、できれば空気に触れさせ、密閉状態にしないということがポイントとなります。
その場合、素手ではなく、瓶を振る、木べらなどを使って攪拌するようにしましょう。
どう~しても手がいい人は、使い捨ての調理用ポリ手袋をはめたうえでかき混ぜましょう。
また、食酢を加えるとアルコール発酵を抑える効果もありますので、必要に応じて加えてもよいでしょう。
コツとして氷砂糖は溶けるのが遅いため、通常の砂糖やてんさい糖など顆粒状のものを使うといいです。
それから完熟梅よりも青梅のほうがアルコール発酵しにくく、かつ、梅を一晩冷凍してから仕込むとよりアルコール発酵しにくいと思います。
冷凍することにより梅の果実の細胞が壊れ、砂糖の浸透が早く、よりエキスが早く抽出されます。
これによりアルコール発酵が起こる前にシロップができます。
安全で楽しく発酵を楽しむためには
少しのセオリーがあれば失敗しにくくなります。
ほんのちょっとのコツと知識で、みなさまが安全で楽しく発酵をエンジョイできますように。
次回→
酵素ジュースの問題点3つ目
デトックスなんてしませんよ!
ご期待ください(笑)
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