チューリップ、それは『I』アイのチキン
幼稚園から帰ってきた長男が玄関で靴を脱ぎながら言った。
「おかあさん、きょうは骨付きのチキンをね、めっちゃ大食いしたいんだよね」
朝出かけて行くとき彼は、玄関で靴を履きながら「今日のよるごはんはね、ゆでたまごにちょうせんするよ!だから作っといてね!」と言っていたはずなのだが。
「骨付きチキンなんて急に言われても無理だよー!」とは言わなかった。
なぜかって?なぜなら私はそれを予想していたのよステファニー。
(あの子ゆで卵を食べるって言ってたけど…おそらく骨付きのチキンが食べたいとか言い出すに違いないから手羽元でも買っとくか…)
昼に買い物に行ったスーパーの精肉コーナーで、何となくピンと来て手羽元を買っといた私、マジすごくない?怖いんだけど。
違う、そうじゃない
買ってきておいた手羽元を長男に見せ、「コレを唐揚げにしたやつでいいんだよね?」と言うと、「ちがうよ!コレじゃないよー!持つところが『I』になってるチキンが食べたいんだよー!」とのこと。
『持つところ』というのはつまり骨の部分のことで、そこが『I』アイ、のアルファベットになっているもの。つまり、世に言う「チューリップ」として売られているアレのことを言っていると思われる。
以前1度だけそれを食べさせたことがあり、それが食べやすくて美味しかったらしい。わかる。私も子供の頃チューリップの唐揚げが大好物だった気がするよ。
でもあの状態になってるチキン、近所のスーパーでは全然見かけないからさー。と、言い訳しそうになったけれど、アレって手羽元をああいう風にベロンと剥いてるんだっけ?と思い出して速攻ググった。
ふむ。
めんどくさそうだけど、出来なくもないだろう。
手羽元をチューリップに加工
YouTubeで1本動画を見てイメージを掴み、いざ実践してみたら案外綺麗にできた。
ミセス器用貧乏。
やればできる子。
キッチンバサミとペティナイフで、6本のチューリップを作ることに成功。
コレを再び長男の元へ持っていき、「君が食べたいと言うのはコレのことかね?」と見せると「そうそう!これこれ!えっ?買いに行ったの?いつのまに!?」と、100点のリアクションをしてくれた。ええ子や…。
揚げまーす
味付けは塩麹とすり下ろしニンニクを少々。
袋に入れてモミモミして15分ほど放置。
いつも醤油味の唐揚げより、塩味の方が食いつきが良いのでこのレシピの唐揚げをよく作っている。あとは片栗粉をまぶして揚げるだけー。
ところでみんな、揚げ物するとき油の温度ちゃんと測ってる?
私は全然測ってない…。
油の温度っていうかもう調味料とかもいつも適当…雰囲気だけで生きてる…。
実食
我が家の長男、自分から食べたいとリクエストしたものを一口も食べないという重罪を、何度も繰り返している要注意人物。
例えばこれが、我が子じゃなくて彼氏とかだったら秒で別れる案件だ。
とはいえ、我が子でもそれをやられるとなかなかメンタルに来るってもんで。キツイよねやっぱり。でもまあね、だんだん慣れてきちゃったりしている自分がいる。食べなくて当たり前、ぐらいの感覚で作っている。
期待するから傷つくのよソフィア、彼に期待なんかしちゃいけないわ。
心の中でエミリーも励ましてくれる。(なに急に)
期待しない…期待しない…どうせ食べない…
とは言いつつ、やっぱり少しだけ期待して提供する。
うぉおおお!!
めっちゃ食べてるやーーーん!!!!!
「おかあさん、コレめっちゃおいしいよー」
「おかあさんって、けっこう料理じょうずだよねー」
お褒めいただけて光栄であります…!
3本食べて、4本目と5本目は両手に持ち、交互にかじる食いしん坊な食べ方をしておりました。
ちなみに弟(2歳)はチキンを持って歩き回り、それをテレビの後ろに投げたので私にガツンと叱られ、機嫌を損ねて全く食べず。
添えてあったキュウリだけを食べまくり、兄のキュウリも私のキュウリも奪って食べるというカッパの子っぷりを見せていただいた。
2人揃って強烈な偏食ブラザーズなのだが、兄の方が次第にいろんなものにチャレンジするようになってきた。大袈裟に聞こえるかもしれないが、夢みたいにそれが嬉しいんだよ。
3年以上、悩みの8割ぐらい子供の食事のことだったから。
こんな日が来るなんてね。泣けるでしかし。
とにかくまあ、今日もがんばった。
私も、みんなもお疲れ様でした。
おやすみなさいまた明日。
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