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私が教師をやめるまで#16~#17

【第16話】衝撃の告白:妊娠したしまった生徒との関わり 前編

私は生徒たちと仲が良く、特に2年生のクラスでは信頼されていた。


理由としては、ただただ若くて、話のわかるお兄さん的キャラだった、というだけ。教員は若いというだけでちょっと有利に働くことが多い。

ある日、私は放課後に教室に残っていた女子生徒に声をかられた。


彼女の名前はAという。彼女の成績はそこそこではあるが、性格は非常にあかるくスポーツも得意な人気者だ。


しかし最近は元気がなく、授業にも集中できていない様子だった。学校も欠席する日が続いていた。

「Aさん、大丈夫?何か悩んでることがあるなら話きこうか」

私は尋ねた。Aは驚いたように顔を上げたが、すぐに目をそらした。

「先生、ありがとう。でも…大丈夫です」

彼女はそう言って立ち上がり、鞄を持って教室を出ようとした。しかし、私は彼女を引き止めた。


「Aさん、本当に何もない?何か怪しいな…」

私は再び聞いた。Aさんはうつむきながら。

「先生…実は…」

彼女は言葉に詰まった。私は心配して彼女を相談室に連れて行った。そこで彼女から聞いた話に驚愕した。

Aさんは交際していた1学年下の男子生徒B君の子を妊娠しているというのだ。

「Bくんと付き合って半年くらい経った頃から…セッ〇スするようになって…ピルも飲んでなかったし…コンドームも使わなかったりしたから…」

私は答えた
「B君に言ったらどうした?」
私は尋ねた。

「Bくんは学校をやめて、働くって…迷惑かけられないって…」

Aさんは顔を覆った。

「でも…この子産みたいです…先生…どうすればいいですか?」

彼女の訴えに胸が痛んだ。

私は、Aさんに妊娠を隠すことはできないと言った。彼女の両親や学校にも報告しなければならないと言った。Aさんは恐怖に震えていた。


【第17話】衝撃の告白:妊娠したしまった生徒との関わり 後編


私はAさんの両親に電話をかけ、事情を説明した。彼らは激怒し、すぐに学校に来ると言った。私はAさんを保健室で待たせ、校長先生にも連絡した。


校長先生は事務室に呼び出し、厳しい表情で話を聞いた。

「先生、これは大変なことですね。妊娠した生徒がいるなんて…」
校長先生は頭を抱えた。
「どうするつもりですか?」

私は正直に答えた。
「Aさんはこの子を産みたいと言っています。私は彼女の意思を尊重したいと思います」


校長先生は眉をひそめた。
「それでは困りますよ。この学校では妊娠した生徒は退学させることになっています」


私は驚いた。


「退学させる?それって法的に問題ないんですか?」
私は反論した。

「法的に問題があるわけではありません。自主退学という形で処理しますから」

校長先生は冷静だった。

「でもそれではAさんの将来が潰されてしまいます。彼女の将来も考えてください」

私は懇願した。

「先生、あなたも若いから分からないかもしれませんが、これは社会的な問題ですよ。この学校の評判も考えなければなりません。妊娠した生徒が在籍していることがバレれば、他の保護者や教育委員会からクレームが来ますよ」


校長先生は厳しく言った。


「それでも…」


私は言おうとしたが、その時ドアが開かれ、Aさんの両親が入ってきた。
Aさんの両親は彼女を慰めるどころか、かなり厳しい言葉を浴びせた。


私は居ても立っても居られない心情だったが、ただそこにいることしかできなかった。


Aさんは両親に連れられ部屋を出ていった。
その後、B君は学校を辞めてしまった。


Aさんは両親の説得もあり、学校を続け無事に卒業することができた。
おなかの子供がどうなったのかは、ここでは伏せておこう。


大人でも子供でもない、高校年代の彼ら彼女らへの対応は非常に難しい。
そして、本来見方であるべき教員・保護者は、時に彼らにとって障壁となりうる。

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