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けふの一句/6月6日

6/8刊行、北大路翼 著「見えない傷」の掲載俳句の解説を5/20より公開中。


手袋にやさしい闇が五つある

僕は「やさしい」といふ言葉が好きだ。親切とか、愛があるといつた意味ではなく、虐げられたものが静かにやり過ごしてゐる様子が「やさしい」だ。「赦し」の極地がやさしさだと思ふ。この句も闇に対してさういつた共感を詠んでゐる。指が穴(闇)に赦されるから手袋は安心し、暖かいのである。


|予約受付中! 6月8日発売

見えない傷(春陽堂書店)
著者:北大路 翼
二〇一七年以降の作品から厳選収録。新宿の片隅から世の中を憂う第三句集。これまでの“アウトロー”とは異なる、加藤楸邨からの”本格派”の系譜。

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|この記事を書いた人

北大路 翼(きたおおじ・つばさ)
1978年5月14日、神奈川県横浜市生まれ。種田山頭火を知り、小学5年生より句作を開始。2011年、作家・石丸元章と出会い、屍派を結成。2012年、芸術公民館を現代美術家・会田誠から引き継ぎ、「砂の城」と改称。句集に『天使の涎』(第7回田中裕明賞受賞)、『時の瘡蓋』、編著に『新宿歌舞伎町俳句一家「屍派」アウトロー俳句』『生き抜くための俳句塾』『半自伝的エッセイ 廃人』『見えない傷』など。新宿歌舞伎町俳句一家「屍派」家元。「街」同人。砂の城城主。
Twitter:@tenshinoyodare
連絡先:shikabaneha@gmail.com


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