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仕事の心構え

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会社の方針や、見聞きしていいなと思った考え方を思い立つままに綴っています。 このマガジンの内容はKindle本でも好評発売中です。
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2021年4月の記事一覧

使われない機能は衰える

マザー・テレサの「思考は運命を変える」という教えの中の一文に「行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから」というものがあります。 良くも悪くも自分がとった行動の積み重ねは習慣となって、自身の性格や運命など環境にも影響を与えていきます。 そして、「良い行動」というのは自らの機能をより良く活用していくものでもあると捉えています。 機械と人間はもちろん違いますが、機械であっても常に油を注しておかないと動きが鈍ってしまいます。 人間の場合は、機能を動かし続けるということ

伝え続ける大切さ

会社の方針や自身の考え方や想いがあったら、まずはそれらを文字に起こしてみる、明文化してみることがいいと思っています。 その上で、明文化した書面をもって伝えたい相手に説明していく。伝えたい内容を伝え続ける。 伝え続けてきて感じるのは、伝え続ける一番の目的は、結局自身の中への考え方の浸透度を深めるためなのではないかということ。 自分のこととして振り返ってみても、本当に自分の伝えたいことをきちんを受け止めてくれて感化されてくれて、同じような想いの伝道師になってくれたのは、3年

企業における教育とは

当社では創業以来、教育研修に力を入れてまいりました。 以下は「我社の教育方針」からの抜粋となります。 上記の創業者の言葉は、入社した時に配布をする「研修手帳」に記してあります。 教育とは「場の用意と提供」のこと。学校も同じですよね。 鉢を用意し、土と肥料で満たし、水を撒いていけば、育つ種は自ら芽吹いて伸びていきます。 その場を絶やさないというのが、会社としての姿勢です。 今日も読んでくださいまして、ありがとうございます。

選択と集中

このテーマについては、その手の参考書が沢山世に出回っていることと思います。 選択に際しては、時間管理のマトリクスが有名ですよね。 「重要度」と「緊急度」を基準として仕事の優先順位を見極める手法です。 よく、「緊急だが重要でない事柄」と「重要だが緊急でない事柄」のどちらを優先させなければならないのかで迷ってしまう部下がいます。 この場合は後者の「重要だが緊急でない事柄」が優先されるわけですが、覚えやすい考え方としては「重要である」というキーワードこそが「この役職にある私

会話の先に求めるもの

以前、対話や議論について触れたことがありました。 私たちのような人的サービスを提供する仕事をしていると、拠点としても多くのスタッフを抱えることとなります。 そして、当然そこには人間関係が発生します。 年齢差もありますし、性差もありますし、仕事での経験値の差もあれば、人生における経験値の差も生じます。 そして、抜擢された役職者となると、必ずしも経験値が部下よりも高いとは限りません。 私は男性なので、どうしても男性目線になってしまいますが、誤解を恐れずに言いますと、女性

ひいきをしない

介護においてケアを提供して得られる成果、求める成果が何かというと、それはお客様の「状態の回復」であったり「残された機能の維持」となります。 施設サービスであれば、お客様からの報酬は「月々いくら」という包括単位になっていますから、どのような形で関わったとしてもサービス提供の形態は比較的自由度が高いです。 反対にあまり自由度が高いと言えないのが訪問型の在宅サービスなどで、同じ成果を求める過程においては、提供するサービス内容から滞在する時間から決まっていますし、その対価として得

張り紙をしない意味

当社では、標語の張り紙を原則禁止にしています。 会社によっては、例えば「挨拶しましょう」とか「土足禁止」とか「社内禁煙」とか「整理整頓」など様々な張り紙を貼っているところもあるかと思います。 よくよく考えてみて思うのは、張り紙を貼っているから皆がそのとおりに行動するわけではないのですよね。 行動しない人たちがいるから、新たな張り紙が次々と付け足されていくのです。 全員が具体的な行動をとるようになって習慣化していれば、張り紙をする意味はなくなります。 それでは、「誰」

「察してくれ」は求めない

Netflixの企業文化について書かれた本については、既に何度か紹介をさせていただきました。 その中でも何度も繰り返し述べられていたのが「コンテキスト」の重要性について。 日本の文化というのは単一民族から成り立ってきたこともあり、「言わなくても分かるでしょう」ということが社会の中でも会社の中でもまかり通ってしまうことがままあります。 この、「言わなくても分かるでしょう」という思い込みは、言い換えると「察してくれないあなたが悪い」という相手を責める姿勢にもなり得ます。

気になる文章の語尾

転々と引っ越してきた人生を送ってきたため、様々な地域の言葉に触れてまいりました。 幼少期の海外を含め、社会人になってもあちこち引っ越していますし、職場は各所に点在しているため、同じ会社に所属していても日々の巡回先の地域によって言葉が全然違います。 郷に入っては郷に従えと、変に迎合して気持ち悪い関西弁を使用して、却って敬遠されていた同僚を見てきたこともあり、私はと言えば、どこに行っても標準語を使用するというルールを適用して今日に至ります。 そんな中、日常的な会話であれば、

足るを知る

「おっしゃん」の愛称で親しまれてきた藤本幸邦老師。 終戦直後の戦災孤児を育てる中で、「自分の足元を見よ」「自分の行いを見よ」ということを子供にも分かるようにと考えて、有名な「はきものをそろえる」という詩を詠まれました。 はきものをそろえると心もそろう/心がそろうとはきものもそろう/ぬぐときにそろえておくと/はくときに心がみだれない/だれかがみだしておいたら/だまってそろえておいてあげよう/そうすればきっと/世界中の/人の心もそろうでしょう 世界一貧しい大統領と言われたホ

成果について

事業を運営する上で、会社の内部体制自体には成果というものは存在しません。 成果は全てお客様によって得られます。 このコラムでも何度も触れてきましたが、介護というこの仕事においての成果とは、健康に問題のある人の「状態を回復すること」「今ある機能を維持すること」「最期までひとりの尊厳のある人間として向き合い続けること」であり、その目的を周囲のご家族や関係機関の皆様と共有することで得られる結果です。 会社の内部に成果はないとすると、それでは内部体制の組織とは何のためにあるのか

質問力

このテーマについては、実際に同名の新書を含めて多くの参考文献が世に出ていますね。 コミュニケーションを図るにあたり、とても大切な要素だからこそだと思います。 対象となる相手と関係性を築きたければ、コミュニケーションは必須です。そこで先ずは言葉を交わします。 一方的にならないよう、話のキャッチボールを成立させたければ、働きかける方としては語尾に「?」を付ける形で質問形式をとって訊いていくと、相手に答える意思がある限り会話は続いていきます。 この時に、「その質問に答えても

決定するという意思

人当たりもとても良くて、傍から見ていると円滑なコミュニケーションが図れているように思うのですが、なぜか部下と上手くいかなくなる人がいます。 相談してくる相手の話は親身に聴きます。人柄も良いですし、共感する能力も高いです。 それでも相談した相手からは後々不満の声を上がってきます。 それはなぜか。 決定していないから、決めてあげていないからです。 愚痴のはけ口となり、共感するだけで解決する問題なのであればそれでもいいと思います。 ただ、本来は問題が発生しているから相談

トイレを磨く

前回に引き続きとなりますが、当社には「トイレ掃除はリーダーが担当する」という方針があります。 これは、不衛生な場所を一番清潔に保っている人が一番気づける人になるという考え方からです。 立場がある人ほど多くのスタッフへの責任を背負うわけですから、より気づきの多い人である方が望ましいです。部下の内面の変化を知るには気づきが必要です。 私も長年トイレ掃除をしていますが、教わった師匠の師匠である鍵山秀三郎さん(イエローハットの創業者であり、「日本を美しくする会・掃除に学ぶ会」の