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人々の暮らしと樹木の関係ー里山の「エノキ」の役割とは

こんにちは。ガーデンプランナーのhacoです。生活の道具として木でできた製品に触れることがあると思います。
今日はそんなことについて書いてみようと思います。

1本の樹との出逢い

もう、何年も前の事ですが、ふと見た広い空地に、大きな樹が在りました。
「すごくいい木だなあ。この樹なんて言う名前なんだろ?」と気になると、ついつい樹の名前を調べたくなります。
とっても大きくて、枝を悠々と広げてとっても気持ちよさそうな、大きな樹でした。

その樹の名前は「エノキ(榎)」でした。

エノキ  ニレ科 エノキ属 落葉高木
原産国:日本(本州以南)韓国・中国

エノキの樹は大きくなると20mほどになります。葉張りが出てとても自由に枝を伸ばすので、夏場には大きな木陰ができます。そこから「木へんに夏と書いて、榎となったそうです。」(諸説あります。)

生活の道具としての名前の由来

エノキと呼ばれる所以には、いろいろ説があるようです。何せ昔から日本の里山に植えられていた樹なので地方で呼び名すら違ったかもしれないと思っています。

畑道具の一つに、「鍬(くわ)」がありますが、その鍬の「柄」の部分に使われたことから「柄の木」=「エノキ」と名がついたとか。。。

最初、この話を聞いた時、エノキは成長が早いせいか、木材としては柔らかいイメージがあります。その為、「本当に鍬の柄に向いていたのかな?」と、疑問に思いました。

しかし、機械のない時代には鍬の出番は現代よりずーっと多かったと思うと、多少柔らかくて加工しやすい木材の方が、適していたのでは。と考え直してみたり。

なんの根拠もない私の想像のお話です。

そして、鍬の柄には「樫木(カシノキ)」や「楢(ナラ)」「イタヤカエデ」など、の樹も使われています。

建築木材としてはこちらの材木図鑑というサイトで紹介されています👇

エノキの御神木

祀られているエノキでぱっと思い浮かぶものと言えば、タイトル画像にもなっている榎大六天神の「縁切り榎」でしょう。

榎大六天神(東京都板橋区) 江戸時代より祀られており、御神木の榎は悪縁を切りたい時や断酒を願う際、その樹皮を煎じて相手に飲ませると成就するとされた。 近年は悪縁切りだけではなく、良縁祈願や病との縁切りの御利益も期待されるようになり、全国各地からの参拝者が後を絶たない。
神社と御朱印より

日本に古くから自生する樹木は、その土地土地で御神木として祀られていたりするのですが、その御神木のある神社の場所を見ていくと面白い発見があるんです。

エノキの場合、本州から九州に分布されるといわれている通り、関東と関西~福岡にエノキの御神木のある神社が分布しているんですよ。

以前書いたクスノキは、本州より暖かい地域に分布しているので、御神木としてクスノキを祀っている神社は、関西以南が中心になっています。

まとめ:エノキと子供たちの遊び

冒頭に書いたエノキを見た時に、登ってみたい!と思ったのですが、私の身近にこんな夢のようなエノキがありました。こども園のエノキ!!ブランコ付いてます!!

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大きな樹でしょ。夏の木陰も涼しくてとても良い子供たちの遊び場になっています。(因みに写真の人物は、職人さんです(笑))

エノキは横に枝を広げるので、越境問題や他の樹木や構造物の影響を考えて、伐採されてしまうこともあります。

しかし、場所によっては、こうやって活かせる場合もあるので、伐採されたりする前にもう一度検討していただけたらなと思います。

さて、今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。

ーーー里山でも山茶花が咲き始めていますね。




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