日本人の男女を92,924名調査して判明!食物繊維を〇〇グラム以上摂ると、男性で23%、女性で18%死亡率減!?また、何から食物繊維を摂ればよいのか?
【参考文献】Dietary fiber intake and total and cause-specific mortality: the Japan Public Health Center-based prospective study
みなさんは、普段から食物繊維を摂れていますか。
食物繊維は私たちの健康にはかかせない成分です。
健康にいいことはわかっていても、しっかりと摂れていない方も多いのではないでしょうか。
最近、日本において、「食物繊維の摂取量」と「死亡率」の関係について大規模な追跡調査[文献1]が行われました。
45〜74歳の92,924人の参加者(男性42,754人と女性50,170人)を対象に平均して16.8年の平均追跡期間中に、19,400人の死亡が確認されました。参加者の食事については質問票をもとに食事内容を調査し食物繊維の摂取量を計算して出しました。
本調査より、食物繊維の摂取量と死亡率の関係がわかりました。
【結果】
男性:1日あたり15.7g以上の食物繊維摂取で、8.7g以下の場合と比較して、死亡率が23%減となった。(15.7g以上の摂取で上位20%、8.7g以下の摂取で下位20%の人口比率でした)
女性:1日あたり17.4g以上の食物繊維摂取で、10.6g以下の場合と比較して、死亡率が18%減となった。(17.4g以上の摂取で上位20%、10.6g以下の摂取で下位20%の人口比率でした)
筆者らは、本研究結果は、食物繊維による次のような効果によるものと考察しています[文献2、3、4]。
・コレステロール低下効果
・血圧低下作用
・インスリン調節作用
・抗炎症効果
実際に本研究では、癌または心血管疾患による死亡率の低下も確認されました。
また、繊維摂取量と2型糖尿病または心血管疾患のリスクとの間に逆相関があることも以前の研究で報告されています[文献5、6、7]
以上より、食物繊維の摂取量が死亡率に大きく影響し、私たちの健康にも欠かせないものと改めて認識できます。
では、具体的に何gの食物繊維を摂ればよいのでしょうか。
食物繊維の推奨量は、日本では男性で20 g / 日と女性で18g / 日となっています[文献8]。
しかし、平均繊維摂取量はこれらの推奨値を下回っているのが現状です[文献9]。今回の追跡調査においても被験者の多くが推奨量を満たしていないのがわかりました。
「何gの食物繊維を摂ればよいかはわかった。では何から食物繊維を摂ればいいの?」と思われた方。
本研究の筆者らは、次の食材から摂ることを勧めています。
・果物
・野菜
・豆類
およそ上記食材を1日あたり300g~400g摂れば、食物繊維の推奨量が達成できます。
ちなみになのですが、個人的には、野菜や果物を800g摂ることをオススメしています(過去記事参照)。
800g摂っていれば間違いなく推奨量を超えることができます。とは言っても800g摂るのは結構大変なのですが・・・。しかし、多少大変でもそれ以上のメリットが見込めます!背に腹は変えれません。
まぁ、800gを摂らずとも、少なくとも300g。「できるだけ積極的に野菜や果物、豆類を食べる!」という心持ちがよいのではないでしょうか。
なお、食物繊維にも、水溶性繊維と不溶性繊維があり、効果も異なりますが[文献10]どちらの食物繊維でも死亡率減の効果が見られたとのことです。一応、可能な限り野菜や果物、豆類をバランスよく摂るのが無難です。
まとめ
1)最近の日本の研究より、
男性:1日あたり15.7g以上の食物繊維摂取で、8.7g以下の場合と比較して、死亡率が23%減
女性:1日あたり17.4g以上の食物繊維摂取で、10.6g以下の場合と比較して、死亡率が18%減
となることがわかった。
2)食物繊維の推奨量は、日本では男性で20 g / 日と女性で18g / 日となっている。しかし、実際はほ多くの日本人が推奨量を満たしてない。
3)「果物」「野菜」「豆類」から食物繊維を摂るのが推奨。
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