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感情を〇〇できていないとうつ症状が強くなる?うつ症状を軽減させるための感情へのアプローチとは!?負の刺激に影響を受けやすい人ほど効果がある!

【参考文献】Affect Intensity Moderates the Association of Emotional Clarity with Emotion Regulation and Depressive Symptoms in Unselected and Treatment-Seeking Samples

ゴールデンウィークも始まりましたね。

みなさんはいかがお過ごしでしょうか。

(本記事を書いている現在は)4都府県では緊急事態宣言も出ている状況です。なかなか外に出て思いっきり遊ぶということもできず、ストレスが溜まっている方も多いのではないでしょうか。

ネガティブな感情がフッと沸いてきたとき、実は「ある」ことができればうつ症状を減らす可能性が高いと言えます。

それは、ズバリ、感情を「明瞭にする」ことです。

「明瞭にする」とは、負の感情を感じた時に、「その感情を具体的に表現できるかどうか」と考えていただければと思います。

例えば、上司に処理しきれないほどの大量の仕事をふられたときに、
「ヤバいな、嫌だな」と漠然と表現するのではなく、
「あの上司は、今自分がたくさん仕事を抱えているのに、さらに仕事をふってきて、全然理解されていないのが腹立たしい」
「こんなにたくさんの仕事をふられる職場ではこの先ずっとやっていけるか不安だ」
のように具体的に明確に感情を表すことです。

実際に、ピッツバーグ大学Vera Vine氏らにより次のような研究が行われました[文献1]。

平均年齢19.7歳の男女119名を対象に、
・Trait Meta-Mood Scale と呼ばれる質問票を用いて、「普段から感情の明瞭化をしているか」どうかを評価されました。
・また、「現在のうつ症状の度合い」および「負の刺激に対して反応性」も調べられました。

その結果、次のような関係が分かりました。

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1)負の刺激への反応性が高い程うつ症状も大きく出やすい(これは当たり前ですが)
2)感情の明瞭さが高い方がうつ症状が低くなる
3)負の刺激への反応性が高い人ほど、感情を明瞭にすることにより、うつ症状の減少幅が大きくなる


以上より、

・うつ症状にならないためにも、普段から自分の感情について、「それは具体的にどのような感情なのか」を表現・説明することの重要性がわかります。

・負の感情を明瞭にせずにそのまめ頭の中に留めておくと、脳内で感情が処理されず、頭に長く残り、結果的にうつ症状が強く出るものと考えられます。

・特に負の刺激に影響を受けやすい人ほど明瞭化の効果が実証されたため、ちょっとしたストレスなどで感情が揺さぶられる人にとって、「感情の明瞭化」は特に重要なスキルと言えるでしょう。

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