キメラのいた系譜 第三部 8(最終話)
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あの、テロ組織最高司令官となった彼は、自らの妻キタハルが自ら命を絶った理由を知れなかったのと同じく、また彼女がいつ死んだのかも知らなかった。一回目の地下鉄毒ガス事件のもたらした結果にショックを受けた彼は、部下からの連絡を一切無視してしばらく家族のいる自宅に引きこもっていたが、ある夜に妻と同じベッドに入って眠り、翌朝目覚めてみると、彼の妻は、既に傍らで静かな永遠の眠りについていた。彼女自身が以前より服用していた