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「高校野球」けっち

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Photo by Mike Bowman on Unsplash

夏といえば「甲子園」……球児でもなければ野球部でもなく、さらにいうとプロ野球中継すらみていない僕でさえも夏といえば甲子園、とつい言ってしまうので、一般の人はもっと甲子園愛が強いかもしれません。

そういえば僕以上に野球にまったく興味のなかった母も、夏になるといつも甲子園中継をみながらアイロンがけや洗濯物をたたんでいた姿を思い出します。なぜ人はそこまで甲子園にひかれるのか。

僕が甲子園にひかれるのは、子どもの時期の大半を野球漫画を読んですごしたからだと思います。

ドカベン、
大甲子園、
一球さん、
ストッパー、
おはようKジロー、
4p田中くん、
風光る、
第3野球部、
わたるがぴゅん、
第3野球部、
プレイボール、
山下タローくん、
タッチ、
H2、
ナイン

思いつくままに書き出してみましたが、きっとまだまだあります。とりあえず上記の漫画はすべて全巻もっていて、何回も繰り返し読んでいました。だから僕にとっての甲子園は現実の野球や野球体験そのものとはちょっとズレていて、漫画でくりかえしみてきたあの甲子園。それが僕にとっての高校野球であり、甲子園なのです。

でも僕のように何度も何度も、いつでもいつだって高校野球漫画を読んできたわけでもない母のような普通の一般の人がどうして甲子園になると急に野球をみるようになるのか。

それはやっぱり、高校野球の主役が高校生だからでしょう。まだ人間になって16年〜18年の若い青年たちが日にやけた真っ黒の顔で全身全霊を野球にささげて晴れ舞台にたっている。プロ野球になってしまうと、もう何千万、何億円の給料を野球で稼いでいるので、なんというか可愛げがなくみえてしまっても、高校野球については「その努力は金のためではない」というのがまずあって、しかも「ここまで野球だけに青春をかけていても、この中からプロ野球選手になって活躍できるのは数人しかいない。よって、ほとんどの出場選手はただ野球が好きすぎるという理由だけで青春を野球にささげている」という厳しい現実を視聴する側も感じるからでしょう。

いま、ここだけの光。それを求めて若い青年がまるで人生でこんなに大事な時間は2度とないかのように真剣に汗を流している。その姿が胸をうつんだろうなと思います。今年はコロナの影響で甲子園はありませんでした。なんとなく、いつも当たり前のように用意されていた夏の舞台がパッと消えてしまうと、寂しいですね。なにか心にぽっかり穴があいたような夏が終わりました。季節は秋になって、少し気温も下がったものの、なにか今年はやりのこした感が日本全体レベルで充満している気がします。甲子園、来年は開催できたらいいなと思います。


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