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NO.2の育て方 vol.70 小さな会社の社長が悩みごとを解消するには

会社には大小さまざまな課題がありますね。ルールとして決めたことが守られない、売上目標が未達、求人に応募がない、お客様からクレームを頂く、報連相ができない・・いろいろありすぎて悩んでしまいますね。

小さな会社では社長が一人でこれらすべてに対応されていると思いますが、成果は上がっているでしょうか?

■ツール導入に見る誤った対応

例えば、課題解決のためにツール導入するというのはよくある話だと思います。

ツールは使ってみればとても便利ですし、無料のアプリや安価なクラウドサービスなど豊富にありますからどれも魅力的に感じますね。

経営者を悩ませることのひとつに情報共有があるかと思います。

情報共有といっても概念が広いので、ここでは例えば仕事のスケジュール入力や現場の進捗管理とします。

とある建築会社の社長さんの悩みとして、

「現場で働く職人系の社員さんが何度言ってもエクセルの管理表に仕事のスケジュールを入力しなくて困っている・・」という悩みがあったとします。

そこで解決案として、もっと手軽なツールを導入すればいいのではないかと思い始めます。

現場管理のアプリなどは調べれば複数あるでしょうから、その中から操作が簡単でランニングコストが高くないものを選べばいいのかもしれません。

でも残念ながら、おそらくどんなツールを導入したところで結果は変わらないと思われます。

ツール導入が決してダメだということではなく、導入検討の前提として、考えないといけないことは「なぜ現状のエクセルに入力しないのか」ということです。

これを深く考えずにとりあえずツール導入しても期待する成果が出ない可能性があります。

■原因を複数考える

原因は複数あるはずですから、先ずは入力しない原因を探る必要があります。原因がわからなければ対応しようがないからです。

考えられるのは次のようなことです。

・ルールを知らないからやらないのか
・ルールを知っていてもやらないのか
・エクセルの入力方法がわからないからやらないのか
・入力したけれど反映されていないのか
・忙しくて入力している時間がないのか
・単に面倒くさいからやらないのか

などが原因として考えられます。

これらを大雑把に分解すると、

・ルールそのものの理解の問題
・入力操作の問題
・時間や環境など物理的制約の問題
・意識の問題

といったことに分けられそうです。

まずは入力しない人になぜ入力しないのかを怒らずに確認するのが手っ取り早いでしょう。(頭ごなしに怒らないことが大事です。)

繰り返しになりますが、原因が異なれば、対応ももちろん異なります。

こうした検討をしないまま、「エクセルが不便なのだろうからアプリを導入すればうまくいくはず」と思ったところで、うっかりするとスマホにアプリもDLしないかもしれません。

結果として、ツールを導入したところで行動が変わらない可能性の方が高いと思います。

せっかく導入したクラウドサービスやアプリが全く利用されない話が多いのはこうした背景があるからなのですね。

そもそも、仕事のスケジュールや現場の進捗を入力してもらう目的、理由が明らかにされていないこともあるでしょう。

現場で働いている人というのは目の前の仕事に精一杯で、悪気もなくその他のことに意識が向かないこともあります。そして後でやろうと思ってもそのまま忘れてしまうこともあります。

情報共有する目的が人の手配をはじめ勤怠管理、現場の進捗管理、受注計画などに必要な情報なのだと知らなければ入力することの重要性も理解できませんから、もし肝心な目的を伝えてなければしっかり伝えることが大事です。

そして、目的や理由もわかった、操作もわかった、ちょっと時間を作ればできるという状況になってもルールに従わないということであればペナルティを課すことも考えないといけないでしょう。

■忙し過ぎる小さな会社の社長

経営者は忙しいものです。じっくり考える時間の余裕もない。だから結果として安直な対応に飛びついてしまう。冷静に考えれば、原因を確認してそれに応じた対応を考えればいいことです。

これは能力の問題ではなく、忙し過ぎて適切な対応ができないだけです。

情報共有ができない社員がいて困っているという事例でお伝えしましたが、これだけでも考えることは多いですね。

小さな会社だとあらゆることを社長が対応しないといけないと思いますが、とても社長一人でやりきれないのが現実ではないでしょうか。

■自分の代わりに課題解決できる人材を作る

社長が適切な対応ができないのであれば、物事を冷静に考えて、社長の代わりに対応をしてくれる存在がいたらよいのに考えるでしょう。

もしそんな存在がいれば、社長の労力やストレスが減って、その時間を建設的なことに使えた方がきっと社長にとっても会社にとっても良いはずです。

端的に言ってしまえば、その存在とは経営幹部です。

こう言うと、そんな人材はそもそもいないという声もあるかもしれません。

でも、正確には、いないのではなく、従業員の長所や伸びしろをきちんと見ていないからそう思っているだけかもしれません。

そして、仮に人選できたとしても、いきなり丸投げするのではなく、時間をかけて教育することが大事になってきます。そうでなければ安直な解決方法を選択してしまう可能性があるからです。

具体的には「考え方の型」を身につけさせることです。

・何が問題となっているのか?
・その問題がどのような影響を発生させるのか?
・その問題の原因は何なのか?
・どんな対応があるのか?
・予算などの制約条件の中で手段として何を選ぶのか?
・選んだ対応策をどう実行するのか?
・対応策の成果をどう検証するのか?

大事なのは分解することですが、基本となる考え方さえできれば、対象となる課題が何であろうと概ね対応できるようになります。

さまざまな課題に当たらせ経験を積ませることでしか、成長はありませんので、社長はこれは自分がやるべき仕事なのかどうかを吟味し、これはと思う社員にどんどん任せてみることです。

・これは自分にしかできない
・社長としてやらなければならない

真面目な社長ほどこう考えてしまうのかもしれませんが、一人で抱え込まずに社員に任せる範囲を広げていくことがよいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございます。参考になりましたら幸いです。

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