NO.2の育て方 vol.68 ナンバー2研究に関する学術論文の状況
定期的にナンバー2に関する国内の学術論文を探したりするのですが、本当に少ないです。
ネットで読めるもので2016年あたりが最後ではないかと思われます。
以下にネットでも閲覧できる学術論文の一部を共有しておきますので、興味がある方は検索してみてください。(逆に、こんな学術論文もあるよとご存じの方がいらしたら教えてください。)
マネジメントに関する論文などは無数にありますが、ナンバー2にフォーカスした論文となるとほとんど存在しないようで、最終的には国会図書館あたりに通って数少ない論文を探しながら読むしかないのかなとという感じです。
過去発表された論文の調査手法としてはアンケートやインタビュー形式がメインで、対象サンプル数も少ないうえに対象企業も100人超の中規模の企業が中心ですし、調査テーマも限定的で、「ナンバー2という存在が企業経営においてどのような影響を及ぼすのか」といったことが大半です。
※過去にも同様の記事を書いていますので、ご参照ください。
ナンバー2は非公式な存在とも言えますし、大企業では役割が分化していたり、副社長や専務という肩書であっても社内外における「いわゆるナンバー2」ではないことも珍しくないうえ、専門性の高いチームが経営者を補佐するような仕組みでカバーするケースが多く、ナンバー2そのものが存在していないこともあります。(派閥形成や悪意を持った腹心を警戒してのことです)
一方で、中小零細企業はそもそも学者さんの調査対象になりにくく、実態がつかめないというのが実状のようです。
結果として、
・ナンバー2とは一体どんな役割や要件を満たす存在なのか
・ナンバー2を求める経営者はいかに育成すればよいのか
こうした根本的なことが学術的には未だ明確になっていない分野だと言えそうです。
それゆえ、参考となる指針を見つけられないので、経営者自身もナンバー2について深く意識したり、理解していないことに繋がっていくのかと思います。
数少ない学術論文の中でもナンバー2の役割は、
①経営者の負担軽減
②意思決定の支援、補完
③諫言役
というのが中心的な位置づけの傾向にあるようです。
正直、一人の経営者に仕えたことがあるだけではナンバー2自身も本質的な役割というのはわからないと思いますし、サンプル企業の少なさからも表面的な統計では実態がつかめないのではないでしょうか。
なぜなら、会社の規模、業態、経営状況、経営者の個性や能力、性別によって実務としての役割は全く異なりますし、信頼関係の築き方も異なるからです。
こうしたある意味偶発的な事象に一定の普遍性を見出し、ナンバー2としての役割、機能を定義し、さらに育成の法則のようなものを見出すというのは簡単なことではないかもしれませんね。
事業承継の問題でも、後継者候補探しや育成だけでなく、後継者を支える存在不足というのも課題のように感じますから、ナンバー2という存在を必要としている会社にとってもナンバー2に関する知見は欲しい情報ではないかと思います。
私自身は、ナンバー2として渡り歩いてきた会社員時代を過ごしてきたのでその作法やマインド、スキルを自然と身につける機会が多かったですが、ナンバー2として人には言えない葛藤も大量に経験しました。
また、中国古典をはじめとする歴史が好きで参謀役や補佐役を自分で研究することが楽しかったので、ナンバー2としての自分の経験、知識と歴史から学んだ原理原則を整理したうえで、ナンバー2育成に特化したノウハウとして提供しています。
ちなみに、私がお伝えしているナンバー2の役割はもう少し広くて、具体的には次のように整理しています。
経営者の方からは「うんうん、言語化するとこういうことをウチのナンバー2にやって欲しいんだよな」と納得して頂いてますが、自分の知見をさらに深めるためにもっと学びたい気持ちがありますが、なかなか学術的に学べる対象や機会がないのが最近の悩みごとかもしれません。
なので、不定期ですが、経営者の方やナンバー2をされている方にアンケートやインタビューなどを実施して、困りごとや成功事例、失敗事例などを聞いたりして、自分でまたそれらを整理しています。(もちろんマーケティングの一環でもあります)
参謀論を説いた書籍や秘書の方向けの書籍を読んだり、私自身が法律職であったので商法、会社法から真面目に取締役の法的責任の観点からなども考えたりしますが、ナンバー2という実像にはまだまだ不完全な形でしかアプローチできていないなとよく思います。
逆に言うと、これを突き詰めると面白いなとも考えたりしています。
なにか参考になる書籍などありましたらコメントから教えてくださいね。
特にオチはありませんが最後までお読みいただきありがとうございます。
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