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NO.2の育て方 vol.53 ナンバー2の具体的役割-まとめ

ナンバー2はどんな役割を担う存在なのでしょうか?

過去にも同様の記事を書いてきましたが、今回はまとめとして具体的役割を整理したいと思います。参考になりましたら幸いです。

ナンバー2に求められる役割は社長のタイプや業種や会社の事情によっても異なるかもしれませんが、大きな分類をするとつぎのような役割が代表的なものです。

弊社オリジナル「ナンバー2育成ガイドブック」から抜粋

補佐役
社長の弱点をカバーしてくれ、社長の強みと弱みが異なり、補完関係を担う役割です。自分の分身ではなく、違う性格や考え方をを持っている人材を選ぶことが大切です。似たような性格や考え方だと違った角度からの検討もれや社長が誤った判断をした時にブレーキとして機能してくれません。

フォロワー
ナンバー2の最も重要な役割は社長のよき理解者であることです。この点に確信を持てないと安心して仕事を任せることができません。権限や責任を与えても、社長が望まない方向に会社を動かしてしまうかもしれませんし、反目して派閥を作るなどして社長の抵抗勢力になってしまうかもしれません。

実行役
社長の描いた構想や戦略を、具体的な計画に落とし込み現場を動かして実行する役割。社長は同時に複数のことを考えているものですし、全てについて実行役として関わっていると時間がいくらあっても足りません。その結果、社長業に専念することができなくなり、そのしわ寄せが会社のあちこちで発生することになります。

通訳役
社長が発するメッセージや指示命令は現場の社員に理解しにくい表現であったり、目的や目標などが曖昧な場合も多いです。会社全体に誤解なく伝わるようにするためには、現場の社員にも理解できるように丁寧に説明することが必要です。

改革役
社内には多くの課題が存在しています。問題意識が高く、課題を発見し、率先して改善を続ける存在がいなければ先送りになりがちとなり、小さな問題がいずれ大きな問題に発展してしまいます。

調整役
社長と現場社員、顧客や取引先など事業をしていると多くの利害関係人が存在します。多く人との利害調整をしなければ関係性が悪くなり、維持することが難しくなってしまいます。特に現場の状況を把握し、経営側とのパイプ役として課題や事態を収拾する役割がいると物事が円滑に進みます。

統括役
経営目線、言い換えると部分最適ではなく全体最適の視点で会社全体を統括する役割です。社長が曖昧な指示を現場に出すと目的が手段となり、本末転倒な結果を生じさせるようなことがよく起きます。例えば生産性向上のためにITツールを導入すると決断しても、現場では導入、定着が目的となり、生産性向上に役立てようという意識に及びません。そうした現場社員の意識のズレを修正しながら本来の目的に沿った取り組みを推進する役割です。

代理役
社長が長期出張をする、病気や怪我で入院する、大事な予定がダブルブッキングするなど社長が不在でも社長の代わりに問題なく対応できる人材がいると社長も安心だと思います。事の軽重によって任せることが増えると社長の活動の幅も広がりますし、万一の時にも安心することができます。

嫌われ役
社長は時として現場社員に対して厳しい物言いをしなければならない場面も多いです。それが続くと社員から煙たがられ、精神的な距離もでき、求心力に影響することもあります。ただ、誰かが厳しい態度で臨まないと社員を甘やかすことにもなりかねませんので社長への批判を避けるための盾として矢面に立つ役割が必要です。

諜報役
社内外の情報を集め、整理し、適切なタイミングで社長に報告、進言する役割です。情報収集に余念がない社長も多いかもしれませんが、一人に入ってくる情報には限界がありますし、情報が入り過ぎても一人でそれを処理する能力や時間にも限りがありますので、必要な情報の収集や整理を補ってくれると助かるはずです。

諫言役
社長も時には誤った判断をしてしまう場合もありますし、利己的な言動で現場社員の士気を下げるようなこともします。そうした際に苦言を呈してくれる存在がいないと社長は裸の王様となり、社員からの求心力も大幅に低下させます。社長は誰からも注意されない立場ですので、あえて苦言を呈してくれる存在を身近に置くことは、社長の器を示すことにもなりますし、誤った判断を減らすことにも繋がります。

リーダー
ナンバー2も経営幹部として部長、課長などの管理職の上長でもありますし、現場のリーダーである場合もあるでしょう。社長の意図することを正確に浸透させ、目標の達成に向けて現場を牽引するリーダーとしての役割ももちろん担っています。

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ざっと12の役割を書き出してみましたが、どんな感想をお持ちでしょうか。もちろんこれに限定されませんから組織によってはまた別の役割もあるかと思います。

3社に渡り、タイプの異なる経営者にナンバー2として仕えてきた私の実感としては、会社によって求められるレベルも異なりますが、ほぼやってきたことばかりだと振り返ります。

ビジネスパーソンとしてそれなりに自信のある方なら、必ずしもナンバー2のポジションでなくても「言われてみれば普段からあれもこれもやってるなあ」と感じるかもしれません。

大事なことは意識してやることです。役割を意識するということは責任を自覚していることだからです。

経営者が負ってる責任に比べたら、ナンバー2の負う責任など軽いものだと思います。そうであればなおさらやり切らないといけないことだと考えます。

経営者の立場でこの記事を読んだ方はまた別の感想をお持ちでしょう。

「これを全部できる人間は社内にいないなあ‥」
「ウチのエースもやってるなあ!」
「もう少し頑張ればコンプしそう」

大事なことは意識してやることと先ほどお伝えしました。

ということは、まずナンバー2の役割は何かを経営者自身が理解しないとナンバー2に意識させられないことになりますから、ぜひメモって自社のナンバー2に伝えて頂きたいと思います。

こんなの無理じゃない?という意見をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

自信持って言いますが、私程度の人間がやっていたことなど誰でもできます。

できない人は役割に無自覚なだけです。だから知ること、理解することがスタートです。

もちろん、役割を知ったからといってスキルも伴わないと実行はできません。

逆に言えば、思うように捗らないと感じたら、伸びしろがある証拠です。努力を積めば必ず立派なナンバー2に成長できます。

経営者はナンバー2に成長を促すコミュニケーションを絶えず取ってください。

ナンバー2は自分の強み、弱みを理解して、たゆまぬ努力を続けてください。

必ず成長できます。


最後までお読みいただきありがとうございます。

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