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NO.2の育て方㊲ナンバー2に必要なマインドセット

多くのビジネスパーソンは、知識と経験を増やせばより大きな成果を出せると考えています。確かに能力がなければ成果は出せないので必要なことです。

けれども、本当のナンバー2になるために必要な要件は知識や経験といった能力だけでは足りません。今回はそんなお話です。

■経営を意識して仕事をする

ナンバー2の仕事は社長の補佐役です。補佐役を全うするためには、社長の考え方、求めていることが何なのかを理解する必要があります。言い換えれば、経営とは何をすることなのかを理解しなければなりません。

人によって経営の意味が異なることを承知で書くと、「経営とは利益を出し続け、会社を持続的に発展させること」というのがシンプルな回答になります。

社長は常にそれを意識し、そのために何をどんな順番で行うのかを考え続けています。

だからといって、「なんだ、要するに売上、利益を増やせばいいんだな」と思考停止してはいけません。

このシンプルな目的を達成するために考えないといけないこと、やらないといけないことは山のようにあります。

・資金の問題
・アイデア/企画の問題
・開発/製造の問題
・マーケティングの問題
・オペレーションの問題
・人員配置の問題
・マネジメントの問題

<もし自分が営業担当であった場合>
・商品開発から携わっていますか?
・予算や在庫を考えていますか?
・販売や顧客対応のオペレーションを考えていますか?
・契約を取ること以外に対応しないといけないことを意識されてますか?

<もし自分がバックオフィス担当であった場合>
・営業担当が仕事をしやすいようにサポートしていますか?
・事務を円滑に、正確に、手間なく行うための工夫をされていますか?
・必要な情報を適切なタイミングで発信していますか?
・売上、利益を意識して日々の仕事をしていますか?

<もし自分が管理職だった場合>
・スタッフが気持ちよく働けるように取り組んでいますか?
・スタッフが成長できるように目標を立てさせ、その支援をしていますか?
・スタッフの困りごとや意見に耳を傾けていますか?
・そもそもなぜスタッフをマネジメントしないといけないか考えたことが
 ありますか?

<もし自分が経営幹部だった場合>
・社長の考えを理解していますか?
・会社の未来を考えていますか?
・管理職、スタッフの面倒を見ていますか?
・緊急でないが重要なことも考えていますか?

社長はこれら全てを把握し、検討し、決断し、実行させ、結果に対して責任を負う立場です。言ってみれば複数の皿回しを同時に行っている状態です。

その社長をナンバー2として補佐をするのであれば、全てについて一定の理解のうえ、自身の担当職務も遂行しないといけません。

ナンバー2も自分の得意分野で成果を上げることはもちろんですが、求められていることは社長の補佐ですから、会社全体を俯瞰して、全体最適で思考しないといけません。

最後は社長の責任だからという気持ちが頭の片隅にあるのであれば、本当のナンバー2にはなれません。

経営実務寄りの話が続きましたが、忘れてはいけないことがあります。

この会社は何のために存在し、存続する必要があるのかです。言い換えれば、経営理念の体現です。

売上、利益を増やすことはあくまで会社存続のための手段であって、目的ではありません。

右肩上がりの成長をし、社員が増え、会社の規模が大きくなればそれでよいということではありません。

もし、社長が私腹を肥やすことだけ、地位や名誉だけを求めて事業をしているのであれば、そんな会社の社長のナンバー2など目指すべきではないです。

日々、忙しく過ごしているといつの間にか手段が目的にすり替わってしまいます。

この1年だけ見ても、大企業よる企業不祥事が相次いで明るみになり、経営陣が逮捕という事例もありました。

全ては業績のためなのでしょうけれど、そこで働いている社員の方々も胸を張って仕事ができないのではないでしょうか。

社会からの評価、社員からの評価を下げないためにどうすればよいのか?

コンプライアンスも無視しようとする社長の判断をどう止めるべきか?

社会から感謝され、働く社員が誇りを持って仕事に取り組むためにはどうすればよいのか?

経営理念はどう体現すればよいのか?

社長と同じかそれ以上に考え続ける必要があるのが本当のナンバー2です。

■ナンバー2の葛藤を乗り越えるタフさを身につける

ナンバー2は縁の下の力持ちです。人一倍努力をし、辛抱し、成果を上げてもそれは社長や社員の手柄となります。

ナンバー2にも承認欲求は当然あるでしょう。
成果を出す過程でどれだけ悩み、非凡な才能を発揮したかという自負もあるはずです。

けれども、残念ながらそれは賞賛の対象にはなりません。うっかりすると社長すら気が付きません。

ナンバー2は他人に花を持たせることが常です。
ナンバー2の価値はわかる人にしかわかりません。

これは他人から評価される社会で生きてるサラリーマンとしては苦しいことです。

それでもいい。
社会が、社長が、会社のみんなが喜んでくれてるなら嬉しい。

心からそう思える、利他の精神が強い人が本当のナンバー2になれる人です。

ただ、自己犠牲、滅私奉公という言葉もナンバー2にはつきものであるのが現実であっても、自分を徒に禁欲で縛る必要はありません。

ナンバー2も一人のビジネスパーソンです。

自分をしっかり評価してくれる社長を選びましょう。社長を教育することはナンバー2の仕事ではありません。

良禽択木です。


もし、この記事をお読みになった方が経営者であるなら、ナンバー2がどれだけ苦労と葛藤が多く、それでいて報われない役回りなのかを知って頂き、それでも自分と会社のために尽くしてくれていることを時には大袈裟なくらい労ってあげて欲しいと思います。


最後までお読みいただきありがとうございます。


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