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LUMIXを一度使ってみていただきたい。

目下、愛用しているカメラはLUMIX DC-S5。
色々な機材を物色した中で、何だかんだで手元に残したのはLUMIX。

LUMIXを、ごく簡単に表現するなら、このように思う。
美しい生命美を、そのまま閉じ込める描写。
そして、LUMIXは驚くほど使いやすい。

一方で、2023年現在、残念ながら、街中でLUMIX機を持っている人に出会うことは稀だ。
かくいう私も、カメラに興味を持ち始めた当初、LUMIXには下記のような理由で、興味が無かった。

  • 良くも悪くもPanasonic=家電

  • 歴史が浅い(フィルムカメラを作っていないと思っていた)

そんな私がLUMIXをわざわざここで記事にするまでになった経緯。
LUMIXというブランドに対する超個人的なイメージを、各機材についての記述は出来るだけ抑えつつ、ここに書かせていただきたいと思います。

何枚か拙い写真を載せてますが全部JPEG撮って出しです。
LUMIX購入のご参考になれば幸いです。


先入観

前提として、LUMIXを手に取る前に使っていたのはNikon FマウントとOLYMPUS(マイクロフォーサーズ、以下MFT)です。

「家電屋さんのカメラ」

前述のとおり、LUMIXには全く興味が無かった。
Panasonicといえば、買っておけば間違いのない、ファミリー向け家電メーカーのイメージで、Panasonicのカメラと言えばビデオカメラだし、LUMIXと言えばコンデジのブランドという印象だった。
カメラは手広い家電商売の一部、としてやっているイメージだった。

今思えばLUMIXはミラーレス一眼のパイオニアなのに、自分のなかで、尖ったイメージがまるで無かった。

「歴史が浅い」

レンズ交換式カメラを始めた当初は、今以上にカメラ全般に知識が無かったし、ましてやPansonicがフィルムカメラを作っていたこと等、知る由も無かった(恥ずかしながら今回この記事を書いているときに知った)。

デジタル一眼レフ全盛期、カメラといえばNikon、Canon。
新興勢力として(もとはミノルタなので寧ろ老舗だが)SONY。
そして宮崎あおいのOLYMPUS(こちらもめちゃくちゃ老舗だが)。

こういった歴史あるメーカーは技術的蓄積がある、即ち優れた商品を生み出す土壌があるイメージだった。
なお、往時の松下電器はいかにもガラパゴスなカメラを1978年に発売しているし、1980年代には35mmコンパクトカメラを発売している。

いずれにせよ、前述の「老舗」は戦前からカメラを作っているメーカーなので、松下電器・Panasonicが後発であることは間違いない。

LUMIX DC-G9とそのキットレンズによる猫様の一枚。

望遠が欲しい

人は、一通りキットレンズで写真を撮り慣れてくると、もっと違う写真を撮りたくなり、2本目のレンズを手にする(のではないでしょうか)。
私の場合はそれが望遠レンズだった。

そして、たまたま偶然街中のリサイクルショップでお安く売られていたLUMIX G VARIO 100-300mm/F4.0-5.6(I)と出会った。

LUMIX G VARIO 100-300mm/F4.0-5.6

「家電屋さんが作った」「歴史が浅い」LUMIXブランドのレンズをサクっと買えたのは、その当時カメラに対する知識が無かったからだと思う。
レンズ選びは画質に多大な影響を与えることに気づいたのはだいぶ後になってからだった。

そして、本格的にカメラに取り組み始めた時期だった自分にとって、「安い」は正義だった。
大して調査もせず、試し撮りもせず購入した。

早速実戦投入した。
ただの雑草が、生き生きと写る。
一気にLUMIXの印象が良くなった。

OLYMPUS E-P5にLUMIX G VARIO 100-300mm/F4.0-5.6を装着。残念ながらピントはトンボを外し、雑草に当たっている…。

ボケが滑らかなのも印象的だった。
一方で、テレ端の画質は少し甘かった気がする。
望遠の場合、画質への外的要因の影響が大きいことを加味しても、換算500mm以遠は少し解像感が下がった。
そういう話は別途どこかですることにしよう。
(※下記の記事にてMFT機材まとめを作りました。2023/8/8追記)

増えていくLUMIXレンズ

MFTは、レンズを含めたシステム全体が小型軽量で、数字(換算焦点距離とF値)が同じであれば、概ね他のシステムより価格がリーズナブルだ。

ほどなくしてLUMIX G VARIO 45-200mm/F4.0-5.6を購入し(換算90-400mmはとても便利)、更に、自分の興味が山や清流、そして滝の魅力を知るようになると、広角レンズが欲しくなり、DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0がラインナップに加わった。

DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0で撮った(ボディはLUMIX DC-G9)

LUMIXのレンズを偶然使い始め、性能の良さを知った。
そして、入手のし易さから、手元にLUMIXのレンズは3本になっていた。

これは良いぞ!

MFTのレンズが増えていく一方で、どうしてもOLYMPUS機のUIだけは、何とも馴染めなかった。
個人の感覚によるものだと思うが、どうしても慣れない。
カメラといっても道具なので、使いやすいものを使いたい。

所有レンズは殆どLUMIXだし、もうボディもLUMIXでも良いんじゃないか。

そう思い、LUMIXの作例を探した。
LUMIXの中の人には失礼な話だが、凄く良い写真が撮れそうだ。
俄然LUMIXへの興味が沸き、最寄りの家電量販店に駆け込んだ。

LUMIX DC-G9

何機種か試したうえで、LUMIX DC-G9を買った。
LUMIX DC-G9について印象的だった項目はこんな感じ。

  • 画質に関しては、最初から好印象

  • 素晴らしいキットレンズ

  • 機能性、拡張性(カスタマイズ性)が凄すぎる

  • 賛否両論ある(?)シャッターは、自分は否定派

  • 若干ムラのある動作

設定をあれこれ弄らずに殆ど見たままを写せる色再現性は、初めて撮影したその日から自分の心を鷲掴みにした。

LUMIX DC-G9でほぼ最初に撮った写真。設定は殆ど開封時のまま。レンズはLEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm

キットレンズのLEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0は素晴らしいレンズで、地球上であらゆる撮影が出来るような錯覚さえ覚えた(あくまでも、そういう心強さを感じた)。

LUMIX DC-G9の機能性、拡張性に関しては、これだけでたぶん一つの記事になりそうな予感がするが、ざっくり言うと、現場で撮影するときに設定を煮詰められるため、JPEG撮って出しでいいや、そう思えたし、欲しいボタンが触りやすいところに配置され、分かりやすいメニューのグルーピングや操作感は、良い意味で家電のフィロソフィを感じた。

一方、金属感のあるシャッターフィーリングが好きな自分にとって、LUMIX DC-G9のシャッターで気に入ったことは一つも無いし、測光が何だかバタつく感じが気になったり、電源が落ちなくて電池を抜くようなこともあった。

とはいえ、素性の良いこのカメラをもっと楽しむために、単焦点が欲しくなってDG SUMMILUX 25mm F1.4を買ったし、山中で動物を撮るために(あれ?そうだったっけ?)DG VARIO-ELMARIT 50-200mm F2.8-4.0を買った。

見返り美人(性別不明)。DG VARIO-ELMARIT 50-200mm F2.8-4.0で撮った。

こうして、所有カメラのリストはNikonとLUMIXになった。

LUMIXが残った

LUMIX DC-G9の、MFTというシステムとしての良さに加え自分好みの画質、機能性、拡張性、と、言うなれば全方位的なパッケージは、次第に存在感を増していった。
しかし、フルサイズの強みは捨て難い(この時NikonはFX機を使っていた。センサーサイズ論争があるけど同じ画素数であれば、電気的に、画素ピッチが広いフルサイズの方が有利)。

LUMIX DC-S5

そういう時期に、LUMIX DC-S5は発売された。
フルサイズは大きい、の懸念も、このLUMIX DC-S5には当てはまらない。
LUMIX DC-G9と殆ど同じサイズであり(MFTのなかではDC-G9が大柄なのもあるが)、取り回しの良さは買う前から確信していた。

そういうわけで、自分の所有カメラリストはLUMIXだけになった。

LUMIX DC-S5+LUMIX S 20-60mmのコンビで、中山道の馬籠宿・妻籠宿間にある男滝。右奥に女滝が見えます。広角とはいえ手持ちでもぶれない。

LUMIX従来機と統一感のある絵作りで、L.クラシックネオや、もともと定評のあるモノクロのバリエーションが増え、撮影者に与える選択肢が広い。
勿論、LUMIXらしい機能性や拡張性は失われていない。

LUMIXのL.モノクロームD。ボディはLUMIX DC-G9。

独特な焦点距離として話題になったLUMIX S 20-60mm F3.5-5.6は、普段35mmや50mmで撮る人には懸念が無い。
ズームレンズを単焦点的に使う自分にとって標準域の次は85mmを使いたいので、所謂大三元的な標準ズームであっても多分50mmまでしか使わない。

なお、LUMIXのズームレンズは性能が良い。
単焦点に傾倒していた自分の中で、LUMIXのお陰でズームレンズが復権した。
レンズキットになっているものは、絶対にレンズキットで買う方がお得。
描写も素直だし、ボケが暴れず滑らかなため、落ち着いた雰囲気の写真を撮れるように感じる。
特に最近のLUMIXのズームレンズはマクロ性能を持つものが多く便利。

これから

ここまでLUMIXを称賛していたが、LUMIX DC-G9は手放した。
Leica M Typ240を購入するために、MFTの機材は全て売ってしまった。
LUMIXとは異なるLeicaの絵作りには、また別の魅力を感じた。

しかしながら、Leica Mは「現場で作り込む」写真を撮るのには向いていない、と思っているし、アイツは「カメラが被写体を選ぶ」カメラだと思っている。
そのことも備忘録的にどこかで書き殴るかもしれない。
そして、Leica M Typ240での撮影を楽しみつつ、手元に残しておいたLUMIX DC-S5で写真を撮ると、「やっぱりLUMIXの絵作り、いいなぁ…」と何度でも惚れ直してしまうのが事実。

これからも自分はLUMIX機を使い続けるだろう。
そう確信している。

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