マイクロフォーサーズで使った機材たち
マイクロフォーサーズ(MFT)システム。
プロのカメラマンも使われる機材もある一方で、これから本格的にカメラを始めたい方に凄く勧められるカメラだと思う。
私はと言えば、カメラ初心者だった頃に意図せず意識せず初めてMFTのカメラを入手し、機材自体は入れ替えながら10年以上使い続け、そして今年全て手放しました。
10年以上の間MFTを使い続けましたが、使ったのは(たったの?)3つのボディと7本のレンズ。
そこで、自分の備忘録という意味も込めて、それらの機材の印象(使った感想)をまとめておこうと思います。
(以下写真は全てJPEG撮って出し。)
ボディ
OLYMPUS E-PL5
2012年10月発売。有効画素数1605万画素。
使用期間は2012~2018年。
今のところ、発売年にカメラを買ったのはこのE-PL5のみだが、購入理由は、当時使用していたNikon D60より小さく軽く、かつ当時の真っ当な金銭感覚で何とか手が届く価格だったからだと思う。
ここが良かった
液晶画面がチルトできて綺麗で感動
青がきれい(これがオリンパスブルーか…?)
高精細な写真
これを「線が細い」というのか?それとも画素ピッチの影響か?
アートフィルターが充実していて「おもちゃ」としても面白い
ここはイマイチ
UIが分かりにくい
メニューとか最後まで馴染めなかった
OLYMPUS E-P5
2013年6月発売。有効画素数1605万画素。
使用期間は2018~2019年。
カメラで写真を撮ることに慣れてきて、前出のE-PL5がちょっとずつ物足りなくなり購入した。
ここが良かった
E-PL5と比べISO感度下限が200から100に、SS上限が1/4000から1/8000になるなど、昼間でも明るいレンズを絞り込まずに使える
金属感あるシャッター音が撮っていて気持ちいい
OLYMPUSの抜けるような爽やかな絵作り
ここはイマイチ
内蔵フラッシュが付いた、でも内蔵フラッシュは使わない
E-PL5と同様、青が綺麗で画質は良いが、やや誇張した(派手めな)印象の絵作りに食傷してしまった
やっぱりUI苦手…。
LUMIX DC-G9
2018年1月発売。有効画素数2033万画素。
使用期間は2019~2023年。
なぜLUMIXに手を出したのかは別の記事に纏めているので、お時間ありましたら、ご覧頂けると嬉しいです。
当時動画は興味が無くGHシリーズは選択肢から外れ、GX7markIII、G9、発売直後だったG99を試しにヨドバシに赴いた。
当時、店員さんにDC-G9を買うとNikon D7200の出番が減るよ、そんなことを言われた。メイン機だったNikon D7200の出番が減るとは思えなかったが、実際、暫くしてD7200は売却した(その代わり自宅にD810が届いた)。
ここが良かった
殆ど見たまま写せる自然な描写
動植物の描写がたまらない
圧巻のカスタマイズ性、まさに自分専用カメラになる
パワフルな手振れ補正でSS=1/焦点距離、の概念が崩れ去る
水平基調な外観(個人差あるかも)
特にLEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mmをくっつけたときの端正な見た目は惚れ惚れする
ここはイマイチ
「カタッ」という硬化プラスチックがぶつかるようなシャッター音は全然テンション上がらない
夜間等、暗部は割と諧調性を失い黒潰れしてしまう気がする
レンズ(ワイド側焦点距離順)
LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0
海外旅行に行く際に教会など室内写真を撮るために広角が欲しくて購入。
室内だけでなく、滝の撮影や動画撮影に、と、超広角レンズなのにマルチに活躍してくれた。
ここが良かった
超広角にも関わらず通常のフィルタ着用可能
フィルタ径が僅か67mmであることも特筆に値する!!!!
ズームでも全長が変わらないインナーフォーカス
ジンバルを用いた動画撮影において焦点距離を変えたときの調整の手間を省ける
しっかりシャープな写り
ここはイマイチ
輝度差の大きい環境において、明部、暗部共にもう少し粘りが欲しい(自分が使いきれなかっただけかも)
四隅が流れるのはある程度割り切りが必要(広角レンズの宿命ではある)
拙い例ですがこのレンズ一本で動画を録ってみました(動画中の静止画は別ボディ/レンズも使ってます)。
mp4の記録で色はいじっていません、ボディはDC-G9。
LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0
このレンズはLUMIX DC-G9のセットで我が家にお迎えした。
地球上のあらゆる景色を写せるんじゃないかと思えるくらい心強い1本だった。
35mm換算で24-120mmは標準域はもとより望遠側にも余裕があり、最大倍率0.3倍程度ながら撮影距離が短いので、準マクロ的に使うこともでき、このレンズは1本あれば普通の旅行では困らない。
(普通じゃない旅行は知らん)
ここが良かった
ただただ、万能
鳥を撮る、とか本格的なマクロ撮影、など以外であれば何でもできちゃう優れもの
明部、暗部共にそこそこ粘るし手振れ補正もあり夜間の撮影もちゃんとこなせる
意外と(?)モノクロとの相性が良い気がする
ここはイマイチ
ちょっとズームをすると直ぐにF値が大きくなる
M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6IIR
OLYMPUS E-PL5、E-P5のキットレンズとして入手。
現代における沈胴レンズ、みたいな、格納時はちっちゃくなっていて、カメラを起動するとレンズを伸ばしてください、みたいなコメントが出る。
ここが良かった
軽量コンパクト
ここはイマイチ
ボディとの兼合いかもしれないが明部がサクッと飛んでしまう
強いて言えば、広角28mm(35mm換算)は今の感覚からすると狭い
LEICA DG SUMMILUX 25mm F1.4
LUMIX DC-G9があまりにも取り回しが良く、カスタマイズ性も相まって、もっとLUMIX DC-G9をヘビーユースしたくなった際に、単焦点が欲しくなって買った。
LUMIXのMFTレンズの中では結構こってりとした仕上がりになるレンズ、という印象で、R型のSUMMILUX 50mmと比較しても確かにSUMMILUXっぽさは感じたが、本家程の情報量の豊富さはさすがに無かった(センササイズの問題なのかも。M型SUMMILUXを買える財力があれば比較したかった…)。
ここが良かった
LEICAフレーバーを纏った写真を撮れる
諧調性が豊かで、テクスチャ感のある写り、ボケも綺麗
ここはイマイチ
私が知っているMFTレンズの中ではAFがイマイチ(II型では改善したのかな?)
十分に実用的ではあるが、遅く感じるしモータの作動音が気になる(動画では使えないかも)
モータのステップが他のレンズより大きいのか、比較的ウォブリングが発生しやすい
もうちょびっと寄れても良かった、かも。欲張ります。
LUMIX G VARIO 45-200mm/F4.0-5.6
後述のLUMIX G VARIO 100-300mm/F4.0-5.6購入後、多分、もうちょっと使いどころの多い望遠が欲しくなって買ったんじゃないかと思う。
正直購入動機は記憶にない…。
換算90-400mmという望遠として使いやすい焦点距離の恩恵を受けて、それなりに活躍したはず。
ここが良かった
そつのない写り
ここはイマイチ
デザイン、というより鏡胴の色がイマイチ(謎にチャコール。この後II型になってオーソドックスなブラックに変わりました)
LEICA DG VARIO-ELMARIT 50-200mm F2.8-4.0
このレンズは、このレンズを使うためにMFTを買っても良いと言っても過言ではない程素晴らしいレンズ。
何を撮っても絵になるレンズだが、暖色系の仕上がりになりがち(?)で、どちらかというと、例えばスポーツ写真よりも大自然に挑む時に本領を発揮した。
ここが良かった
圧巻の写り、野生動物の毛並みの描写等自然で誇張しないが圧倒的
美しい造形、そしてフルサイズの同焦点距離レンズと比べ二回り程小ぶりなサイズによる可搬性
十分速いAF
ここはイマイチ
フォーカスリミットが欲しかった
と思ってたら例えばLUMIX S5IIではボディ側でフォーカスリミット出来るようになってた。MFTでは実装されているのかな…?
LUMIX G VARIO 100-300mm/F4.0-5.6
標準レンズに飽きて望遠レンズが欲しくなり購入した、自分が初めて手にしたLUMIX機材。
LUMIX G VARIO 45-200mm/F4.0-5.6で言及しているがこの当時のLUMIXのレンズは正直なところ“レンズっぽいデザイン”ではなくて、色もしくは表記もしくは形状のどれかが欠けているレンズが多かった。
このレンズも、やっぱり変な色だなぁなんて思ったが、肝心の光学性能は期待を上回るものだった。
ここが良かった
コスパがとても良い(買ったのは中古だけど…)
35mm換算600mmのレンズを片手で振り回せるコンパクトさ
ボケが滑らかなのも印象的だった。
ここはイマイチ
テレ端の画質は少し甘い(値段を考えれば求め過ぎかも)
望遠の場合、画質への外的要因の影響が大きいことを加味しても、換算500mm以遠は少し解像感が下がる
その他のアクセサリ
EVF: OLYMPUS VF-4
OLYMPUS E-P5を中古で購入したら、一緒についてきた。
セイコーエプソンの液晶パネルを用いた外付けEVFで、EVFを内蔵していない機種でもファインダーを用いた撮影が可能になる。
良くも悪くも可動式で、通常の位置(液晶画面側から覗く)ことも出来るし、チルトさせて上から覗くこともできる。
良さとしてはローアングル撮影のときに便利だし、悪さとしてはロックが緩い為、意図せず動いてしまう。
個人的にはLUMIX DC-G9のEVFに感動した、ことの裏返しで、そこまで性能が良いとは思わなかった。
ここが良かった
小型軽量
ここはイマイチ
チルト機構のロックが弱い
OVFから乗り換えるには違和感があるクオリティ
外部フラッシュ: DMW-FL360L
厳密に言えば、DMW-FL360LはMFT専用ではない。
(MFTモードと35mm版モードを切り替えることが出来る。)
そして、この機材だけは、まだ手元に有り、LUMIX DC-S5で使用している。
この記事で挙げたOLYMPUS機でも使えた(もしかしたら推奨外かもしれないけど)。
型番から推測できる通りGNは36で、照射角は24~85mm。
暗い、というネットの口コミを見かけるが、そういうGNなので用途は室内など向けであり、全く問題なく使える。また、LED補助光を出せるため、動画撮影時も使えそう。
ここが良かった
とても自然な写りになる、凄く使いやすい
ここはイマイチ
設定操作時にチャタリングするというか意図したとおりに動かないことがある
後継機種いつ出すの?
まとめ
あたらめてこうやって振り返ってみると、自分の写真の酷さに落胆する一方、手放した機材たちのクオリティの高さに驚嘆する。
OLYMPUS E-PL5など、そのコンパクトさと写りの良さから、もう一度使いたくなってしまった。
そして当時の印象が残っていないLUMIX G VARIO 45-200mm/F4.0-5.6も、その写りを改めて振り返ってみると、(言い方は悪いが)ちゃんと写ってるし、換算400mmの望遠ズームでも軽いフットワークで撮影を楽しめるMFTの利点を改めて認識した。
噂ではDC-G9IIが出る、みたいな記事がネットに出てるし(2023/8/4時点)、手放したことに若干の後ろ髪を引かれる記事になってしまった。
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