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Folk Design の役割

「Folk Design」は意訳すると「郷土意匠」となります。それぞれの地域には、その土地に根差した素晴らしい意匠があり、近年その一つ一つが見直されてきました。 Folk Designはそういう地域の意匠に学び、「こんな変化があってもいいな」を考えてみます。

Folk Designの器たち

器を作る工程には様々なものがありますが、Folk Designの器は多くの工程を手作業で行っています。決して効率の良い生産ではありません。もちろん機械も使いますが、手作業じゃないといけない部分は手作業でないといけません。それは単純に私たちが作りたい器を作るには手作業じゃないとできないから、というだけではありません。手作業じゃないとできない器を窯元さんに発注すること。未来に手作業じゃないとできない器を残すには、今、その技法を使った器を発注する。これに尽きるのです。

窯元さんにFolk Designの新作の相談をしているところ

発注をするということは、窯元さんのその手作業の技術にお金を支払うこと。その連続で、その技法に携わる職人の数は増えていき、その技術は未来へと残ります。とても単純です。でもとても大切なことなんです。一つの器を作るには多くの職人の力が必要で、その方々にちゃんと利益が還元されていく。これは例えば伝統産業だからと言って自治体が行うことでも、地方創成だといって国が行うことでもありません。その産業に携わる私たちがやることなんです。

飛びカンナは職人自ら道具も手作りする

もちろん、都心の洗練されたデザイナーからの依頼のお仕事も増えてきて、それは学ぶことが多く、産地の成長には欠かせないことです。
ただ、それだけではなくなってしまう技法もあります。だから、未来に残したい技法は産地主体になって方法を考えないといけないと思うんです。

そんな思いを元に作ったプロダクトレーベルが「Folk Design」なんです。

何でも地元チームでお財布みながらやっているので、開発にも、作陶にも、グランディングにも時間が掛かっていますが、それでいいと思っています。ゆっくり時間をかけて作ったものだからこそ、ゆっくりした時間をまとった器は生まれ、人の心に安らぎを与えるものと信じています。

知り合いが最近ミナペルホネン展に行っていい言葉に出会ったとFacebookに投稿していた、その言葉。
【つくり手の喜びは 物の生命を創り つかい手の愛着で 育っていく】
そんな器をこれからも長く作っていきたいなぁ。

ものづくりは楽しく


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