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「デザートレシピをChatGPTに作らせてみた」・・・&『ChatGPTの時代に(1~4)』まとめ

連日、ChatGPTの話題が雑誌やテレビに溢れている。

色々と企画なども作らせてみたが、
もっと簡単なレシピのようなものも作れる。
いくつか新しいデザートの作り方を聞いてみたなかで、
一番面白そうなものを紹介します。

小豆を使った和風デザート「小豆の温かいクランブル」。
もちろん。ChatGPTが生成したものです。
味が分かって作っているのだろうか。

「小豆の温かいクランブル」

材料:

小豆: 200g
水: 500ml
砂糖: 80g
抹茶パウダー: 小さじ1
バター: 80g
薄力粉: 100g
グラニュー糖: 50g
抹茶アイスクリーム: 添える用
作り方:

小豆を洗い、鍋に入れて水と一緒に沸騰させます。沸騰したら火を弱め、弱火で小豆が柔らかくなるまで煮ます(約1〜1.5時間)。

煮た小豆に砂糖を加えて再び弱火で煮込みます。砂糖が溶け、小豆が甘くなるまで約15分煮込みます。抹茶パウダーを加えて混ぜます。

別のボウルでバター、薄力粉、グラニュー糖を指先で練り合わせ、サクサクしたクランブル状にします。

クランブルを小豆の上に散らし、オーブンで約20分間焼きます。クランブルがキツネ色になるまで焼きます。

出来上がった小豆の温かいクランブルを器に盛り、抹茶アイスクリームを添えて温かいうちにお召し上がりください。

小豆の温かいクランブルは、甘く煮た小豆のほんのりとした抹茶風味と、サクサクのクランブルの食感が楽しめる和風デザートです。抹茶アイスクリームとの相性も抜群です。ぜひお楽しみください!

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このレシピはまだ実際に作ったことが無いけど、味の調整も出来るのだろうか。「ちょっと甘すぎたので、もう少し甘さを抑えて」。と
注文を加えたら、下記のような修正案が出来た。

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かしこまりました。以下に修正した「小豆の温かいクランブル」のレシピをご紹介します。甘さを控えめにし、さらにフルーツを加えてバランスの取れたデザートに仕上げましょう。

【小豆の温かいクランブル】
<材料>

小豆:150g
砂糖:30g
塩:ひとつまみ
カットフルーツ(お好みの果物):適量
バター:50g
薄力粉:100g
グラニュー糖:30g
シナモンパウダー:小さじ1/2
<作り方>

小豆を鍋に入れ、水を加えて火にかけます。沸騰したらアクを取り、中火で約30分程度煮込みます。小豆が柔らかくなったら、砂糖と塩を加えてさらに5分程度煮込み、甘さと塩味を調整します。火から下ろしておきます。

別のボウルでバター、薄力粉、グラニュー糖、シナモンパウダーを手でよく混ぜ合わせます。クランブル状になるまでしっかりと組み合わせます。

オーブンを180度に予熱します。

小豆の煮汁を別の鍋に移し、火にかけて温めます。

オーブン用の耐熱皿にカットフルーツを敷き詰めます。

温めた小豆の煮汁をカットフルーツの上に注ぎ、その上にクランブルをまんべんなくかけます。

オーブンで約20分間焼きます。クランブルがキツネ色になるまで焼き、香りが広がるまで待ちます。

オーブンから取り出し、少し冷ましてから温かいまま召し上がってください。

このレシピでは、小豆の煮汁に砂糖と塩を調整して甘さと塩味をコントロールします。クランブルにはバターと薄力粉を使用し、甘さを控えめにしてバランスを取ります。また、焼き上がりにはカットフルーツを加えて彩りとフレッシュな風味をプラスします。

ぜひお試しください。お好みのフルーツを添えて、より楽しいデザート体験ができることでしょう。

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なるほど、である。
すぐに対応してくれるのが嬉しい。



イラストは「料理に苦戦する女子高生」という題で、エッジの画像生成アプリにつくらせたもの。二点とも同じ題材だが、二つ目は腕も多いし、かなり異様だ。

さて、デザートという甘~い世界から、ちょっと現実を見てみよう。

そこで、少し前に書いた『チャットGPTの時代に』を加筆してまとめた。
ご興味のある方はどうぞ。
ChatGPTが溢れる時代に翻弄される人々をオムニバス形式で書いた物語です。

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『チャットGPTの時代に(その1)』
「映像が大資本の手を離れるまで」・・・デクノボウと呼ばれた青木くんが生き残った理由。

大昔、カメラや照明機材は高額で、
出資できる資本家の下にいないと触れる事さえできなかった。
映画やテレビは大資本の独占状態だったのだ。

「この業界に居られないようにしてやろうか!」

青木君(仮)が初めて就職した映像制作会社のアルマジロのような社長は、そんな言葉をよく口にした。

気に食わない事や、自分の失敗を突かれると
怒りまくったあげく、そう言い放つのだ。

だけど、青木君は全く意に介していなかった。

社長一人、社員一人の制作会社が、業界にどんな影響力があるのだろうか、という事と、青木君自身、絶対この仕事を続けたいと言うほど、映像業界に思い入れが無かったのだ。

青木くんは映像系の大学に通っていたが、何となく大資本出ないと映像に関われない現状に戸惑っていた。
それでも作品を作る事には興味があり、自分の使えるお金で映像作品作りだけは細々と続けていた。

同級生の中には、年中映画館に通い、映画や演劇について熱く語る連中や、学生時代からバイト代も貰わずに現場の仕事に精を出す者もいたが、そういう話を耳にするたびに、「頑張っているな」と感じて、尊敬の念を送っていたが、自らがその世界に浸かるつもりはなかった。

それでも、映像制作会社に就職したのは、同じ会社と先に取引していた同級生からの押しと、推薦があったからだ。

だから特に相手の会社について調べもせずに、働きに行った。

そんなだから、当然冒頭のようなセリフを聞くことになる。

「この業界に居られないようにしてやろうか!」

そう言われた青木くんが考えていたのは、

『給料も滞っているし、ここに居れなくなってもどうってことは無いな』

という事。そして、こんな状況でも動揺して、必死に業界にしがみ付く者もいるんだろうな、と感じていた。

就職して半年も経たないうちに、その会社に出入りしている人の紹介で、別の制作会社に移る事になり、アルマジロ社長と会う事は無くなった。
しばらくして、アルマジロ社長が全く別の業種に移って
フリーランスの社員をしているという事を知った。

業界に入れなくなったのは、アルマジロ社長の方だった。

その後青木くんは、学生時代から培っていたノウハウと編集能力でどこに行っても重宝され、そこそこ魂を燃やしながら、結局70歳近くまで業界で働き続けた。

それが可能としたのは、機材が安価になり「機材への投資」より「ノウハウ」に価値の重心がスライドしたからだった。

「つまり、映像が大資本の手を離れた事で膨れ上がっていったから、何とか生きてこられた」

と青木くんは思っていた。

だが、青木くんは気付いていなかった。
長く続けられたのは、自分の立場を気にせず、好きな事だけに注力した「上手く鈍感になる力」にあったという事を。

例え辛い内容の仕事でも、一部でもやりたいことが残っていれば、続けることが出来たのだ。

映像制作のハードルの一つである「資本力」が無くなった今、
動画サイトなどの新しいメディアで稼ぐ者は後を絶たない。

青木くんの生き方を見ていると、そんな場合にも
「上手く鈍感になる力」が大切だと思えるのである。

「映像が大資本の手を離れるまで」 おわり

『チャットGPTの時代に(その2)』
「AI対GPT対職人」・・・使うのか使われるのか。時間とコストで悉くダメだと言われた伊藤君が成功した理由。

「コンピュータによる映像加工技術が進んだら、
映像制作に携わる多くの技術者は要らなくなるんですよ」

その若い助監督・伊藤君(仮)は、ある映画の打ち上げでしこたま飲んで、酔っぱらった勢いでこう言った。

聞いていたのは、ベテランのカメラマン、チーフ照明技師、作曲家たちだった。

その場にいた全員が黙って睨みつけているを、
感心して聞いてくれていると思った伊藤君は、
持論をまくし立てた。

「例えば、カメラはこれから物凄く安くなります。
いろんな場所にカメラを設置して、素材を撮れるだけ撮ればいい。
背景もグリーンバックで撮影して、後で好きな物を合成する。
被写界深度も動きも自由だから、後で何とでもなる。
照明も、フラットな明かりで撮っておけば、後でいくらでも陰影を足せるし、艶だって出せる。女優が気にする皺も消せる。

現場で録音した音声を合成すれば、後からNGを修正できる。
録音も楽になりますよ」

最後に伊藤君は、金屏風の前にいる主演俳優たちを指さして言った。

「あの人たちだって、全部CGに取って代わられるんだ」

その後で、寂し気にこう言った。

「助監督も、理系のコンピューター技術者に取って代わられるかもな」

およそ20年前のある夜の事だった。

しかし、現在でも多くの仕事は残っている。

カメラマンも照明技師も録音マンも消える事は無かった。
だが、消えた者もある。
カメラマンと照明技師と録音マンだ。

残っている人の何倍も消えている人はいる。

確かにカメラの性能が上がり、特別な照明が無くとも
奇麗に映るようになった。
音声もスマホの小さなマイクで録ったとは思えないほど、クリアな場合もある。(人の声が自動で抽出強調されている)

職業が消えたのではなく、形を変えていき、それに対応できないでいると、退場せざるを得ないのだ。(当たり前の話)

伊藤君は幸いにして、生き残っていた。
特別な技術、新しい技術に対応してきたからではない。
営業の得意な人と結びつ、いくらかの新しい技術を調べながら、無難に生きてきた。
伊藤君が生き延びられたのは、ワープロと編集ソフトのおかげだ。
ワープロの無い時代、脚本を始め、書類は全て手書きで作っていた。夜手書きの原稿を印刷所に回すと、翌日の朝に台本として製本されてきた時代だ。

日本中で奇麗な字を書く事が重要視され、子供の頃から
書道を習うのが推奨されたが、伊藤君はずっと字が下手だった。

それが逆に幸いした。ワープロが発明されると、真っ先に手に入れ、自分の脚本や企画書を作り印刷した。
伊藤君は、ワープロでシナリオや企画書を書ける助監督として重宝された。
ワープロやPCが普及すると、
手書きの書類は、どんなに奇麗でも嫌がられるようになり
書道な作品や就活の履歴書など、特別な用途に限られるようになった。

同じ頃、新しい技術やセンスを磨かないカメラマンが
「お前はカメラマンじゃない、カメラ番だ!」
と怒鳴られているのを横目で見ながら、伊藤君は
「何もしなかったら、自分もあんな風に怒鳴られて終わっていただろうな」と思った。

見渡すと、「リアル」と「フィクション」、加工せずに画を決められる者と、合成や加工も含めて判断できる者が残った。両極端だ。
ことの本質は、おそらく「リアル」と「フィクション」だけではなく、「掛かる時間とコスト」の問題だと伊藤君は考えている、という事らしい。

未来について、伊藤君が考える事は、こんな事だ。

チャットGPTがテキストだけではなく、映像にも対応するようになれば、現在のAIによる絵画生成などとは比べ物にならない映像や動画が作れようになるだろう。チャットGPTは、「ノウハウ」や「職人技」をもデータとして吸収するからだ。
その時の「制作に掛かる時間」が、数秒から数分になれば、
多くのクリエーターと呼ばれる仕事は無くなるだろう。

まず、ノウハウだけのクリエーターは転職し、
チャットGPTを使うノウハウで仕事を始める。

次にノウハウも職人芸もないクリエーターは、相変わらず、
コネクションだけで仕事をするから、仕事をくれる人が儲かっている限り失業しない。

最後に職人芸(プロの技術)を持ったクリエーターは、
チャットGPTを凌駕して作品を作り続けるが、
徐々に学習し、進化するものに追い込まれていく。

勿論、全てではなく、最後まで残る技術者も製作者もいる。

それがどれくらいの数で、いつまでか、という答えは、
現時点では予測しずらい。

もし、チャットGPTに、

「チャットGPTが映像の制作を始めたら、将来失業する映像関係者は何%?」

と聞いてみたら、どんな答えを出すだろうか。そして何秒で。

「AI対GPT対職人」       おわり

「そのノウハウは誰のもの」・・・『チャットGPTの時代に(その3)』。隠れた権利を守る者と見て見ぬふりをする者。努力が結実するまで。
少し前、上野君(仮)は、東京都庁の外観を撮影中に、
都庁のガードマンから「都庁を撮らないでください」と言われた。

「私たちの税金で建てたのに、なぜ撮影できないのか」

と聞くと

「設計士の意向です」

とガードマンは答えた。

次に、とある某高級ブランドのビルの外観を撮影している時も
強面のガードマンがやってきて

「撮るな」

と言った。

数十年後、上野君は思う。

「これらのビル、携帯で気軽に撮影できる現在は、どうなっているのだろう。一人ひとり見つけては、撮るなと言っているのだろうか」

最近、上野君がこの件を思い出したのには理由があった。

ある作家の彫刻が全く知らない施設の企画書に使われ、
それが外に出てしまったのである。

彫刻家は、「自分の作品が勝手に使われた」と憤り、
著作権に詳しいと名乗る研究者は、
「屋外で公共の目にさらされている彫刻は、公共物に含まれ、著作権フリーの扱いだ」という内容のコメントを書いていた。

それで上野君は、都庁とブランドビルの出来事を思い出したのである。

あの時、ビルをデザインした建築家たちは、このような事態を危惧していたのかもしれない。

「簡単に流用できるからと言って、デザインの著作権を放棄したわけではない。ちゃんと断ってくれ」

という事だ。

そしてもう一つ。上野君は、気になる記事を見つけた。

チャットGPTが、与えられた質問に対して答えを出すとき、
インターネット上にある情報を検索し、答えとなる文章を作る。
それは、単純な翻訳や辞書的な事だけでなく、国会答弁にまで及ぶという。

まず困るのは、翻訳や辞書の仕事をしている人たち。死活問題だ。

「そもそも、チャットGPTが参考にするのは、ネット上に彼らが上げているデータでは無いのか」

やはり少し前、地図アプリの黎明期には、ゼンリンなどの地図データを使って地図アプリを制作し、その使用料を支払っていた。(現在は不明)

データはグーグルマップなどから抽出したなどと、ライバル社の名前を出されたら、確認に時間がかかる。
地図製作会社同士がトラストを組んで、地図アプリの会社に請求するしかない。

「やっぱり、人間が時間をかけて作り上げたものは、作った人間に利益を還元すべきだよな」

上野君は思った。

「だけど、小説やイラスト、絵画彫刻など以外の、著作権の心配がないものだったら、どうなるのだろう。
それは簡単に作り出せてしまうだろうな。いくらでも、誰にでも」

そして、上野君は少しだけ未来の事を考えてみた。

報告書を欲しがる上司に、部下がチャットGPTが作った文書を渡す
・・・これは部下の無駄な作業が減って効率化が進む。

刑事がチャットGPTに状況証拠を入力し、犯人を割り出す
・・・これは簡単に冤罪が生まれそうだ。

教師がテスト問題をチャットGPTに作ってもらう・・・

例えば「中学2年生にふさわしい問題を」という感じで入力する。
こちらも時間の無駄が減って、生徒に向き合う時間が出来るかもしれない。

しかし、
生徒たちも同じ質問をチャットGPTに入力すると、
同じテスト問題を提案してくる。
「担任の○○先生の考えそうな問題」というキーワードを入れると、さらに精度が上がるだろう。

文章で答える問題だって簡単だ。
「中二の自分(○○君)が考えそうな文章で答える」と入れると、いかにも自分が書いたような答えを出してくれる。

読書感想文や作文の問題はこれで万全だ。

メールやLINEの会話、チャットや出会い系サイトでも
活用される・・・

「男性に気に入られつつ、相手の本質が分かる質問を作る」

と入力すると、相手も

「女性に気に入られつつ、こちらの本質は隠しておく」

と答える。

互いに気に入る言葉を交わすが、自分自身が築き上げた関係ではないので
実際に会うには勇気が要る。その内に、どうしても会う勇気が出せず、
理想の相手なのに、全く会おうとはしない関係が量産されるだろう。

恋愛でも、会社でも、教育でも、「会話」や「メールなど」のコミュニケーションは、いずれ人類の手から離れてしまうのかもしれない。

上野君は、そこまで考えた後、パソコンの電源を落とし、
好きな女の子に電話をかけた。

直接の会話は不慣れだった。
言い間違いも多く、言葉のチョイスも決して良くないため
女の子からは、面倒くさがられた。

しかし、しばらくたつと、言葉が帰って来るまでの時間、
相手の事を考えているのが段々と心地よくなってきた。

相手の事を考える、という行為は、正しい何かに満たされる気持ちがする。
相手の気持ちを尊重し、少しずつで理解し、自分と相手の違いと似ている部分を考えるだけで、幸福感がある。

上野君は、思い切って、電話の向こうの彼女に
そんな風に感じていることを伝えた。

彼女も、同じ様に感じている、と答えた。

メールやLINEでは出来ない、何か特別な繋がりが生まれたような気がした。

だが、それは長くは続かなかった。

「そのノウハウは誰のもの」       おわり

「我が名はコロッサス」・・・『チャットGPTの時代に(その4)』。繰り返されるいたちごっこの時代を生き延びる。

コロッサス(仮)、という名の通話監視アプリが大ヒットした。

当初は、詐欺電話に対して警告を出すアプリだった。

「警告。警告」

詐欺電話だと判断した場合、こんな警告音声が流れる。
続いて、「この電話は録音されます」と自動音声が流れる。

多くの詐欺電話はこれで撃退できた。

ところが、
詐欺集団は手軽になったAIを活用し巧妙化していく。
コロッサスの通話管理機能を詐欺を行うようにプログラミングし、
自動電話で詐欺を行うアプリを自分たちの為に作り出したのだ。

『悪のコロッサス』は対話形式にも対応し、録音も自動音声もl効果がない。

やり方はこうだ。

電話営業を装って、何度か電話を掛ける。
その際電話に出た人(老父母)の声を、『悪のコロッサス』がサンプリングし、その音声データから計算で割り出した子供の声を合成する。

そこからは、通常のオレオレ詐欺と同じだ。
合成した声は印象が似ている上、営業電話で手に入れた情報も加味しているので破綻も少なく、多くの人が被害に遭った。
しかも、電話の応対も全て『悪のコロッサス』が行うので、
詐欺集団の方は、掛け子も受け子もいらない。
口座に振り込んでくれる『上客』に出会うまで、
パソコンが勝手に電話をかけ続けてくれるのだ。

ある時、詐欺電話を受けた人が、戯れでこんな事を聞いてみた。

「コロッサス答えよ。
お前に電話を掛けろと指示した犯人は誰で、どこにいるのか」

『悪のコロッサス』は簡単に「白状」した。

犯人の名前と住みか、経歴から現在進行中の犯罪まで事細かに答えたのだ。

最初に「白状」した犯人は、小学4年生の姉弟だった。
自宅にある父のパソコンで『悪のコロッサス』を一度だけ操作し、
後は、ずっと忘れていたのだという。

だが、それをきっかけに、本物の詐欺集団にもたどり着き、犯人たちは一網打尽。オレオレ詐欺は撲滅されたように見えた・・・ほんのしばらくの間だけ。

あっという間に、『悪のコロッサス』が嘘をつくようになり、
詐欺集団は無くならなかった。
正確に言うと、詐欺集団は無くなったが、
集団ではなく、『個人詐欺』として事を起こす者だけになり、
全てはパソコンがあれば、誰でも出来るようになったために、
事件は何十倍、いや何百倍に増えた。

しかも、犯人をいくら捕まえても、『悪のコロッサス』はインターネット上に存在し続け、自動で犯罪を重ねていく。
万一刑務所に入っている間も、押収されなかった別の『悪のコロッサス』が自動で詐欺を続け、出所した時には億万長者になっているという違法状態を無くすために、政府も重い腰を上げた。

「誰から掛かってきた電話でも、まず嘘や詐欺を疑いましょう。
声がどんなにそっくりでも、話がどれほど噛み合っても、
信じてはいけません。電話口の向こうが人間とは限らないのですから」

もはや対面以外のコミュニケーションは、
この世の中で意味を持たなくなってしまった。

古き良き人々は餌食にされ、働かされ、戦わされる、
そんな「サレ国民」が世界に溢れ、
人類は、やりがいと達成感を失った。

そこそこ納得のいく答えが簡単に手に入る世界では、
「満足」はすぐそばにあり、新たな物への好奇心は生まれてこない。

しかし、視覚と聴覚だけで知識欲を満足させたつもりになってはいけないのだ。
すでにコロナ禍の影響で、若者は接触を恐れ、触覚への好奇心が
失われている。

さらに過剰なまでの不寛容が裏に秘めたパワハラになり、
自粛と委縮を生み出したために、
触れ合いを拒む習慣が幅を利かせ、距離を取る事ばかり考える世の中になってしまった。

この先、人類には幸福があるのか、
そう考えた男が、チャットGPTに聞いてみた。

「AIがどんなに発達しようとも、人類が幸福でいられる世界を実現するために必要なことは?」

答えは。

・・・・・・・・・・・

AIがどんなに発達しても、人類が幸福でいられる世界を実現するためには、以下の要素が重要です。

倫理的な指針と規制の確立:AIの発展に伴い、倫理的な問題が浮上する可能性があります。人工知能システムの設計や使用において、倫理的な原則を尊重し、人間の幸福と尊厳を最優先に考えるための指針や規制が必要です。このような指針と規制によって、悪用や不正な使用が防止され、公正で信頼性の高いAIシステムが構築されるでしょう。

教育とスキルの向上:AIの発展によって、仕事や社会の様相は変化します。人々がAIと共存し、恩恵を享受するためには、適切な教育とスキルの向上が不可欠です。教育制度は、科学技術やAIに関する知識を提供するだけでなく、創造性や問題解決能力、コミュニケーションスキルなど、AIが補完できない人間の特性を育むことに重点を置くべきです。

平等と包括性の確保:AIの発展が進むにつれて、デジタル格差や不平等が広がる可能性があります。技術の恩恵が一部の人々に集中することを防ぐために、平等と包括性を確保する必要があります。アクセスの平等、データの適正な使用、バイアスの排除など、包括的なアプローチが必要です。

持続可能な開発と環境への配慮:AIの発展は、環境への影響も考慮する必要があります。エネルギー効率の改善や再生可能エネルギーの活用など、持続可能な開発への取り組みが求められます。また、AIを使用して環境問題の解決や持続可能な開発を促進する方法も模索されるべきです。

国際的な協力と規範の確立:AIの発展は国境を超えて進行しています。人類が幸福な未来を実現するためには、国際的な協力と規範の確立が必要です。国際的な協力によって、AIの倫理的な基準や安全性に関する合意が形成され、世界中の人々が共通の目標に向かって取り組むことができます。

これらの要素を総合的に考慮することで、AIが発展しても人類が幸福でいられる世界を実現することが可能です。技術の進歩と人間の価値を両立させることが重要であり、人間中心のアプローチが求められます。

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まとめると、

1:倫理的な指針と規制の確立
2:教育とスキルの向上
3:平等と包括性の確保
4:持続可能な開発と環境への配慮
5:国際的な協力と規範の確立

これらの人類が意識して行う要素を考慮すれば
人類が幸福でいられる。と答えている。

つまり、人類の幸福は人類の意識にかかっている、ということだ。
AIの導き出した答えはこうだったのだ。

「人類の培ってきた英知と未来への希望、
そして他者へ配慮(愛)に期待します」

結局は、使う人間の能力次第なのか。

かつて、インターネットの黎明期に、ネットを活用できた者は、
仕事を効率化できた。
その後、情報の不確かな事例が発生し、又嘘や中傷が問題となったが、ネットの真偽を見わけるノウハウを持った者は、さらに仕事を効率化できた。

おそらく、ChatGPTも同様の道を通るであろう。
仕事の効率化を進められて、なおかつ収益に結びつけられる場所に居る者が、一番恩恵を受けやすい。
逆に、ChatGPTや生成AIが代行できる仕事のみを行っている人は
失業の憂き目にあうかもしれない。

しかし、悲観してはいけない。

あなたのやっている仕事は、必ず何か別の仕事に繋がっている。
経験を手繰り、自らの仕事を効率化して、さらに外側に手を広げるのである。

例えば、脚本家なら、映像制作から公開上映などの収益システムまで、今まで他者に依存していたものを自ら把握して動かしていく者も増えるだろう。そのハードルは今、恐ろしく下がったのだ。

そうして群雄割拠して、AIによる映像や原稿が蔓延した後に
又新しい何かが生まれるのだ。
その新しい何かの技術者や専門家になるという手もある。
それが、IT技術かコミュニケーション方法か映像やバーチャルかは分からないが、可能性は大きいし、若者のアンテナは案外その答えを直感的に感じ取っているのかもしれない。

AIブームに浮かれていない、静かな一見冷めているような若者の意見を聞いてみたいものだ。

・・・

これを書いている時に、手塚治虫氏の「ブラックジャック」の新作を
AIによるテキストと画像生成により制作するというニュースが飛び込んで来た。
オリジナルの権利を持っている者が、まず先んじて行動をし始めたのだ。

さあ。酔っ払って愚痴を言う暇があれば、
活用法を探すか、冷静に未来を見つめている人を探して意見を聞くか、技術を習得する事に時間を使わねば。

現在を使いこなすか、未来に投資するか。
それを決めるのはあなた自身だ。

『チャットGPTの時代に』    おわり

こちらのイラストもAIによるもの。「ラブレターを渡す女子高生」




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ありがとうございます。はげみになります。そしてサポートして頂いたお金は、新作の取材のサポートなどに使わせていただきます。新作をお楽しみにしていてください。よろしくお願いします。