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「やられた! そう来たか」・・・「朱の会」阿佐谷ワークショップ。9月18日、19日。


「朱の会」について以前、毎回のように演出が凝っていき、
自分でハードルを上げている、というような趣旨の事を書いた。

今回も同様に「どんな凝った演出で、私の勝手な想像を超えてくれるのか」と期待していた。
そしたら、まあ、あなた。・・・やられましたよ。

今回は、実にシンプル。余計なセット、小道具、衣装による演出を排除して
公演に挑んだのだ。

主宰の神由紀子さんによると、「今回は語りの力を信じ、語りの力を再認識した」ということだが、まさに各出演者の「語りの力」だけで観客を魅了したと言えるだろう。

・小川未明作「野ばら」
・向田邦子作「字のない葉書」
・泉鏡花作「外科室」

と力のある作品が並び、
休憩を挟んだ後半の浅田次郎作「夜の遊園地」は
実に圧巻だった。
1時間に及ぶ作品を言葉だけで語り切る。
音楽と効果音は、その作品世界をサポートするだけの謙虚なモノに
押さえている、これが又良い。

さあ~っと観客の周りに遊園地の世界観を漂わせてくれる。
聴く者は、言葉と音楽・効果音を自由に脳内で選べる。
どちらを選んでも、その作品世界からはみ出る事は無い。

さて、これで又困ってしまった。
次回の「朱の会」は、凝った演出なのか、シンプルに語るのか。
どんな心積もりで行けばよいのだろう。

まあどんな心積もりでも良いだろう。
純粋に楽しみにして、「朱の会」の世界にとっぷりと浸ってしまえば良いのだから。

この「朱の会小公演」は前回の分がDVDになっていて、会場で販売を行っていたりする。今回の公演がどうなるか分からないが、もし会場で発見したら
購入されることをお勧めする。



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