見出し画像

「秋の葉かたり」・・・連なる作品世界に心地よく浸る、贅沢な朗読会。


『秋の葉かたり』主催プチフラージュSETAGAYA
 下北沢・北沢タウンホールにて

語り手の実力が見える贅沢な語りの会。

登壇する語り手は、俳優、声優、朗読家と、実に多彩で、その中には現役で活躍するトップ声優や朗読コンテストの優勝者がずらりと並んでいる。
多彩な才能が集まると、それだけ個性が際立ってくるし、楽しみ方も多彩になって来る。冷たい秋雨の中、次々と連なって展開する作品世界に、心地よく惹きこまれるひと時であったと言える。

『秋の葉かたり』は、会場の規模なども含めて、ある意味朗読会のあり方のひとつの頂きのような印象もあった。
そんな条件や仕掛けを除いても、何より語り手の個性を聴いて感じるだけで楽しかった。

と、ここまで考えて、「語りにおける個性」とは一体何なんだろう、
と思うに至った。

(以下は個人的な勝手な感想なので、反論される方はスルーしてください。)

朗読家、俳優、声優がずらりと並ぶ舞台

語りの個性を考察しながら観劇すると、「声の質」「発声の強弱」「リズム」「全体のトーン」「キャラクターの立て方」などなど、注目するところは色々とあるが、今回は「間」の取り方を注視してみた。

例えば、朗読を常とする朗読家の方は、基本1人で掛け合いもト書きも読む。
だから、掛け合いの「間」も、ト書きを理解させる「間」も自分の「間」で作り上げ、調整が出来る。ある種手慣れた安定感を感じる。

一方、俳優の方は、ほとんどの場合、相手がいて語り掛ける。
舞台や映像の場合でも、その場面場面でメインとなる相手(主役など)や重要なセリフを際立たせるために(又は目立たなくするために)、語ったり動いたりする。
だから、意識的に俳優の朗読の「間」を聞いていると、相手の立ち位置や、観客への語り掛けなどの距離感が見える時がある。

最後に、声優の方は、主にスクリーンの映像に向かって声を当てる。
命の無い絵に命を与える、もしくは外国人俳優を日本語で表現する。
だから、セリフの「間」の中に、実際には無い存在を現実の世界に呼び込んでくる思いや、フィクションを現実に馴染ませようとする感触が伝わって来る。

これらは、個人的な印象で勝手に書いているので、実際に演じている方や他の観客の方が、どのような思いや感想を持たれているかは分からないのであしからず。

勿論、「間」だけではなく、様々な技法、才能がある。
今回の『秋の葉かたり』では、朗読家、俳優、声優、それぞれの語り方や能力の全てを裾ぎこんでアプローチし、それぞれの魅力で観客を包み込んでいた。

出演されていた、真山亜子さん、町田政則さん、佳月大人さん、今村均さん、西村俊彦さん、やまたつやさん、清水美代子さん、葉月のりこさんと、主催のプチフラージュSETAGAYAの朗読会に今後とも注目したい。

ご興味のある方は是非、開催のスケジュールなどをチェックして、直接その耳で堪能してみてほしい。

                おわり


左から主催の葉月のりこさん、真山亜子さん、清水美代子さん

#朗読会 #朗読 #プチフラージュ #朗読家 #俳優 #声優 #下北沢 #語り #個性 #間 #不思議 #謎 #秋の葉かたり #贅沢 #真山亜子 #町田政則  #佳月大人 #今村均 #西村俊彦 #やまたつや #清水美代子 #葉月のりこ

ありがとうございます。はげみになります。そしてサポートして頂いたお金は、新作の取材のサポートなどに使わせていただきます。新作をお楽しみにしていてください。よろしくお願いします。