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まさに「劇的立体朗読」・・・朱の会 第六回公演


「朱の会」 第六回公演 中野「スタジオあくとれ」

「劇的立体朗読、怪異と幽玄ノ譚
雨月物語と小泉八雲の世界」

と少し長めのサブタイトルが付いているが、このサブタイトルそのままの内容であった。

もう何度も紹介しているのでご記憶の方もおられるだろうが、朱の会は、単なる朗読会ではない。

「劇的立体朗読」と書かれているように、「朗読」というものに、しっかりと足を踏ん張りながら、ダンスや芝居を巧みに取り込んでいる。

特に今回は、役者たちに余計な気負いのようなものも少なく、バランスの良さを感じた。

こなれてきたのであろうか、それとも怪異と幽玄というテーマで役者やスタッフの気持ちが乗っているのであろうか、
物語を軸にして、朗読、演出、効果音や音楽、照明などとてもうまくかみ合っているような気がするのだ。
(そのあたりは是非実際に見た方からの感想をお聞きしたい。何言ってんだよ、この「夜中のサングラス野郎」と言われるくらい全く別の切り口による感想も聞いてみたい)

さて、「怪異と幽玄ノ譚」には、小泉八雲の怪談をはじめ、不思議な話が集められた。
夏目漱石の「夢十夜」、江戸川乱歩の「指」など、
何度か聞いたことのある話もあったが、
役者のキャラクターの使い方と、絶妙なバランスで入って来る芝居やダンスの要素が楽しく魅せてくれる。

特に、和田誠の「おさる日記」などは、オチを知っているだけに、その途中の演じ方の違いが楽しめたし、
「吉備津の釜」は実に見ごたえがあった。

朱の会は、以前にも増して公演の完成度が素晴らしくなってきている。私などは、本当に頭が下がる思いである。

今回、「風」がある意味、キーアイテムになっているが、
一陣の風のようなさわやかな時間であった。

9日の千秋楽まで、チケットはほぼ売り切れ状態らしいが、当日券が出るかもしれないので、ご興味のある方は、「朱の会」で検索して、問い合わせて頂きたい。




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