ドイツ語の復習のために、グリム童話を原文で読んで配信する試みをしています。まずは『三枚の羽根』のお話を8回に分けて読んでいます。その4回目です。
さて、我らが末っ子、とんまくん!笑。地下への階段を降りて、目の前にした扉の向こうにあったのは、大きく太ったのが1匹。小さいのが無数にいるヒキガエルの巣窟でした。というのが、前回の配信です。詳しくは、ひとつ前の記事にて。
4回目の配信で読んだ部分を引用します。その下にある日本語は拙訳です。
◇ グリム兄弟の童話集|Die drei Federn(4/8)
どうでもよいことですが、末っ子とんまの兄たち。羽根を追って東へ西へ分かれて行った(?)はずなのに、いつのまにやら合流していますね。類は同胞を呼ぶ。
そして、太っちょヒキガエルは、末っ子とんまのドラえもんみたいですが、望みの品をあっさりくれちゃったりして、後から高くつかなければよいけれど。笑。
さて、このヒキガエル。前の記事で確認しましたが、さらに掘り下げます。
Kröte(クローテ)という言葉は、複数形になると、まとまったお金、という意味が出てくるようです。そういえば、3回目の配信で読んだ部分にこのような文章がありました。改めて引用します。
はて。複数形のはずなのに不定冠詞(eine)があるのはなぜか。それは、Menge(メンゲ)のほうに添加されるからみたいです。さすがドイツ語。ややこしい!笑。それでは、この単語の意味をみていきます。
ということで、何が言いたいのか、まとめますと、eine Menge Kröten、という表現には、まとまった(量の)お金、というニュアンスがあるようですから……
みたいなイメージになるのかもしれない、と考えた次第です。
つまり、地下にうごめくヒキガエルという要素は、物語におどろおどろしい雰囲気を与え、読み手の子どもたちをはらはらさせる効果がある一方で、のび太くんならぬ、うすのろな主人公が上等な絨毯をたやすく手に入れられたことを、矛盾に思わないで受け入れられる素地にもなっているのではないかと思うのです。
もしそうであるなら、ここはやはり、ヒキガエル(die Kröte)なのでしょうね。カエル(der Frosch)ではなく。ただ仮にそうだとしても、例のドイツ語文法的な性の違いの謎解きにはならないけれど(前の記事の疑問をまだ引っぱる・笑)。
*参考*
アプリ版『独和大辞典 第2版』(小学館)
池田香代子訳『完訳クラシック グリム童話』(講談社)
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