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グリム童話を読む配信。『三枚の羽根』❸

ドイツ語の復習のために、グリム童話を原文で読んで配信する試みをしています。まずは『三枚の羽根』のお話を8回に分けて読んでいます。その3回目です。

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Brüder Grimm „Kinder - und Hausmärchen“

前回の配信では、末っ子のとんまが、地下へとつながるハッチを開け階段を降りていくと扉があったので、それをノックしてみたら中から声が聞こえてきた。というところまで読みました。詳しくは、ひとつ前の記事にて。

3回目の配信で読んだ部分を引用します。上にある日本語は拙訳。その下の韻文の部分は参考にしている翻訳本からの引用です。

◇ グリム兄弟の童話集Die drei Federn(3/8)

Die Tür tat sich auf, und er sah eine große, dicke Kröte sitzen und rings um sie eine Menge kleiner Kröten. die dicke Kröte fragte, was er wolle. Er antwortete: >> Ich hätte gerne den schönsten und feinsten Teppich.<< Da rief sie eine junge und sprach:

 >>Jungfer grün und klein,
 Hutzelbein,
 Hutzelbeins Hündchen,
 hutzel hin und her,
 bring mir die große Schachtel her.<<

Brüder Grimm „Kinder - und Hausmärchen“

扉はひとりでに開き、奥のほうに、でっぷりとした大きなヒキガエルがいるのが見えました。そしてその周りには、小さなヒキガエルがたくさん取り囲んでいるのでした。何の用だと太ったヒキガエルが訊ねるので、末っ子のとんまは答えました。
「この世で最も美しくて見事な絨毯が欲しいのだけれど…」。
すると太ったヒキガエルは、小さいのを一匹呼びつけて、大きな箱を持ってくるように言いました。

QULICO|意訳

「緑のちっちゃな娘さん
 しわしわあんよ
 しわしわあんよの犬っころ
 しわしわあっち行って しわしわこっち来て
 大きな箱を持っといで 」

池田香代子訳『完訳クラシック グリム童話』講談社

なんと!お城の地下はヒキガエルの住処になっていたのですね(とんまは知らなかったようですが、王様は知っていて、あえて近くに羽根を落としたとか??)。

話は少しそれますが、グリム童話でカエルといえば、『蛙の王様』でしょうか。

Der Froschkönig oder der eiserne Heinrich
蛙の王様 あるいは鉄のハインリヒ

『独和大辞典 第2版』小学館

この物語。読み上げに使っている本の最初にも載っています。いつか読んでみたいと思いますが、その前にここで取り上げたのは、ドイツ語におけるカエルの単語とヒキガエルの単語を、見比べてみようと思ったからです。さて、どうでしょう。

der Frosch カエル|男性名詞

『独和大辞典 第2版』小学館

die Kröte   ヒキガエル、ガマガエル|女性名詞

『独和大辞典 第2版』小学館

似たところのない、まったく綴りの違う単語ですね。さらにみていくと、Frosch(フロッシュ)は男性名詞で、Kröte(クローテ)は女性名詞です。

生物学においては、どちらもカエル目の両生類であるはずなのに、ドイツ語の文法では、名詞の性が異なるのはなぜなのでしょう。新たな疑問が……。

『三枚の羽根』の物語を読みすすめたら、解けるかも??(いや無理かな・笑)。

*参考*
アプリ版『独和大辞典 第2版』(小学館)
池田香代子訳『完訳クラシック グリム童話』(講談社)

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