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リルラリルハ

専門学校を卒業して11年、いまだに送られてくる卒業・進級制作展のフライヤー。届くたびに思う。私たちの代のフライヤーが一番かっこよかった。

わたしはなかなかやる気のない学生で、やる気がないといえばわたしみたいな雰囲気があったかもしれない。高校生くらいまではいろんなことに一生懸命だったけどプツリと糸が切れたわたしは学校に通学しただけ偉いし、課題を出しただけ偉いし、なんなら日々の課題と卒業制作に追われながらバイトもこなしたんだから偉い。でも大切な就職活動だけは本当にやれなかった。一番大事なことだったね。

そんな娘のために学費を払ってくれた親が一番偉いというか、感謝でしかない。申し訳なさもある。学校に通っている間は学校を辞めたいと思うほど憂鬱だったけど振り返ってみれば行ってよかったと思うから、それだけが当時のわたしを救っていると思う。

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ドローイングだかイラストだかなんの授業の課題か忘れたけど、芸能人でもアーティストでもなんでもいいから拡大コピーしてそこに格子状に線を引いて同じように白い紙にも線を引いて選んだ人の顔をマス目ごとに描き上げて色を塗った。わたしが選んだのは木村カエラ。「リルラリルハ」を思い出す。

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忘れないで 見つめることを
忘れないで 感じることを
今できるでしょう?
今しかないこの時間を
あなた次第で
Real life 流れゆく
Real heart 変わりゆく

こんなに時間が流れてくれたから、明日も明後日も生きていけるのかもしれないね。自分で納得しながらじゃないと向かっていけない。今は迷っていても振り返れば納得出来ていて欲しい。でもきっと今までだってそれなりに大丈夫だった。

よく過去のことに「意味があったかな?」と思うことがある。でもわたしは記憶のなかで何度も何度も思い出して、瑞々しかった時間や今じゃ経験できない日常の些細なキラキラを思い出せるからそのことこそに意味があるのだと思う。忘れすぎない自分でよかった。胸が締め付けられるような虚しさを感じることがあっても、きっと人よりはそれらを大切に出来るから。

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