見出し画像

ぐん税ニュースレター vol.27 page01 -ご挨拶-

 皆さまいかがお過ごしでしょうか?

 もう11月号となり、師走の足跡がだんだん近づいてきます。やり残した仕事を片付けようと仕事のペースを上げているのですが、なかなかスピードが上がりません。私事になりますが、来年の1月29日に59歳の誕生日を迎えることになりますので、もういい加減に仕事に無理がきかない年齢だということを再認識しました。それに追い打ちをかけるように、10月6日の木曜日にゴルフでヘルニアを悪化させて2週間ほど右脚を動かすと痛みが生じる状況になり、自宅で安静にして在宅勤務が続いてしまいました。
 幸いなことにぐんま税理士法人はDXが進んでいますので、在宅でも書類は見られますし、WEB会議や電話、メール、チャットを使うことでほとんど支障なく仕事はできます。しらばっくれて北海道や沖縄、または海外にいたところで自宅で仕事をしていると言えば、誰も気がつかないと思います。DXを進めて本当に良かったと思います。

 さて、右脚が一時的に不自由になって、藤岡のみかぼの郷に入居している母親のことや、介護施設の入居者への思いを巡らすうちに59歳となる自分自身を振り返ってみました。これまで自分はまだ若い、40歳ぐらいの知力体力があると認識していましたが、それが大きな誤りであり、老いは誰にでも平等に訪れるということを痛感しました。また、自分が会社に行かなくても、社員がいつもと変りなくきちんと仕事をしてくれているということから、自分の役割を改めて見直してみました。
 vol.26の10月号において京都橘高校吹奏楽部の方針、顧問も教えない指導法(教えない、指示しない、近付かない、口を出さない)をご紹介しましたが、現代の若者にはこのような指導方法がいいのではないかと思います。自分で考えて動く自律性を育むこと、そのような社員が動かす組織は理想的だと思います。そのためには私が全員の社員に目を配って指導や注意などをするようではトップの指示待ち人間ばかりになって、逆効果です。中小企業が陥りがちなワンマン経営者が社員を引っ張るような組織は環境が流動的な現代では効果的ではないと思います。
 翻って自分自身が年上の役員をどう見ていたかを考えると、新人にとっては59歳の社長や役員なんて雲の上の存在です。話しかけられるだけで緊張しました。また、40歳前後のマネージャーだって偉い人ですので、その人の指示や注意はできるだけ従おうとしたものです。30歳前後の現場リーダーには自分の思っていることや質問が自由にできるといった状況でした。
 同様に、弊社の社員に59歳の社長が何かを言えば天の声と一緒で間違っていても反論はできません。いくら私が気を使ってフランクに話しかけても、20代の社員にとっては天の声です。これではいつまでたってもワンマン体質のままです。京都橘高校の顧問の先生は、あえて部員と距離を置いて、部員の選挙で選ばれた各学年の部長及び副部長2名、この3名を役員として、彼らだけに話をしたそうです。2年生と3年生のそれぞれ3人ずつで6名が100人近い部員を管理するのです。そうすると部長や副部長から各委員やパートリーダーなどに指示が行くようになります。現場に近い委員やパートリーダーが1年生や演奏の未熟な部員に教えるという体質ができるまで10年近くかかったそうです。これを「弱弱指導法」と言います。強い先生や上司が弱い人たちを教えるのではなく、弱い人が弱い人を教える、2年生が1年生を教える方が、何でもできる強い人が1年生を教えるより効果的だということなのです。
 感動的な話ですね。自分のキャリアにおいて基礎は年齢の近い下の階層の人に教わったと記憶しています。ある程度基礎ができると、部長や役員とも、物おじせずに会話ができるようになります。そこまで行くと自分で研修会に参加したり、専門書を読んだりして自分を高めることができるようになります。

 中小企業は従業員が少ないので、年齢差や能力差が大きくなってしまい、なかなか若い未熟練者を教育することができないのですが、若い未熟練者にはベテランが教えるよりも、1年か2年の若い先輩が教える方が教育効果が上がるというのが「弱弱指導法」です。
 これを適用するならば、弊社では私の下は39-41歳の団塊の世代がおり、その下は30代前半から20代という年齢構成なので、私はこの団塊の世代にだけ経営戦略の話をして、その後は彼らの指導に委ねることにしました。心配でいろいろ口出したくなるのですが、私は経営戦略と方針、数値目標を指示するだけで、それをどのような方法で実現するかについては現場の判断に委ねます。今後は、しばらくこのような経営方法でやりたいと思います。もう私も59歳になり還暦間近ですのでだんだんと若い世代に実権を譲っていこうと思います。
 老兵は死なず、ただ消え去るのみ。

ぐんま税理士法人
代表社員 小林浩一

追伸 少し寂しい話となってしまいましたが、実は本人はやる気満々です。しかし、弊社もグループ会社を合わせると100人以上の体制となり会計事務所と介護施設の経営を一生懸命にやっているうちに、心身ともに疲労してヘルニアを発症したというように考えています。今後は現場は現場に任せて自分は経営に専念していきたいと思います。右脚の痛みも引いてまだ痺れが残っていますが、少しずつ運動をして体幹を鍛えて40歳の知力と体力を取り戻すつもりです。目指せ郷ひろみで頑張っていきたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?