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ヘアドネーションと新しい私の話

特にその必要がなかったので、これまでnoteで自分の性別について触れたことがなかったのだけど、私は一応というか、女性である。

わざわざ公表する必要はなかったかもしれない。ただ、今日はタイトルの通りヘアドネーションしたことについて書こうと思ったので、そのついでという感じである。

…私の髪の毛はかなり長かった。だいたい、背中の真ん中より下のあたり。もう少し正確に言うと、鎖骨の下20cmくらい。中学生の頃からずっとセミロング〜ロングを行き来していたものの、ここまで長くなったことはなかった。ただなんとなく気分で伸ばしていたら、こんな長さまで到達した。

そんな私がヘアドネーションをしようと決めたのは、つい最近のこと。

(※ヘアドネーションとは、簡単に言うと病気の子どもたちに寄付された髪の毛で作ったウィッグを無償で提供する活動である。寄付する髪の毛は、31cm以上の長さが必要となる。)

ヘアドネーションという言葉は昔から耳にしていたし、それなりに興味を持ったこともあったのだけど、何故か自分には縁のないものだと思っていた。そもそも、これまで髪をばっさりと切りたい欲が湧いたことが無かった。

だけど、最近気分が変わり髪を切りたくなったのである。それも毛先を少しではなく、大胆に。

とはいえ、この髪もここまで伸ばすのにかなりの時間を掛けてきた。毎日丁寧に洗っては乾かし、手入れすることを長らく繰り返してきたのだから、多少の愛着はあった。

私はしばらく悩んだ。切ったら後悔するかもしれないとも思った。けれど、イメチェンして新しい自分を見つけたい気分もあった。もう十分長い髪を楽しんできたから、そろそろ他のスタイルを楽しみたくもあった。

そして考えた。まったく新しい髪型になれて、尚且つ切った髪がどこかの子どもの役に立つのなら一石二鳥だ。

そんなことを考えているうちに、揺らいでいた私の意思は固まった。

さっそく、ヘアドネーションが可能な美容院を予約した。

…いよいよ髪を切る日。出かける前に鏡の前で長い髪をとかしていると、この髪とおさらばする寂しさも感じたけれど、それよりもわくわく感の方が上回っていた。さあ、どうなるかな。

美容院の席に着いてから、美容師さんとヘアスタイルの相談をした。そして、ビフォーアフター用の写真を撮ってくれた。

※少しぼかし加工しています

こうして客観的に見ると、自分でも長いなと思った。

毛束を作るとこんな感じに。

美容師さんがハサミで髪を切っていく。ジョキ、ジョキと耳元で音がしたかと思うと、はい、と毛束を手渡してくれた。今さっき背中にあった毛が手元にあるのが不思議だった。そして、みるみる頭が軽くなっていくのを実感した。

(ちなみに、これは美容師さんと雑談をしていて知ったことなのだけど、1つのウィッグを作るのに大体30〜50人分の髪の毛がいるそう。5、6人分もあれば1つのウィッグが出来るだろうと考えていた私にとって、その数字は衝撃だった。)

シャンプーとカットが終わると、鏡の前には別人のような自分がいた。似合わないかもと思っていたショートヘアは、美容師さんのカットのおかげで、嘘のように馴染んでいた。仕上がりはこんな感じ。

前から見た姿もそうだけど、後ろ姿も別人みたい。そして、頭が軽いと言ったらない。人生初のショートヘアは、大成功に終わった。

…美容師さん曰く、前は複数人分の髪をまとめて美容院で郵送していたそうだけど、このご時世なので個人で郵送する必要があるそうだ。だから、袋に入った毛束を受け取ってお店を出た。

ショートヘアになったのが嬉しくて、帰り道ショーウィンドウに映る自分をちらっと見ては心を踊らせた。あとは、シャンプーとドライヤーが遥かに楽になるだろうなと思いながら、帰宅した。

ちなみに、今回髪の毛を寄付するのは「ジャパンヘアードネーションアンドチャリティー(JHD&C)」というところ。ドナーシートというものを書いて髪と一緒に送ると、髪の毛が届いた後で受領証というものをくれるらしい。

今日髪を切りにいって、今は手で頭を撫でて髪が短いのを実感しながらnoteを書き進めている。

もしこの記事を読んでくださっている方の中で、長い髪を切ろうか迷っている方がいたら、ヘアドネーションという選択肢もあることをお伝えしたい。

というわけで、人生初のショートヘアとヘアドネーションに挑戦したお話でした。最後まで読んでいただきありがとうございました。

(おわり)

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