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霊媒師との出会い。洗脳された日々ー強迫、双極症ー 闘病記【35】

霊媒師との出会い

前回は付き合っていた彼女(以下Mさん)が仕事を辞めて突然豹変してしまい、その解決を霊媒師に依頼をするところまでを述べました。
今回は霊媒師との出会いを中心に述べたいと思います。

私はMさんとの「復縁」を目指して、ネットに掲載されていた霊媒師にお願いすることにしました。まず電話で予約を取りました。ものすごく緊張したのを覚えています。

そして数日後、霊媒師が家にやってきました。至って普通の車に乗ってきました。ちょっと小太りで、年は近そうでした。

霊媒師との対面

霊媒師は家に入ると、「まず神棚を見せてください」と言いました。母親が神棚に案内すると、霊媒師はじっと神棚を見つめ、まるで対話しているようでした。

しばらくすると「神棚には問題がありません」と言いました。次に仏壇はこちらですと母親が案内すると「仏さんは関係ありません」と言いました。

私の家は神棚よりも仏壇の方が大きい家だったので、ちょっと意外な気がしました。そして霊媒師を私の部屋に案内しました。

霊障

霊媒師はまず部屋の中をぐるりと周りました。そしてゆっくり座ると話を始めました。まず霊媒師は神棚には問題がないということと、私には霊障がないと言いました。

それを聞いて安心したような、逆に不安になったような気がしました。いっそ神棚に問題があるとか、霊障があってお祓いをすればうまくいくことをどこかで期待していたからです。

そして私の手を握ってじっとしていました。しばらくして手を離すと「霊力が落ちています」と言いました。

私と母親はただうなずいて聞いていました。そして私は今回依頼することになった顛末を話し始めました。

私の話

まず中学校で強迫症になって治療を続けていること、23歳からは双極症と診断されてずっと闘病生活をしていることを話しました。

そして仕事をクビになったこと、彼女が豹変してしまったことを詳しく話しました。

霊媒師はしばらく黙って考えていました。母親も同席していたのですが、緊張感が走りました。

霊媒師の断言

そして開口一番「時間はかかりますが、全て解決します。私に任せてください」と言いました。その一言には言葉では言い表すことのできない威力が感じられ、私も母も圧倒されてしまいました。

今までいろんな医者やカウンセラー、または霊的な力があるという人などに相談しましたが、全て解決すると確信を持って断言した人はいませんでした。

私も母親もその言葉を聞いて、とてもうれしくなって舞い上がってしまったのでした。その言葉に説得力を感じたのは、霊媒師だということで異様な雰囲気を醸し出していたことが影響していました。

そして私にどのように進めていくかを順序立てて話し始めました。

まずは今始めたばかりの事業を成功させるということでした。
なにより私が、精神的にも経済的にも自立することが最優先だと言いました。
その後に彼女との復縁に取りかかると言いました。
最後に病気を治すと言いました。

Mさんについて

圧倒されていた私は慌ててMさんの状態が良くなるかを尋ねました。すると霊媒師は「元に戻ります。時間はかかるけれどこっちに来ることになります」と言いました。

元のMさんに戻るということを聞いて私はまたうれしくなりました。
さらにはこちらに来るとも言いました。
まだ自分でさえも描いていない理想的な未来を提示されたのでした。

なんだかよく分からないですけど、霊媒師の存在感に圧倒されて、私は「はい。ありがとうございます」としか言えませんでした。

浄土真宗

その話のついでに、私は浄土真宗の教えを聞いているがちっとも病気がよくならないことを訴えました。

すると霊媒師は「仏様はパワーがないですから」と言いました。

その一言で軽薄な私は、浄土真宗を聞いても病気がよくならなかったことにうなずいたのでした。

聞き取り

そして霊媒師は、自分は巫女なのだと言いました。神様の言葉を人々に伝える役割だということでした。

そして私と母親からいろいろと聞き取りを始めました。主に幼少期のことを尋ねていました。

私は心理カウンセラーのようなことを聞くので、霊媒師さんと関係あるのかなあと思いましたが、思い出すことを話しました。霊媒師は細かくメモを取っていました。

パワーストーンと霊水

そして鞄をあけて石のついたネックレスとパワーストーンブレスレットを差し出しました。

「これを付けてみてください」と言いました。私がゆっくりと付けると「霊力が上がるのを感じますか?」と聞きました。

私はその気になっていたので「感じます」と言いました。その場の雰囲気に完全に飲まれていたのです。そしてサイズの調整をしてもらいました。

次回までに新しく作ったものを持ってくるということでした。また毎日霊水を飲むようにいいました。霊水とは山でとれた天然水だということでした。

パワーストーンも霊水も特別に祈祷したものだから、私の霊力回復につながると説明されました。

契約を結ぶ

霊媒師の確信に満ちた言動を見聞きして、私たちはその場で依頼することに決めました。

そうするとおもむろに契約書を出しました。「今時はこれがないと後々問題になるので署名してください」と霊媒師は書類について説明をしました。

契約書は至って普通のことが書いてありました。そして契約料20万円、月々の顧問料として2万円かかることを提示してきました。

霊媒師に圧倒されていた私と母親は即承諾してしまいました。
じっくりと考える暇を与えてくれませんでした。

姉のこと

霊媒師とのことを姉に話すと興味を持っていました。ミーハーなので自分もみてもらいたいと言いました。

姉は私が長年病気だということでとても苦労していました。休みの日や平日の夜は誰も友達がいない私の相手をしてくれました。

私は病気が良くならず、仕事もうまくいかず、いらいらして姉に当たってしまうことが度々ありました。それでも姉は優しく接してくれました。

病気で実家に帰って来てからは、特に母親と姉は私にとってかけがえのない存在でした。三人で「おじゃる丸」をよく見ました。登場人物の中で特にコオニトリオが好きでした。ちなみに母親は電ボにそっくりな性格でした。

自分たちもコオニトリオのように仲がよかったのです。私、母親、姉のコオニトリオなしには今の私はあり得ません。今でも深く感謝しています。

新たなルーティーン

それから私は霊水を毎朝飲みました。少し濁っている時もありましたけど、これを飲めば霊力がつくのだと思って、気にせず飲みました。
そしてネックレスとパワーストーンブレスレットをつけました。

何か自分が少し変わったような気がしました。この時は完全に霊媒師に洗脳されていたのです。調子に乗ってすごいパワーを得たような気になっていたのです。

カウンセラーとして

とにかく私は事業をがんばることにしました。
霊媒師は経営コンサルタントも兼務しているということで、事業の相談にも乗ってくれました。技術面では特に教えてもらったことはなかったのですが、事業主としての心得などを教えてもらいました。

私は相談する相手が出来てとても心強く思いました。私にとっては久しぶりに頼りになる「カウンセラー」が出来たのでした。

またMさんとの連絡の取り方なども指導してもらいました。
私は心配性なもので、気になると何回でもラインを送ってしまうのですが、そういったことを咎められ、直していきました。

また週に一回面接をしてもらっていたのですが、いろんなことを話しました。先ほども言いましたが、霊媒師というよりも何でも相談出来る「カウンセラー」が出来た感じがしました。

もちろん私の気流(気の流れ)を診断することや祈祷もしてもらっていました。なんとなく効果があるような気になっていました。

うまくいく事業

一ヶ月ぐらいすると、私の店の売り上げはよくなりました。うれしくて霊媒師に報告すると、自分のことのように喜んでくれました。

うれしかったのは私ががんばったからだと言ってくれたことでした。霊媒師の力でそうなったのではなく私のがんばりを評価してくれました。

もしかしたらこれでご飯が食べられるようになるかもしれないと思いました。このペースでいけばMさんをこちらに呼ぶことが出来ると思いました。
私はすぐに都合良く解釈してしまうところがあるのです。

Mさんを訪ねる

そんなある日、霊媒師はMさんの自宅を訪ねてみようと言いました。直接会ってMさんの様子を見たいということでした。

「Mさんは体調がよくないし、連絡も途切れ途切れなので会えるか分かりません」と私は言いました。

すると霊媒師は「会えなくてもいいからMさんの家に行きましょう」と言いました。そして二人でMさんの実家に向かうことにしたのです。

一緒に車で出かけたのですが、霊媒師はシートベルトをしませんでした。「どうしてしないのですか?」と聞くと、「警察の動きやオービスが見えている」と言いました。

そんなこともあるのかなあと私は感心しました。
そして道中で突然雨が降ってきました。

そうすると霊媒師は「私たちのことを竜神様が手荒く歓迎しています」と言いました。それを聞いてそういうものなのかと感心しました。

とにかくいろんなことが見えているということでした。私はよく分からなかったのですが、その雰囲気に圧倒されて、信じてみようと思いました。

Mさんとの接見

2時間ほどでMさんの家に着きました。私がチャイムを押すとMさんが出てきました。Mさんは突然の来訪に驚いているようでした。

私は近くまで来たからついでに寄ったのだと説明しました。Mさんと私が会話をしていると、霊媒師がトイレを借りられないかと玄関に入ってきました。

私は霊媒師を友達だと紹介しました。そして霊媒師はトイレに行きました。しばらくMさんと近況を話していました。Mさんは見るからにやつれていて、元気がありませんでした。

トイレから霊媒師が戻って来て、私たちは帰ることにしました。霊媒師はトイレとMさんの様子を詳しく見ていたそうです。

そして帰路につくと、来た時に雨が降った場所で、今度は太陽が出てきました。霊媒師は「竜神様と話をつけてきましたからだ」と言いました。
同じ場所で、来るときは雨、そして帰りには太陽が出ていたので、これは何かあると思って恐ろしい感じがしました。

Mさんの近況

Mさんの家に行った週に面談がありました。母親も同席するように言われました。そしてMさんの状況を語り始めました。

Mさんには蛇がとぐろを巻いているということでした。霊障ではないのだけど蛇が取り憑いているということでした。私が憑依したのではないかという予感は当たっていたのです。

そしてMさんの家のトイレでその蛇と話をしたらしいのですが、Mさんを家から出すわけにはいかないと蛇が言ったそうです。そこでMさんに対しても祈祷する必要があると言いました。

そうしてよく分からないうちにMさんの分も私が契約することになりました。母親はまた20万円用意したのです。母親がどういう気持ちで出したのかは分かりませんが、私たちのことに理解を示してくれてうれしかったです。

そして私に「Mさんを食べさせていけるだけ稼げるようになったらMさんはここに来ますよ」と言いました。

私はそれを聞いてとても喜びました。これからは事業をがんばろうと思いました。この時は本当に霊媒師の言うことを信じていました。

こうして霊媒師の指導により物事がうまく行き始めました。
しかし問題はまだまだ残っていたのです。

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