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福祉施設で起きるビジネス

こんにちは。

営業企画コンサル&チャネラー 川島庸(かわっちゃん)です。

今回は、しばらく勤めさせていただいている障害者福祉施設で感じて来たことや、してきたことなんかを話したいと思います。


あるご縁で、施設長を約9ヶ月させて頂きました(5月末で退職します)


知的精神系の就労移行及びB型施設で、途中で利用者への方針が見えてきてB型専門に変わりました。


障害者といっても千差万別です。個人それぞれ全部違うので、こうすればいい、というのは無さそうですが、『障害者施設ビジネス』というものに関していうと、こうしたら上手くいく、というのはあるみたいです。


ここでは、福祉施設ビジネスというよりも、福祉施設からビジネスが産まれそう、またはその環境でビジネスが出来るよ、その可能性でビジネスしようよ、という話をします。僕の実体験でお話していきますね!



僕が居る施設は、B型施設といって、就労の訓練をする施設です。企業や社会で働くための訓練をするんです。そのための仕事を企業や誰かから仕事を頂いたり、または自分たちで産み出して、利用者さんに訓練してもらい、賃金を払う。払えた金額に応じて、施設は行政から収入をもらう、みたいな仕組みです。


僕は最初まるでやる気なかったし(笑)、居るだけでいいよと言われていた不思議な契約だったので、そうしていたのですが、そうもいかず、管理者と話した結果、まずは利用者の人数を増やすために、いろいろイベントを盛り上げていくことにしました。


飾り付けをしたりするところからスタート。

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利用者にアート作品を作ってもらって戦意高揚(笑)

新築のフロアでリサイクル作業をしていたので、うーん、と思いながらも、リサイクルする資材をかき集めてアートにしていけることをしていきました。そしてフロアに飾る。利用者さん同士が、あの人すげー、すごーい、みたいな感じになった。(これは年賀状に使いました)

年賀状用



クッキングイベントを始めました。みんなで作る、食べる楽しさを始めます。僕は福祉経験ないし、実はあんまり本気になりたくなかった(笑)


けど、食べ物作って食べるが基本!理屈抜きにみんな絶対いい!と思ったのでやりました。利用者さんがどんどん増えていきます。(ちなみにこんな感じで写真作って壁にまた貼って、来ていない人がうらやましくなることをする(笑)スタッフ含めてね!)

餃子



手巻き寿司。もう利用者はパンパン状態。

手巻き寿司2


クリスマスの飾り付けをみんなでして歌を歌い、盛り上げたり

ブログ写真1220


利用者さんに指導してアート制作をして看板作ったり

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気付くと僕が最初に入ったころに比べて、3か月くらいで利用者さんは2倍以上になっていました。ほぼ、管理者と利用者の人脈から繋がる口コミの力です。面白い世界だな~と思いました。


ここで話は終わりません。


上に書いた通り、新築出来立てほやほや施設で、本当に美しい清潔な施設でして、なのに、なぜリサイクル作業や物流会社みたいな軽作業しているんだろう、とずっと思っていました。でも、本当にね最初全くやる気なかったので、何も口出ししなかったんだけど、やっぱり気になりだして!(中にいるスタッフもなんでこの人何もしないの?と思っていたし(笑))

あるPC作業の契約が未達成になっていてこれだよなーと思っていたので、契約を進めていき、物流軽作業を辞めていく決断を所員とオーナーでしていきました。


仕事内容を変えていき、室内をきれいにしていきました。ありがたいことにスタッフも減ったりしましたが、結果増えていきました。

まだコロナが始まる前だったんですが年度末あたりから、不思議と受注仕事が舞い込み始めました。規模が大きかったり法人と契約が入り始めました。

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もはや安定。そんな感じが見えてきて、退職することにしたんですが僕がここで気付いた点は、こうでした。つまり福祉施設の課題です。逆にこれを解決しているとおそらく、うまくいっているんだと思いますし、さらに言えば、本当の課題も見えていきます。



・施設が利用者と社会への関係性つくりの課題解決の方法になっていない

・家族が身内障害者をどう社会に関係つけていけるか実現アイデアが乏しい

・企業が解決できるアイデアが障害者と施設に届いていないし、逆もそう




これらは誰もがずっと感じていてわからなくて手さぐりでやっている感じがすごくあって、トライ&エラーが跋扈していて、現場主義なのでとても明るくてまじめで素直で楽しいのですが、目的のないトライ&エラーが多そうなのです。実際、全部、個別採算、ちょっと活動に無駄がありすぎる感じで、手を付けることが多そうだし、むしろ、実は施設だけですべてを行うのではなく、多くの手が必要そうなことばかり、というのが実感です。



福祉ビジネスを始める人は、行政との絡みにキャッシュポイントの多くをみつけているので、安定性もあるしうまみがある、と思う人が多そうですが、僕が実感しているのは、

利用して下さる障害者の方々に『私にしか出来ない仕事が出来て嬉しい。生き甲斐が出来た。産まれてきてよかった』と思ってくれたり、言ってくれることが、とんでもなく感動的であるということ。こんなに魂を揺さぶられる経験は他にはそうそうないな、ということ。

だからこそ何ですが、


施設単体では無理!

というか福祉施設だけでこの命の感動を味わっているなんてずるい!(笑)

と思うんです。


鯉のぼり12


先日は、みんなで発散のアートをしました。

本当にここに居ていいんだ!と思える体験をした人がいました。


感動をつくれるビジネスは、僕は障害者と共にある、と実感しています。


これをどう作るか?ではなく

どう作られるか?という自然な感情、存在の在り方の自然さをいかに表現していくか?がビジネスのポイントになると思っています。


福祉施設で起きる事実が社会にとっても関係した方がいいと思っているので、そこからビジネスを立ち上げていきたいと思っています。



施設を先にではなく、僕は環境から福祉施設を作ろう、と思っています。

『働く環境』『役割がもらえる環境』を先にか、同時に作っていく感じです。


そのためにその環境をつくりやすい土地、人が集まりやすいところ。そしてブランディングのしやすさ、とにかく僕も、見える顔ぶれの人たちがみんな楽しいって思えそうなところ(うちの子重要)!!ところが重要!

 

実現可能なアイデアを持っている人達とこれから繋がっていきたいと思っています。


本当に育ててくれている施設と利用者とスタッフの皆さんに感謝!

またこれをもっと大きくして創り上げていきたい!

みんな集まれ!!


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