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オスとメスがあるのは、ウイルス感染予防のため?

今日(2020年5月29日)の日経新聞「大磯小磯」にて進化生物学における「赤の女王仮説」が載っていました。

#COMEMO #NIKKEI

赤の女王仮説とは、進化生物学者リー・ヴァン・ヴェイレン命名で、赤の女王がルイス・キャロルの「鏡の国のアリス」の登場人物、赤の女王のセリフ

「この国じゃあね。同じ場所にとどまっているのにも、力いっぱい走らなきゃダメなのよ。もしもほかの場所へゆきたかったら、すくなくともいまの2倍は早く走らなきゃ(生野幸吉訳)」

のごとく、種は競争環境に適応すべく「進化し続ける」、つまり走り続けることによって繁栄できるという仮説

(実際にはシーラカンスのように種は進化しない方が持続できる場合も多い。自然環境・競争環境は種が変わってしまうほど変化しない場合も多々あるから)

大磯小磯では、我々人類は、刻々と変化するウイルスと戦う医薬品開発こそ「赤の女王としてふるまわなければならない」との主旨(全体主旨は新しい生活様式とはSDGsを実質化した姿であるべきとの提言)。

<有性生殖はウイルスへの感染予防策として進化した結果>

「赤の女王 性と人の進化」によれば、

オスとメスの分化、つまり有性生殖は寄生者と戦うために用意された宿主の武器。有性生殖は、子孫に残す遺伝子を変化させることで、寄生者が適応した遺伝子を継続的に排除していくという機能

生物が寿命を真っ当するためには旱魃・台風・熱波や寒波などの環境的要因よりも、ほかの生物たち(寄生者、捕食者、競争者)との生存競争の方が重要であり、中でも寄生者との競争=感染症との戦いが最も重要。

■無性生殖の場合
無性生殖の場合、親の遺伝子が、クローンとしてそのまま子孫代々継続していく。したがって環境適応に成功した遺伝子がそのまま同じ遺伝子として、どんどん複製されるので効率よく子孫繁栄していく。

一方で、いったん寄生者が宿主に寄生してしまうと、ほかの宿主となる個体もすべて同じ遺伝子を共有しているのであっという間に感染が広がって死滅してしまう。

■有性生殖の場合
有性生殖であれば、一つとして同じ遺伝子を持つ個体はいない(一卵性双生児除く)。

一つの個体=宿主に適応したウイルスも、宿主が死んでしまえばそれで絶滅してしまう。寄生者たるウイルス側からみれば、より汎用的により頻繁に遺伝子を変容させなければ絶滅してしまう。

宿主側からみれば、遺伝子を変容すればするほど多様化すればするほどウイルス感染に強くなる。これが有性生殖を選択した生物(ほとんどの脊椎動物)の目的だというのだ。

そうだとすると、国によって新型コロナの感染率が異なるのも納得がいく。何が原因となっているかはまだ解明されていないが、明らかに多くの日本人は新型コロナに対する抵抗力が高い。

ヨーロッパで感染多く、東アジアや東南アジアで感染少ないのも、人種的な何らかの遺伝的要因があるのかもしれません。

*写真:スリランカ共和国 ヤーラ国立公園 孔雀(オス)

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