赤坂順

この世の中は、個人の価値観と個人の間主観的価値観によって生成されると思っています。これ…

赤坂順

この世の中は、個人の価値観と個人の間主観的価値観によって生成されると思っています。これらを知るために哲学・生物学・地理歴史学など、広く浅く勉強しています。論語「耳順う」という言葉が好きなので「赤坂順」というペンネームにしました。 写真:宮島達男「デジタルカウンター」

マガジン

  • 地理・歴史学

    人の価値観は、外的環境に大きく影響されます。地球全体に関して時間軸・空間軸双方から、どのような環境のもとで我々が今ここにいるのか?解明していきたいと思っています。

  • アフリカの風土

    これからはアフリカの時代と言われています。旧宗主国の西欧が民主主義を標榜していることもあってか、民主主義が最も浸透していない大陸のアフリカは、歴史的利害関係のない日本こそが最も貢献できる地域かもしれません。

  • 政治経済と価値観

    フリードリヒ・ハイエク「古くからの真実を人々の心に留めておきたいなら、世代ごとにその言語と概念で語り直さなければならない」。この精神で近代市民社会の原理をベースに記事を展開しようと思っています。

  • 思想(哲学と宗教)

    価値観の学問そのものといって良い哲学、価値観そのものといってよい宗教を勉強する事で「価値観とは何か?」に迫りたいと思っています。

  • 日本とは何か?

    日本列島における人間の営みについて思想を軸にした書評中心のライティング。

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家族の協力と運にも恵まれ、勤続30年をもって「Financial Independence」状態になったので50代前半で某大手小売業を早期退職しリタイア生活中。 現在「価値観」をテーマに、広く浅くクロスオーバー的に勉強しています。 noteでの記事展開の目的は「自分の勉強の整理のため」と「仮に同じ興味を持っている方がいれば共有してほしい」ということです。 「価値」を扱うのは哲学と宗教。特に哲学はギリシャ哲学や古代インド哲学、中国古代思想を手始めに20年ぐらいかけて、1年

    • なぜアフリカは中国を歓迎するのか?『アフリカを食い荒らす中国』 読了

      <概要> アフリカ大陸における中国進出の実態を実際にアフリカ諸国を取材して紹介したフランス人とスイス人ジャーナリストの共著。ちなみに本書の日本タイトルは本書内容とはだいぶ印象が異なる。本書は善悪の視点がだいぶ排除された、より客観的な内容。 <コメント> 日本語タイトルがひどいので困ったものですが、内容的には至って真っ当な2008年出版のノンフィクションです。 ちなみに中国はひどく「食い荒らしている」わけでは、ありません。「食い荒らす」という視点でいうと、500年前の奴

      • 「アフリカの風土」西アフリカにおける南北問題とは?

        西アフリカの悲劇は、文化圏の違う北の内陸部(イスラーム圏)と南の沿岸部(キリスト教圏)を分断するように、欧州列強の植民地化によって国境が恣意的に区切られてしまったことです。 西アフリカの北部=内陸部はニジェール川流域で、16世紀にヨーロッパがサハラ以南に進出するずっと前の、7世紀後半からイスラーム文化が西アフリカ北部(=サハラ砂漠の南端=サヘル地域)に浸透していました。 一方でヨーロッパが進出した西アフリカ南部=沿岸部は、数百年続く奴隷貿易の舞台となりつつ、19世紀に始ま

        • 「アフリカの風土」なぜアフリカはアジアより発展が遅れているのか?「その3」

          これまで(サハラ砂漠以南の)アフリカはなぜ、アジアよりも発展が遅れているのか」について、 第一の仮説:建国がアジアよりもおおよそ15年ほど遅かったから 第二の仮説:アフリカには、もともと国家的政治体制の伝統がなかった、あったとしても脆弱だったから ということでしたが、最後の仮説=第三の仮説について、以下書籍を参照しつつ、アフリカはなぜアジアより発展が遅れているのか、考えてみました。 著者の武内進一によれば、南アフリカ・ナミビア&小国家除くサハラ以南のアフリカ諸国(以下ア

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        • なぜアフリカは中国を歓迎するのか?『アフリカを食い荒らす中国』 読了

        • 「アフリカの風土」西アフリカにおける南北問題とは?

        • 「アフリカの風土」なぜアフリカはアジアより発展が遅れているのか?「その3」

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        • イスラーム教と中東の価値観
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        記事

          「アフリカの風土」なぜアフリカはアジアより発展が遅れているのか?「その2」

          「仮説その1」では単純にアジアに比して国の歴史が新しいから、ということでしたが「第二の仮説」として考えられるのは、歴史上、特にサハラ以南のアフリカ大陸には、もともと国家的政治体制の伝統がなかった、あったとしても脆弱だったから、ではないかということ。 このために植民地主義から脱却して独立しても、国家的な統治機構の経験が既存の文明としてほとんど持ち合わせていないために、国家的な統治機能がなかなか発揮できない。 つまり「人的資本の最大化」としての適材適所や優秀なエリートによる近

          「アフリカの風土」なぜアフリカはアジアより発展が遅れているのか?「その2」

          「アフリカの風土」なぜアフリカはアジアより発展が遅れているのか?「その1」

          以下『地図で見るアフリカハンドブック』も参考にしつつ、なぜアフリカはアジアよりも発展が遅れてしまったか、考えてみました。 ⒈最も経済が遅れた大陸「アフリカ」まずは、データでアフリカとアジアの経済発展状況を比較。 グローバルノート - 国際統計・国別統計専門サイトによると、年の一人当たりGDPワースト20は、すべてアフリカ諸国(ワースト21位に中央アジアのタジキスタン)。 ワースト50でも、35カ国はアフリカ諸国が占めていて、地域別では圧倒的にその数が多いのがアフリカ。

          「アフリカの風土」なぜアフリカはアジアより発展が遅れているのか?「その1」

          「アフリカの風土」意外に物価が高い西アフリカ:コートジボワール

          世界の中でも、最も経済力が低い大陸がアフリカなので「物価が安いのでは」と思うのですが、決してそうではないところが興味深い。 今回、西アフリカのコートジボワールに旅行して驚いたのは、その「物価の高さ」。 コートジボワールの貧困度は下から数えたほうがはやい貧困国にもかかわらず、アビジャンという最大都市でも、ヤムスクロという地方都市でも、街中のスーパーに行くと意外にも物価が高いのです。 その他ファーストフードや外食なども利用しましたが総じて日本の物価とあまり変わりません。今の

          「アフリカの風土」意外に物価が高い西アフリカ:コートジボワール

          「アフリカの風土」アフリカの宿痾とは?

          社会起業家、平原依文がクーリエ・ジャポン「今月の本棚」で紹介している『国際紛争を読み解く五つの視座「戦争の構造」』の中にアフリカに関する項目があったので、さっそく拝読させていただきました。 やはり、著者の篠田英明のアフリカに対する考察は、私がこれまでアフリカ関連の著作や実際に訪問して感じた印象と同じものでした。 それは「アフリカの宿痾」です。 ⒈サッカー各国代表の伸び悩みが象徴するアフリカの宿痾黒人系サッカー選手は、各国代表の貴重な戦力。 現代においてもフランス代表エ

          「アフリカの風土」アフリカの宿痾とは?

          「アフリカの風土」サッカーとアフリカ『サッカーと独裁者』 読了

          <概要> 原書タイトル「アフリカ連合―サッカーでアフリカを読み解く」との通り、アストン・ヴィラ(イングランド・プレミアリーグ)の熱狂的サポーターにして英国新聞「インディペンデント」の特派記者が、紛争地帯含むアフリカ各地の政治情勢をサッカーをキーワードに紹介した2011年出版の著作。 <コメント> 本日2024年2月12日、見事にホスト国のコートジボワールが、アフリカ・ネーションズ・カップ(AFCON)で優勝。 私は一昨日(2024年2月10日)、コートジボワールから帰国し

          「アフリカの風土」サッカーとアフリカ『サッカーと独裁者』 読了

          「アフリカの風土」を俯瞰する

          以下二つの著作を参考にアフリカ大陸全体の風土を俯瞰してみました。 やはり一つの大陸を概観するのは、あまりにも無謀ではありますが、アフリカとっかかりの1発目としてまず全体像を把握したうえで、個別のエリアについて別途整理していきたいと思います。 『アフリカ学への招待』は1986年出版なので、未だ南アフリカがアパルトヘイトで全世界から非難を受けていた時代。前回紹介した『超加速経済アフリカ』の現代史的には、アフリカが最も苦しかった「アフリカの死」の時代(1980年ー2003年)の

          「アフリカの風土」を俯瞰する

          『学校ってなんだ!』日本の教育はなぜ息苦しいのか 読了

          <概要>「自ら考え行動できる自律型の人間を育てること」が教育の目的だ、と称する工藤勇一に対して、鴻上氏が対談というよりもインタビュー形式っぽく、その教育の真髄を紐解く著作。 <コメント>クーリエ・ジャポン「今月の本棚」で平原依文という方が推薦していて、わたし的には鴻上尚史が絡んだ著作だったので、アフリカ勉強の合間の気休めの一環で読んでみました。 本書を読んでの「素朴な疑問」は、子供の成績がそこそこ良い場合は「名の知れた有名大学に行かせたい」という親子が今でも多いように感じ

          『学校ってなんだ!』日本の教育はなぜ息苦しいのか 読了

          今アフリカはどうなっているのか?『超加速経済アフリカ』椿進著 読了

          <概要> もはや「後進国」ではなく、文字通りの「発展途上国」となったアフリカ諸国の経済が、これまでの西欧や中国などとは異なった特徴ある経済成長を加速させている、とのアフリカ向け投資&コンサルタント会社の経営者の著作。 サッカーの世界では、今月から始まるカタールでのアジアカップがアジアの頂点を決める大会である一方、アフリカでは、コートジボワール(コートダジュールではない)にてアフリカの頂点を決める大会「アフリカネーションズカップ」が開催されます。 縁あって、私もアフリカネー

          今アフリカはどうなっているのか?『超加速経済アフリカ』椿進著 読了

          2024年、私の政治スタンスは「自由」

          以下長いので「目次」で興味のある箇所だけみていただけれ幸いです。 私の政治信条は「自由」です。5年前に私の政治スタンスについて書き綴って以降「一に健康、二に自由」という政治スタンスは変わりませんが、よくよく考えてみれば、「健康」も「身体的自由」のことなので、自由に包含される概念だということに最近気づきました。 したがって私の政治信条は、 あらゆる自由を拡大すること 「民主主義」ももちろん「自由」に含まれますが、広い意味での自由には、民主主義という「政治的自由」のほか、

          2024年、私の政治スタンスは「自由」

          「徳島の風土」日本一低い自殺率の町『生き心地の良い町』岡檀著

          <概要> ある意味日本一自殺率の低い町「徳島県旧海部町」と他の地域を調査・比較しつつ、自殺予防に効果のある因子を抽出して、自殺予防対策への一つの回答を生み出した著作。 <コメント> 以前、統計学YouTuberのサトマイの以下動画で彼女が紹介して面白そうだったので、早速購入・読了したのですが、これは自殺防止にも当然役に立ちますし、人間の本質的な特性を垣間見ることのできる必読の著作です。 ⒈徳島県旧海部町とは?実は今は海部町はありません。旧海部町(以降「海部町」)は、県南端

          「徳島の風土」日本一低い自殺率の町『生き心地の良い町』岡檀著

          知的アンカラガイド『トルコ100年の歴史を歩く』読了

          <概要> トルコの首都アンカラ在住の著者が2023年トルコ共和国建国100周年にあたって、アンカラをテーマにトルコの歴史・地理・文化・政治経済を網羅的に扱った新書。 <コメント> 昨年2023年はトルコ共和国建国100年ということで、イスタンブールによりがちなトルコではなく、トルコ共和国の首都アンカラを主役にした現代トルコの生き様を本書で味わうことができます。 ただし「読み物そのもの」としては、ちょっとダルな印象。 地区ごとに大使館があるとかないとか、本屋があるとかない

          知的アンカラガイド『トルコ100年の歴史を歩く』読了

          「京都の風土」なぜ金閣は燃えたのか?『金閣炎上』

          <概要>金閣寺を放火した犯人の修行僧、林養賢が、犯罪を犯すに至るその背景を出生から親子関係から、師弟関係まで精密な取材をもとに描いた小説的なスタイルをとったノンフィクション。 <コメント>梅原猛著『京都発見』で、金閣寺の放火に関しては、三島由紀夫の『金閣寺』よりも水上勉の『金閣炎上』を読むべし、と書いてあったので、遅ればせながらエジプトからの帰国後に読了。 本書は、金閣炎上に至るその要因もとても興味深いのですが、むしろ、昭和初期から戦後にかけての京都の寺院や丹波地方の社

          「京都の風土」なぜ金閣は燃えたのか?『金閣炎上』