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政治経済と価値観

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フリードリヒ・ハイエク「古くからの真実を人々の心に留めておきたいなら、世代ごとにその言語と概念で語り直さなければならない」。この精神で近代市民社会の原理をベースに記事を展開しよう…
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2024年、私の政治スタンスは「自由」

以下長いので「目次」で興味のある箇所だけみていただけれ幸いです。 私の政治信条は「自由」です。5年前に私の政治スタンスについて書き綴って以降「一に健康、二に自由」という政治スタンスは変わりませんが、よくよく考えてみれば、「健康」も「身体的自由」のことなので、自由に包含される概念だということに最近気づきました。 したがって私の政治信条は、 あらゆる自由を拡大すること 「民主主義」ももちろん「自由」に含まれますが、広い意味での自由には、民主主義という「政治的自由」のほか、

『日本人にどうしても伝えたい 教養としての国際政治』豊島晋作著 読了

<概要> 感情にできるだけ流されず、国際政治の現実を客観的に事実把握したうえで、日本独自のあるべきナラティブ(物語)を世界発信して日本の安全保障含めた外交力を強化すべきと提言したテレビ東京キャスターの著作。 <コメント> YouTubeでも人気のテレビキャスター、豊島晋作の最新作。そのYouTubeでの国際政治の解説を、そのまま文章にしてまとめた内容で国際政治を整理しつつ、豊島自身が日本が国際政治においてなすべきこと、を提言。 結論的には、日本はもっとインテリジェンスを強

コロナショック以来の調整局面到来か?

米国雇用の予想外の悪化を契機にした今の全面安は、なんとかショックがコロナ以来到来したという感じです。なんとかショックは、株などのリスク資産のバーゲンセールなので、絶好の買い時なんですが、底値がどこになるのかが、いつも悩みどころです。 以下過去のなんとかショックの時の米国株・日本株の下落率をみてみましょう。現時点2024年8月5日時点の日経平均の下落率はー12%ぐらいなので、まだまだコロナショックのー15.7%には届いていません。 最悪の2007年世界金融危機の時は、日本株

『昭和23年 冬の暗号』猪瀬直樹著 読了

<概要>5月3日憲法記念日=東京裁判開廷日、4月29日昭和天皇誕生日=東京裁判起訴日、12月23日平成天皇誕生日=東條英機処刑日など、日本人に敗戦の記憶を呼び起こす日を刻印した、というアメリカ日本戦後処理のプロセスを克明に記録した著作。 <コメント>一応小説仕立てにしてありますが、ほぼノンフィクションといってもいいと思います。著者の『昭和16年夏の敗戦』が太平洋戦争に至るプロセスを描いたとすれば、 本書『昭和23年 冬の暗号』は、太平洋戦争を終結→処理に至るプロセスを描

憲法記念日に「平和」を考える

平和憲法として、私たち日本人が認識している日本国憲法。その憲法記念日が本日5月3日。 さて、たとえば子供たちに「平和が大事だよね。どうしたら平和が生まれるの?」 と問われて私たち大人は、どのように答えたらいいのだろう。 52歳に早期退職後5年間、歴史学はじめ、さまざまな書籍を読んで勉強してきた私なりの現時点の仮説は、 「強大な政治権力が支配すれば、世の中は平和になる」 ということ。さらに加えれば「強大な政治権力への対抗勢力がいないこと」です。もうちょっと子供目線で言

『ありえない仕事術:正しい”正義”の使い方』 読了

<概要>「仕事術」と称して、仕事の本質とは何か?ではなく生きることの本質とは何か?問わざるをえない、ある意味、読者が騙される著作。 <コメント>「仕事術」と冠した著作を、「仕事」を引退した自分が読む理由も全然ないのですが、そして著者の制作したテレビ番組は見たことないのですが「著者の番組を是非みてみたい」と思わせるような読後感でした。 本書は日経ビジネス及び、 YouTubeのPIVOTなどで取り上げられていて、その独特の風貌と独特の価値観に興味を持って読んでみたのです。

日本と途上国の貧困の違いとは?『世界「比較貧困学」入門』

<概要>日本含む世界中のフィールドワークに基づき、日本の「相対貧困」と発展途上国の「絶対貧困」の違いを比較することで「貧困」とは何か?を深く考察した2014年出版の新書。 <コメント>コートジボワール含む西アフリカの世界でも類を見ない不思議な通貨「セーファーフラン」の勉強で原寛太のYouTubeの視聴をきっかけに彼の番組の視聴者となりましたが、 特に日本の貧困問題について以下動画を視聴し、動画の中の「日本の貧困は孤独である」という視点が非常に興味深く、原貫太が動画中で紹介

「アフリカの風土」なぜアフリカはアジアより発展が遅れているのか?「その3」

これまで(サハラ砂漠以南の)アフリカはなぜ、アジアよりも発展が遅れているのか」について、 第一の仮説:建国がアジアよりもおおよそ15年ほど遅かったから 第二の仮説:アフリカには、もともと国家的政治体制の伝統がなかった、あったとしても脆弱だったから ということでしたが、最後の仮説=第三の仮説について、以下書籍を参照しつつ、アフリカはなぜアジアより発展が遅れているのか、考えてみました。 著者の武内進一によれば、南アフリカ・ナミビア&小国家除くサハラ以南のアフリカ諸国(以下ア

「アフリカの風土」なぜアフリカはアジアより発展が遅れているのか?「その2」

「仮説その1」では単純にアジアに比して国の歴史が新しいから、ということでしたが「第二の仮説」として考えられるのは、歴史上、特にサハラ以南のアフリカ大陸には、もともと国家的政治体制の伝統がなかった、あったとしても脆弱だったから、ではないかということ。 このために植民地主義から脱却して独立しても、国家的な統治機構の経験が既存の文明としてほとんど持ち合わせていないために、国家的な統治機能がなかなか発揮できない。 つまり「人的資本の最大化」としての適材適所や優秀なエリートによる近

「アフリカの風土」アフリカの宿痾とは?

社会起業家、平原依文がクーリエ・ジャポン「今月の本棚」で紹介している『国際紛争を読み解く五つの視座「戦争の構造」』の中にアフリカに関する項目があったので、さっそく拝読させていただきました。 やはり、著者の篠田英明のアフリカに対する考察は、私がこれまでアフリカ関連の著作や実際に訪問して感じた印象と同じものでした。 それは「アフリカの宿痾」です。 ⒈サッカー各国代表の伸び悩みが象徴するアフリカの宿痾黒人系サッカー選手は、各国代表の貴重な戦力。 現代においてもフランス代表エ

今アフリカはどうなっているのか?『超加速経済アフリカ』椿進著 読了

<概要> もはや「後進国」ではなく、文字通りの「発展途上国」となったアフリカ諸国の経済が、これまでの西欧や中国などとは異なった特徴ある経済成長を加速させている、とのアフリカ向け投資&コンサルタント会社の経営者の著作。 サッカーの世界では、今月から始まるカタールでのアジアカップがアジアの頂点を決める大会である一方、アフリカでは、コートジボワール(コートダジュールではない)にてアフリカの頂点を決める大会「アフリカネーションズカップ」が開催されます。 縁あって、私もアフリカネー

大量消費しなくても経済成長できる時代の到来『モア・フロム・レス』 読了

<概要>「経済成長すればするほど資源も消費する」というこれまでの資本主義は終焉し、これからの資本主義の時代は「経済成長が必ずしも資源消費に直結しない」という「第二の啓蒙主義=脱物質化の時代」ともいうべき新しい時代になったと主張する著作。 <コメント>説得力の高い主張が多い作家の橘玲が紹介していたので、さっそく拝読。なるほどの視点で大変興味深く読ませていただきました。 そして、思想家の「内田樹」やベストセラーとなった『新資本論』著者のマルクス主義者「斎藤幸平」の説を根本から

「預金はインフレに弱い」と思い込むのは早計

世界がインフレ時代に突入し、日本もやっとインフレ時代がやってきました。 なので預金していたらどんどんお金が目減りするので「株などのリスク資産に投資しましょう」と言われるのですが、実はそうでもないのです。 ⒈インフレ率よりも金利率の方が高い、という事実2014年の記事でずいぶん古い記事なのですが、記事から想定できる結論は、 ということ。 30年振りにインフレ時代を迎えようとする現在、なかなか興味深い記事でなんと、定期預金の利回りは物価上昇率を1.7倍も上回っているという

『昭和16年夏の敗戦』猪瀬直樹著 読了

<概要>第二次世界大戦時において、日本がアメリカとの戦争を決断するに至るプロセスを、「総力戦研究所」という若手精鋭グループによる日米戦争シミュレーションのプロセスと並走させながら、その実態を暴いた著作。 <コメント>田原総一郎など、複数の著名人が 「日本はなぜ太平洋戦争を始めたのか、その実態を知りたいなら本書を読みなさい」 とのことで、私も初版単行本が40年前(1983年)に出版された本書を読んでみました。読後の感想は「すでに知っていることをなぞるようで、新鮮味はない