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【詩】空が綺麗と


画面の中で行われて居る事はいつも何処か関係のない世界みたいだった。映し出されるメッセージを読み解けばいいだけなら簡単ではある。感じ取った事を元に動き出すのは、そこから飛び立つ意味を持つ事であり決して容易では無い。そう易々と人生というものはかけるものではなく、流れるままに柔軟に対応出来る立ち位置を常に持っておかないといけない。そうしなければ、直ぐに足元をすくわれてこの身諸共地獄に真っ逆さまである。何気なく日常を過ごしているけれど、その中でも選択を迫られ続けている。正解があるならばそちらを選びたいが、そんなものはない為危険とはいつも隣合わせでもある。少ない知識や条件の中で自由に生きて行くのは、悪い事をしてないのに肩身の狭い思いになる。
解像度の低い拙い文章をダラダラと書いていてもつまらない。内容は無いし、誰でも書ける。
今日の空の話でもしたい。
言葉数も少なくただ綺麗だと言いたい。
余計な思いも全て何処かへ置いて来て、今ある意識をこの大空に投じたい。
何も無かったかの様に、君が現れてそこへ誘って欲しい。
そんな景色を何時迄も夢見ていたいと思っているんだ。

培われたものは何だったのかわからなくなってしまう程に自分の周囲は混沌としている。正直に頷いているだけでは正しいとは限らない世界で、何時迄も変わらない毎日に少しだけでも賞賛が欲しい。いや、要らないかそんなもの。何も掴めていないのに。確固たる理由もなく、成る程に起こり得る私欲の街並みに日が暮れて。何もわからないままが良かったのか、知った事に後悔しても良いのだろうか。不思議と駆け抜けているけど、立ち止まったらどうなるのか。呼吸を一秒だけ止めてみて、静かな空気をその後吸った。それだけでは、何も変わらない事も知っているのに。でも、今更だけど変わる事がそんなに大切では無いのではと思い始めた。古来から伝わって来たものに深い敬意と美徳を感じる昨今。沸々と沸る様な目紛しい進化の過程に居る事がそう思わせた。この血を絶やす事なく今日まで受け継いだ事は決して容易ではない。遥か遠くまで受け継いだ意志がここまで辿り着いたのだ。この先に何かあるならば曖昧な事ではなくはっきりと霞のない眼で見たい。確証している未来に希望が満ちるだけで楽しいけど、現実はどうなるかわからない。しかし、失われて来た情景や負けてしまった志しもそんな景色に救われるべきなのだ。
でもやっぱり純粋な気持ちで見えた事を言い合いたい。恥ずかし気もなくはっきりと。
帰り際に曇り混じりのビルの間から見える空が綺麗だったと。

今日も日が暮れて一日が終わりへと向かう。いつもの様にコンビニで夕食の弁当を買い、家で食べる。テレビを付けながら、携帯で動画を見て。一人虚しくなって来るのを、胸のギリギリの所で抑える。もう、食べ終えるレンジで温めた唐揚げ弁当を無理やりかき込む。緩くなった缶ビールも最後まで飲み干す。その数分後にふと思う事。
俺、何してるんだっけ。何してこうなったんだっけ。いつもの発作の様に起きる後悔に似た味の感覚。悪い事ではないかと思ってしまう。でも、悪くないだろうこんな生活も。そんな事より、早く寝て明日の仕事に備えなくてはならない。軽くシャワーを浴びて、床に就く。横になっても、つい携帯を触ってしまう。そんな時に限って、またああでもないこうでもないと言葉が溢れて来る。メモを認めてまた文章にしようかと思いながら。翌日見ると何を書いているのかわからない様な言葉の羅列に自分で大丈夫かと心配になる。色々モヤモヤしながら会社に行く支度を進める。日々が忙しく過ぎて行く準備を済ませ、玄関の扉を開けて見る空は今日もとても綺麗だった。









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