見出し画像

【ライブコマース】中国で流行のワケ

ライブコマース
あまり聞き馴染みのない人もいるかも知れません。
日本ではあまり浸透しておらず、利用したことのない人も多いのでは無いでしょうか。もしかしたら、初耳、なんて人も…。

この記事では、中国で34兆円(※)もの市場規模を持つ「ライブコマース」について、どういった特徴があるのかを簡単に解説させて頂きます。
※アリ研究院「1兆元市場に向かうライブコマース」レポートより 2021年予測値

ライブコマースとは

そもそも、ライブコマースとは何でしょうか。

「ライブコマース」(英語;Live Commerce、Livestream shopping )とは、ライブ配信で商品を紹介する配信者と視聴者で双方向に連絡を取り合い商品を確認して販売する手法である。(出典:Wikipedia)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%96%E3%82%B3%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B9

とあります。
「ライブ配信をして物を売るのかな…?」と、思った方も多いと思います。この説明だけではなんとなくしかわかりません。
歴史は浅く、2016年頃にAmazonやウォルマートが着手したのが始まりで、日本ではまだまだ浸透していない言葉と言えます。

ネット版通販番組

ライブコマースを(詳細な部分を省いて)最も簡潔に言うならば、「ジャパネットたかた」のような通販番組のネット版です。
日本人なら一度は見たことのあるであろう通販番組ですが、それをネット上で行っているイメージです。
インターネット上で物やサービスを販売することをEC(electronic commerce/例:楽天市場、Yahoo!ショッピング等)といいますが、ほとんどの場合、ECサービスを擁するサイトやアプリ内でライブ配信は行わます。
プラットフォームは様々ありますが、「Taobao live(タオバオ)」「快手(クアイショウ)」「抖音(Tiktok)」等が大きな勢力を持っています。
その他にも、中国の大手ECサイトは次々と独自のライブ配信プラットフォームを整備しています。

弊社では、中国へ出店・出品するサポートをさせて頂いております。
様々なプラットフォームに対応しております。対応可能ECサイト等の資料請求は、HPのお問合せフォームより受け付けております。

「ネット上で」と書きましたが、そのほとんどがスマートフォン参加出来る仕組みです。ジャンルやメーカーに寄って分けられた数あるライブ配信から、見たい配信を探し視聴する。前述したプラットフォームのスマホアプリからこの一連を行うことができます。
ライブ配信を視聴し、商品紹介を見る。そして、欲しい商品があれば購入ページへ遷移し、購入する。
これはまさに、通販番組をネット(スマホ)で見ている状態ですね。

しかし、これだけでは通販番組をスマホで視聴でき、電話での注文がスマホの画面で出来るようになった、ただそれだけです。
ライブコマースの最大の特徴は、「コメント」と「ライバー」です。

コメントの存在

ライブコマースの特徴として、「配信者と視聴者で双方向に連絡が取り合える」というものがあります。
「双方向」とはどういう事かというと、「疑問点をリアルタイムに質問でき、すぐに反応して貰える」ということです。

例えば、紹介する商品がアパレルであれば「裏地がどうなっているか見せて欲しい」、コスメであれば「匂いはどう?」…等、視聴者が疑問に思ったこと、もっと詳しく教えて欲しい事をコメントとして書き込む事が出来ます。
それらの質問や意見に応える形で、配信者はライブ配信を進めていきます。

日本で言う「テレビ通販番組」では、番組側が一方的に商品を紹介し、その番組内で紹介された情報だけを元に商品を購入します。
ライブコマースは疑問点をリアルタイムに解消出来る事から、より安心して商品を購入出来るという利点があります。

ライバーの存在

ライブコマースでは、上記に出てきた「配信者」の事を「ライバー」と呼び、このライバーが売上に大きく影響します。

ライバーは配信で商品を紹介する役目ですが、ただ紹介するだけではありません。家電であれば実際に操作して見せ、グルメであれば実際に食べて食レポを、コスメであれば化粧を実演して見せたりと、商品の魅力を最大限に引き出し宣伝します。
アパレルやコスメであれば、スタイルの良さや、顔立ちの美しいライバーが人気になるのは明白ですし、マタニティ商品やベビー用品であれば、出産や育児を経験した事のある女性ライバーがより商品の良さを伝える事が出来るでしょう。

このように、誰をライバーとして起用するかが、ライブコマースにとっては非常に重要になってきます。

KOLについて

世間に影響力を持つ人物の事を、日本でも「インフルエンサー」と呼びますが、皆さんはKOL(Key Opinion Leader)という言葉を聞いたことはありますか?
もともとは医療業界で使われていた言葉で、新薬等の普及に影響力のある専門家を指す言葉でした。しかし、SNSの世界的普及に伴い、特に中国では「消費者の購買意思決定に大きな影響を与えるインフルエンサー」を指します。

インフルエンサーとKOLの明確な違いは、「専門性」です。
一般的なインフルエンサーと比較した際、深い知識や高い技術による高い訴求力と信頼性を持っていることがKOLの大きな特徴と言えます。
先のライバーの話を例に取ると、同じように美しいライバーでも、メイクアップアーティストのような専門的な知識を持った人物が「この商品は良い!」と伝えた方が、より一層信憑性が増し、買いたくなりますよね。

KOLの影響力は日本では考えられない程、絶大です。
タオバオライブで最も影響力のあるライバーの一人に、薇娅(viya)という女性がいます。彼女は2020年のライブコマース販売額ランキングで一位になり、その額は実に386億元(5983億円 / 2020年当時1元15.5円で計算)と、途方も無い金額です。
また、ライブコマース業界では「口紅王子」として知られる李佳琦さんは、5分間で1万5000本の口紅を販売するという記録を持っています。
どちらも、耳を疑ってしまいたくなるような記録です。

このようにライブコマースでは、ライバーにどのKOLを起用するのかが、とても重要になってきます。

弊社では、上記のECサイト出店・出品と同時に、KOLを起用したライブコマースについてのサポートも承っております。
こちらも、弊社HPの問い合わせフォームより、ご質問や資料請求を受け付けております。

中国でのライブコマース

どうしてKOLがここまで絶大な影響力を持っているのか。それは、中国人が「何を信用するのか」という、国民性に理由がありそうです。

中国には、「金盾/グレートファイアウォール」と呼ばれるシステムが存在します。これは、中国国内のインターネット利用者に対して、中国政府、特に中国共産党や政治家に不都合な情報にアクセスできないようにブロッキングとフィルタリングを行う大規模情報検閲システムです。
これにより、中国国内のインターネットは決して「自由に利用できる」とは言い難い状況です。

また、中国には「圏子(チェンズ)」という文化があります。
「圏子」は、同じ地域やライフスタイル、趣味などを持った人々から構成されるコミュニティを指します。
「圏子」ではお互い助け合いながら共存することが大切で、中国では古来より、政府発信の情報よりも「圏子」内の情報が信頼される傾向にあり、SNSの発展した現代ではネット上で形成され、信頼関係が生まれました。

上記のような中国のインターネット環境や、文化によって、政府や企業の広告よりも、「信頼できる人」の情報を信じる傾向があると言えます。

日本でのライブコマース

日本ではあまり浸透していないライブコマースですが、サービスがないわけではありません。
メルカリの「メルカリチャンネル」、楽天市場の「Rakuten LIVE」、ライブコマースに着手した企業はありますが、どちらも奮わずサービスは終了※しています。今年9月に「ジャパネットたかた」がサービスを開始しましたが、中国の市場規模には遠く及びません。

また、広告能力のあるインフルエンサーは存在しますが、中国に存在するような直接的な購買意欲を刺激する、絶大な影響力を持ったKOLも多くなく、ライブコマースの土壌そのものが完成していない印象です。

日本人の多くは、「個人」よりも「企業」に信頼を置く人が多い傾向にあるのかも知れません。
先述の楽天市場は、「Rakuten LIVE」を「楽天ライブショッピング」と名前を変え、新たな形でライブコマースを展開しています。「ジャパネットたかた」を含め、今後、日本のライブコマースがどのように成長していくかにも注視していきたいです。


中国に販路を

今回は、近年急成長を続ける「ライブコマース」についてまとめました。
「ネット版通販番組」と言えば簡潔ですが、その規模は説明した通り巨大で、中国人の国民性との親和性が高く、今後も発展していく事が予想されます。

弊社では、日本の商品を中国へ売りたいという皆様のお手伝いをさせて頂きます。越境ECに出品することはもちろん、KOLを起用したライブコマースについても手配することが可能です。

些細な質問でも構いません。
少しでも興味のある方は、ぜひご連絡をお待ちしております!

ライター:
株式会社 GTL KYUSHU
営業部 広報担当 河野



※「メルカリチャンネル」提供終了について

※「Rakuten LIVE」サービス終了のお知らせ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?