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自己分析はやっておいた方がいい

 就職面接のアドバイスで、自己分析を勧められる。これは、実際に社会人になった後でも、毎年の業績評価の際に自分自身のパフォーマンスを振り返る機会がある。

ただ、社会人の時の自己評価は、高く評価すれば「盛り過ぎ」と指摘され、謙虚に評価しても「もっとできているよ」とは言われず、一段階下げた成績がついてくるだけだ。そのため、誰も自己評価を真剣に取り組んではない。

 私は、結果的に転職が多くなってしまったのだが、5回を過ぎたあたりから、自分の自己評価を、自分の感覚で行うのではなく、ギャロップ社の「ストレングスファインダー」のような有料のサービスで、自分自身の行動パターンを科学的に知りたいと考えるようになった。

 ギャラップ社のサービスは、法人のエンゲージメント調査で使われているが、「ストレングスファインダー」も企業でやってあげて欲しいと願う。個人で受けたが1万円程かかる。しかし、その価値はある。

 自分の行動パターン(才能)の程度を次々に選んでいくため、自分で思う納得のいく結果は出てくる。そこまでは、いつもの自己評価と同じ。

そこから先、結果に出てきた強みを持つ人は、「どういう職種があっているのか」「どういう組織の環境が最もモチベーションを上げてくれるのか」も教えてくれる。これが、転職や就職には必要だと感じている。

 行動パターンの所に括弧書きで「才能」と記したが、パターン化しているものは、その人が意識していなくても取る行動であり、発揮できることなので、ある意味才能であると考えている。この才能にあった仕事をしていれば、嫌になることは少ないのだ。

 また、スタートアップのような職場が向いているのか、大企業のように安定しているところ向きなのかという傾向も出てくる。

もちろん、全ての人が、カテゴリーに綺麗に嵌まることはない。私の場合だと、才能としては、「安定したサイズの企業で、人を助ける仕事に向いている」と書かれてあるものの、一方で「創造性に富んでいるため、何もないところを切り開いていく能力が飛びぬけている」「いつも同じような仕事をしていると、本領を発揮できなくなる」ということが書かれてあったりする。

 後者は、スタートアップのような環境とも取れる。恐らく、折衷したものが嵌まるのだと思う。「安定したサイズ感の企業で、新規事業を開発し、前例のないことに取り組み、社内で誰もが足を踏み入れたことのない領域や地域に踏み込んで成果を出す」というのが私の才能になるのだと思う。

 また、長いこと営業をしてきているわけだが、営業を好きだと思ったことがない。正確に言うと、「お客さんを支援するために提案や販売をすることは性に合っているが、世の名に存在する『押し売り』としての営業が好きではない。」

 押し売りを部下に強要する企業ほど、「お客様目線で考えよ」という矛盾したポリシーを持っていたりする。9割近い企業は、自分達目線でモノづくりをして、それが顧客が気に入るはずだと思い込み、売らされているというのが現実だろう。

どれだけ、面接の準備をしたところで、入社してから現実に直面した時に、大きな幻滅からモチベーションを無くし転職するが、次の会社でも同じことが起きるというサイクルを経験している人は多いのではないだろうか。

 幸か不幸か、自分が最初に就職した時の職種が自分の将来の行動を決めることになる。

新卒採用という枠で採用されるのなら、まだどういう職種になるのかは分からないが、私のように最初から職種を選んで就職した場合、この職種で同じ業種に縛られることにもなる。

 業種が異なることは、企業側も最近は気にしなくなったが、営業で長い人が、実は人事が性に合っていると思っていたとしても、人事としての転職は難しい。

給与が新卒と同じくらいまで下がることが前提なら話は別だと思うが。誰も理解などしてくれないし、そのリスクを負ってくれる企業はいないだろう。

 だから、自己分析はお金をかけてでもプロのサービスを使うことをお勧めする。性格分析などのサービスは、通常どの企業も人事のサービスとして、人事宛に営業に行くことが多いかもしれないが、人事の予算は、企業の中でも優先順位が低いところが多い。そういう企業は、人への投資を軽んじていることも多いため、導入されるのもごく一部だ。

 営業部や企画部など、各部署が自分たちのチームのモチベーションを高めるために必要な情報となるサービスなので、部署ごとに営業すればとも思うが、例えば営業に割り当てられている予算の使い道は、売上に直結するものとされていることも多く、営業をしにくい。

 だとすれば、大学4年生に向けて提供できないか? 学生が1万払わない可能性は高い。だから、4年時の学費に含めてしまえばいい。生徒がそのアセスメントを受けようが受けまいが、受けなければ、自分で既に払っているサービスを棄権しただけの話であるし、受ければ仕事を選ぶ上で有益な情報となる。

 なぜ大学の時に受けるべきなのかというと、性格診断は、就職面接の書類選考と同じタイミングで受けておいた方が企業にとっては都合がいいはず。履歴書を見たところで、その人の為人は分からないし、中途採用と異なり、職務経歴がない。その学生の行動パターンが全てである。

 しかし、企業は、採用面接で、性格診断のアセスメントを導入していることが少ない。お金がかかるからだろう。それなら、大学卒業時に、性格診断の結果を持っている人が、応募の際の参考資料で添付してくれたら、こんなに企業にとって分かりやすいことはないだろう。

 今日本で働いている人であれば同じことを思うかもしれないが、日本の意識を変えるのは、世界的に見ても難易度はトップクラスだと思う。

ここまで買われない国民もなかなかいない。一体、皆の身に何が起こったのだろうと、私のように同じ国民ですら思ってしまう。

自分が変わるしかないのだ。その意味で、自己分析は、非常に重要で推奨する。

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