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決算期、いつが良い?
法人の決算についてお話していきます。
さて、法人の決算期で一番多い月は何月かご存知でしょうか?
答えは3月です。
国税庁が発表している
「第144回国税庁統計年報平成30年度版」を確認した所
3月が2割近くを占め、そのあとは9月と12月が1割となっています。
「あれ?3月は全体でみると少ない?」
と感じた方もいらっしゃるかとは思います。
今度は資本金1億円以上の会社で確認してみると
3月決算は5割りを占めています。
何故3月の決算が多いのか??
★公的機関の会計年度(会計上の1年)と同じのため
国、地方自治体の会計年度は4月から翌年3月までと決まっています。
★税制改正の時期に合わせるため
税制の改正は4月1日から適用されることが多いです。
★教育機関の年度に合わせるため
教育機関と合わせることにより新卒採用者の人事評価を
業績に基づいて行いやすくなります。
この理由を踏まえて3月決算をお考えの方に質問です!
本当に3月決算にはメリットがありますか?
お話した3点のメリットを活かせる企業…
例えば、法律等で取り決めのある法人、大企業となると
3月決算により得られるメリットは多いと思います。
「 大企業の話をされても…私の会社は中小企業ですよ 」
と思う社長さまが大半だと思います。
なぜなら日本の企業数の全体的な割合の0.3%が大企業であり、
大半の99.7%を占めているのは中小企業なのです!
結論から申し上げると、
中小企業の場合は3月決算にこだわる必要は無いと考えています。
むしろ、3月以外の決算期の方がお得な場合が多いです。
実は3月決算にも隠れたデメリットがあるので少しご紹介いたしますね。
税理士事務所では確定申告の作業が3月中頃まで続き、
その後の5月末まで一斉に3月決算の作業へ取りかかります。
本来ならば決算についてご相談したい時期に
税理士先生が捕まらない事も多いです…
また、この時期は繁忙期のため他の決算月と比較しても
料金が割高になる事も多い…
以前勤めていた事務所でも顧問料金や決算料金が割高なのに
先生となかなか日程が合わずに困っていた顧問先がありました…
お話させて頂いた様に、
会社の運用において3月決算のメリットもございます!
GROW税理士事務所では「3月決算の会社が多いから」と
なんとなく決算期を決めて後で後悔して欲しくない、
きちんとメリット、デメリットを
把握した上で決めて欲しい。そう考えております。
『じゃあ、何月を決算期にすれば良いの?』
『何も考えずに3月決算に決めてしまった…どうしよう?』
次回は少し別の視点で考えてみましょう。
決算期の変更は可能??
3月決算の会社が周りに多いのでなんとなく3月決算を選んでしまった…
そんな社長様も多くないと思います。もしも、
『決算月を変更したい』
そうお考えの社長さまがいらっしゃれば朗報です!!
一度決めた決算月を後で変更する事も可能です!
では、決算月を変更するのに何が必要でしょうか?
★株主総会の決議
臨時もしくは定時株主総会を開いて特別決議による
定款変更の手続きにより「事業年度の変更」をおこないます。
(会社法466条、同309条2項11号)
総会決議後は議事録の作成を忘れずに。
★届出を提出
所轄税務署・都道府県税事務所・市区町村の役所へ
「異動届出書」を提出する必要があります。
変更議決をした議事録コピーを一緒に提出して下さい。
税理士にお願いする事で作業を簡略化する事が可能です。
★決算期の変更により関係する各所へ連絡
上記2点が公的には最低限必要な作業ですがそれ以外に
取引先や銀行への連絡や許認可事業等を行っている場合は
省庁等への届け出が必要な場合もあります。確認しておきましょう。
何月を決算にすれば良いのか?
基本的には法人の決算日は経営者が任意で決めれますが
会社設立日から1年を超えて設定する事はできません。
つまり、1年以内であれば設定する事が可能です。
それを踏まえてお話させていただきます。
決算日を決めるにあたってどういう箇所に
「注意して決めたら良いの?」「何を基準にして決めれば良いのか?」等
お悩みの方必見です!
★会社及び税理士事務所の繁忙期を避ける
法人は原則として決算日から2ヶ月以内に法人税等の申告を行い
納税を行わないといけません。申告の準備等が必要となりますので
会社の繁忙期と重なってしまうと慌ただしくなります。
例えば9月末決算の場合は9月が終わるまでに税理士先生と
決算について打ち合わせを行い、10月には決算に必要な資料を
税理士事務所へお送りします。11月30日までに申告の為に
抜け資料の確認等でやり取りが発生します。
繁忙期と重なると資料の整理の時間が取れない等のトラブルに
繋がる可能性もあります。
その為比較的繁忙期を避けて決算日を決めるのが望ましいです。
★売上の高い時期をずらす
決算日ギリギリで出来る節税は限られます。
売上が多い月を決算月に設定を行うと年間の利益が決算日まで
予想しにくい状態となります。
事業年度の途中でも節税対策を行えるように、売上の大きい月を
事業年度の最初に設定する事で年間の利益の予想が立てやすくなり
その分事業年度の途中で節税対策の幅も広がります。
★現金(預金)の多い時期に合わせる
最初にお話しした通り、法人税等の納付期限は原則として
決算日から2ヶ月以内です。業績が良く、多額の利益が出た場合は
納付金額も多くなります。納税の為にある程度の資金確保が
必要となります。比較的現金(預金)の多い時期に合わせる事で
資金繰りが行いやすい時期を逆算して決算日を決めるのも1つの案です。
★消費税の免税期間を最大限活用する
資本金の額1,000万円未満の場合は
基本的に「2期」まで消費税の納税が免除されます。
「未満」なので1,000万円ちょうどの場合は1,000万円以上に
なってしまいますので注意して下さいね。この2期までについては
一定の要件がありますがこちらでは省略いたします。
気になる方は税理士事務所にて直接お伺いして頂く事をおすすめします。
注意点は免税されるのは「2年」ではなく「2期」という点です。
例えば…
●令和3年7月に開業した場合
A.決算期を6月に設定→令和3年7/1-令和4年6/30
令和4年 7/1-令和5年6/30が免税事業者期間
B.決算期を9月に設定→令和3年7/1-令和3年9/30
令和3年10/1-令和4年9/30が免税事業者期間
Aの場合は最大24ヶ月を消費税の免税事業者とする事が可能ですが
Bの場合は15ヶ月を消費税の免税事業者とする形になります。
なお、令和5年10月1日よりインボイス制度が実施されますので
開業をお考えの方は税理士事務所へ一度ご相談して頂く事を
おすすめいたします。
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