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好き勝手放題の商売

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記事一覧

隣町の商店街

 ゆっくりと息を吸って、吐いた。浮上する意識。眩い光がどうッと押し寄せてくる。朝だ。  カーテンの隙間から漏れ出すそよ風と、元気に囀る小鳥の声。晴れ。少し水の匂…

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3年前

神の友人

「よく来たね」  花園。明日また切り刻まれる。その日も男の子は相変わらずふわふわとして、真っ直ぐで、優しかった。 「なにか悲しいことでもあった?」  すっかり散…

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3年前
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ア・ムール

 閉じた貝を無理やりこじ開けたら、そこには真珠があるらしい。  滴る海水を指で払うと、中にいる宿主が煩わしそうに潮を吹いた。ああ、ごめんなさい。ここはあなたの領…

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3年前
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獲物

キスをする。手の中天を仰ぎ、そそり立つ硬直。 ぴくんと震えて、そのかなた上の方ではため息混じりの産声があがった。 劣情を押し込めるみたいな、呱々の声。  まだす…

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3年前
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瞳の太陽

 そこは花畑。  部屋をこっそりと抜け出し逃げ込んだ街のはずれ、またさらにその先。薄暗い袋のような森を抜けたころ、あたり一面真っ白な花が咲いている。手が届いてし…

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3年前
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標本

 湿度が高い島の上だった。  つうと流れる頰の縁を追いかけようとして、その奥で射抜かんばかりの目と目があった。  私の心を釘刺しにして、虫の標本みたいに固定する…

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3年前
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助演

 男の太ももが射精に震えるのが好きだ。  どこか普通にしていても力の強い、骨張った体躯。どう足掻いたって自分の体と心とは違うそれが、ふるふると赤子のように崩れる…

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3年前
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隣町の商店街

 ゆっくりと息を吸って、吐いた。浮上する意識。眩い光がどうッと押し寄せてくる。朝だ。

 カーテンの隙間から漏れ出すそよ風と、元気に囀る小鳥の声。晴れ。少し水の匂いがした。昨晩降ってたのかもしれない。

 ぐうっとのびて、ぼわ、とあくび。

 どれだけ長い間眠っていたのだろう。眠りすぎたのかどうにも体が重い。しかし、生きていると実感できる心地の良い重さだった。

 ぺたぺた、口を濯いで、ずんずん、

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神の友人

「よく来たね」

 花園。明日また切り刻まれる。その日も男の子は相変わらずふわふわとして、真っ直ぐで、優しかった。

「なにか悲しいことでもあった?」

 すっかり散ってしまった桜の木の下、膝を抱えて二人で座った。私は何も言わない。機嫌の悪そうな空。雨でも降るかもしれない。

 憂鬱だった。私は死なない。だからどれだけ切り刻まれようと、そのうち傷は塞がり痛みも忘れる。他の子がそうじゃないと気がつい

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ア・ムール

 閉じた貝を無理やりこじ開けたら、そこには真珠があるらしい。

 滴る海水を指で払うと、中にいる宿主が煩わしそうに潮を吹いた。ああ、ごめんなさい。ここはあなたの領地だったのね。

 しかし私は手を止めずにこじ開ける。なるべく優しく、そっと、その館の主をおびえさせないように、ゆっくりと。

出ておいで、そんな狭いところでひとりきりなんて、きっと寂しいに決まってる。

いいんだ、私は、一人でだって生き

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獲物

キスをする。手の中天を仰ぎ、そそり立つ硬直。

ぴくんと震えて、そのかなた上の方ではため息混じりの産声があがった。

劣情を押し込めるみたいな、呱々の声。

 まだすこし柔らかいから握り込んだ。きっとまだ、物足りない。上げて落とす、上げて落とす。繰り返していくうちにあなたの意志は固くなる。

 擦り上げて、ほおに寄せて、たまに唇でたるみをひっぱって悪戯する。猫がおもちゃで遊ぶみたいに、けれどそれよ

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瞳の太陽

 そこは花畑。

 部屋をこっそりと抜け出し逃げ込んだ街のはずれ、またさらにその先。薄暗い袋のような森を抜けたころ、あたり一面真っ白な花が咲いている。手が届いてしまいそうなほど空に近づける場所がある。

 そこまでの細い獣道をうきうきとした気持ちで走り抜けて、ワンピースの裾をはためかした。そこには大好きな男の子がいる。

「おかえり、また来たの」

 会いたかったのだ。

 私はいつも日が暮れたら

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標本

 湿度が高い島の上だった。

 つうと流れる頰の縁を追いかけようとして、その奥で射抜かんばかりの目と目があった。

 私の心を釘刺しにして、虫の標本みたいに固定する。
 なにも言わないのになぜか、逸らしてはいけない気持ちになって。

 言葉にするのは野暮に思えて黙った。
 そうも強く見つめられてしまったら逃げたくなる。私の粗が見透かされてるのではなんて、怖くなってしまうのに。

 そお、と膝を擦り

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助演

 男の太ももが射精に震えるのが好きだ。

 どこか普通にしていても力の強い、骨張った体躯。どう足掻いたって自分の体と心とは違うそれが、ふるふると赤子のように崩れるさまが好きだった。

 かっこよくあろうとする人が好き。自分の信念を持っている凛とした人だって、喜ばせることが大好きな人も、みんな。

 しかしどんな大人ですら性の前にはこうべを垂れる。

 お行儀のいいデートコース、お姫様扱いのエスコー

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