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ニイモトイチヒロ
2020年5月28日 00:57
「何もない」作:ニイモトイチヒロ 「私には何もない」 目覚めた彼女は、透き通る声でそう言った。 「物語のない人生、私には物語がない」 昨晩。 強い雨の夜。 待ち合わせ場所に、赤い傘を差した青いコートの彼女が立っていた。 彼女の青白く細い手を繋ぎ、私にとって大切な場所である、馴染みのバーへと向かった。 老いたバーテンダーの作るカクテルは、強いアルコールで、私と彼女を心地よく酔わ
2020年5月6日 08:20
文字と本とものがたりと「長く短い人生で、苦い想いを心に抱いた時、キャンディだって毒になる時折キャンディよりも、甘い物語が苦い想いを打ち消すだろう甘い物語が苦い物語に感じたなら、それは死よりも悪い運命だ」この詩集で間違いありませんか?そう、それならば、良かった。私も好きなんですよ、この詩。長い詩の中の、この一文、私も好きなんですこの文字列の中で、文字より長い物語を、私は感じます。