『思い通りにならない』もんじゃ焼き屋さん
私は最近、独立した事業の中で『地元企業を勝手に応援キャンペーン』を行っており、独断と偏見で勝手に無料で宣伝を行っている。ゆかりがある地元の企業や、コロナの影響下で懸命に頑張っている地元の企業に、この先も存続して欲しいのが根底にあるからだ。
今回、ご紹介するお店は残念ながら閉店してしまっている店舗だけれども、私の人生や人付き合いに関して大きく関わりがある店舗のため、記録として残したくて記事を書いている。
『思い通りにならない。もんじゃ焼き屋さん』
振り返ると、私がまだ20歳前半、若いコンビ二のマネージャー時代に時計の針が遡る。朝から晩まで仕事尽くめで、小売業から見た資本主義への考え方や販売へのアプローチを多く苦しくも懸命に学ぶ日々であった。
コンビニの売上とは商圏内、立地条件が大前提となる。コンビニを普段使って頂いてる方にはわかると思うが、自宅の近隣もしくは通勤経路の途中、勤務場所や定期的に向かう場所にある店舗、その経路付近にあるコンビニしか日常的な買い物をしないと思う。
ほとんどの場合はその商圏内でしか勝負ができないため、どちらかと言うと近隣のお客様の要望に応えたり、地域の優良店を目指すのがまずスタート地点となる。
足し算より引き算に近い考え方だ。
私はその当時、ファミリーマートで勤めていた。
ファミリーマートでは取得できる資格は何段階であって、現在はどうなってるかわからないが、その当時は初級、中級、ストアスタッフトレーナー、上級、それとは別にファミリマートの研修センターへ泊まり込みで取得する店長資格があった。
幸い昔から『ファミリーマート原理主義者』だったため。店長資格も取得後、どんな事でも吸収してやろう!と若い勢いも相まってその当時、県内で3名しかいない『上級資格』を無事に取得ができた。
本部から全面印刷の金色のバッジを頂き、資格取得はかなり困難で、今でもよく取れたなと思い返したりする。
試験の内容は作文用紙1枚に8項目ぐらいテーマを提示され、それを凝縮した文面を考えて作文にして提出。不合格になっても何もアドバイスもないため。ほとんどの人がそこで落ちる。私は受かるまで何回でも試験を受けた。
実店舗での研修、試験は日時を指定されず、抜き打ちで賞味期限検査があったり、クリンネスの検査、他スタッフの接客態度等、それはそれで取得までいろいろあった。
最後の試験には本部で面接があり、
上記で書いた『商圏』内での販売に対する戦略を聞かれた。
本部の試験官『コンビニの「商圏」に対して、坂本君はどのように売り上げるを作ろうと考えてる?』
私『んー、私は、、、』
私の心の声「真面目に応えても面白くないな。笑 全うな意見を捻って出してみるか」
私『飲みに行きます!』
本部の試験官『の、飲みに行く?呆れ笑』
本部の試験官『一人で飲みに行くの?』
私『商圏内のお客様とです。現状店舗で日々、接客をしておりますが、お客様の要望を生で声を聞く時間は、お互いに時間が制約されている短い時間内で行っており、拾いきれない需要があると感じております。商圏内のお客様と自然なコミニケーションを取りたいならば、自らその地域に溶け込むべきだと考えています。』
私『なので飲みに行きます!』
阿呆な回答をしたが無事に試験を合格した。型破りではあるが、思っていたことを言いつつ合格したので大変スッキリした。
そんなこんなで近隣お客様とのコミニケーションを『主軸』にした取り組みを行っている最中に運命的な出会いを果たす。
いつも夜20時ぐらいにタバコを買いに来る女性2組だ。
50代女性『あんたいつもいるね!』
20代女性『ね!』
私『マネージャーなのでいつもいるんですよ』
50代女性『あんたマネージャーなんだ!?』
50代女性『何時に仕事終わるの?そこで店やってるから来なよ!』
私『行きたいんですが、明日も仕事なので、悩むなー、、、』
50代女性『待ってるから来なよ!』
20代女性『マネージャー待ってるよ!』
半ば強引に誘われたが、悪い気持ちは全くしなかった。存在感のない店員としてではなく『いつもいる奴』と認識されていたからかもしれない。
嬉しかった。
自ら近隣店舗とのコミニケーションを『主軸』にしたの思い返し、これはチャンス!がきたんだと。仕事終わりにその『もんじゃ焼き屋』に向かった。徒歩2分。近いな。ここか。
のれんを片手で上げながら、入り口のドアの鈴が右側から鳴る。
それから、私はその『もんじゃ焼き屋さん』の独特な雰囲気にハマり常連となり、通い続けることとなる。店主の母はママと呼ばれてた。以後、ママと記載しよう。
ハマった理由はかなりあるが、カオスな理由ばかりなので箇条書きにして説明したい。
ママと娘が営んでいた『もんじゃ焼き屋さん』エピソード
■知らないお客様と相席になる。席が空いてても。
知らないおじさん同士で4人で喋ったりが基本。多いと10名以上知らない同士やグループすら統合するカオスっぷり。
男性は一定の年齢を越えると同性の友達を作りににくいと私は感じていたが、行くたびに他業種や謎の人脈が増え続けていた。コンビニへの要望も聞けて本当に自然なコミニケーションが取れていた。
■容赦なくタメ口。ママから人生の説教も頂ける。
容赦なくタメ口。家族のようであった、悩んでいた事柄を相談もするが、娘が相談を真摯かつ流しながら聞いてくれてからの、ママの一刀両断。ある意味、どんな悩みもスッキリする解決方法であった。
■頼んでない手作り味噌汁、手作りカレーやお菓子が出てくる。※ぼったくりではない。
疲れた時に味噌汁が出ると、ホッとする自分がいた。
食欲がない時にカレーが出ると、元気が湧いた。
ありがとう。俺頼んではないけど。
■お客様が飲んだジョッキや食器を洗う。
常連は手が空くと食器やグラスを洗い始める。
■深夜になるとママは泥酔して店舗で爆睡。お客様が布団をかぶせる。
営業時間中に寝てしまう姿は価値観が崩された。ただお客様は優しく布団を被せて微笑む。ママの人柄がそうさせているんであろう。
■鉄板焼きメニューは掃除した後だからと念を押され、鉄板焼きメニュー以外を頼むことを推奨される。
なんとか交渉すると鉄板メニューは解禁になる。
■飲み過ごして終電を逃すと、同じ方向のお客様は車で閉店後、飲んでいない娘が車で送ってくれたりもした。店舗の営業時間が長ったときは店舗に泊めてくれたりもした。
送迎、宿泊OK。呑兵衛には優しいすごいシステムだった。
■破天荒に見える接客だが、お客様のことを心から思って接客しているので嫌な思いをしたことがない。愛情が常にある。
退店時は熱いハグでさよならするのが儀式。
帰り道は店舗の入り口から見えなくるなるまで手を振ってくれた。そうゆう部族らしい。
現在は私が愛していたその店舗は閉店してしまったため、もうそこには行けない。
このお店で私が学んだことは愛すべき事はすべて『思い通りにならない』ことだ。
一人席ではないし、頼みたい鉄板焼きのメニューは掃除が大変だからと注文を咎められ、別メニューを頼む。時折、頼んでない味噌汁が出てくる。食器もたまに洗うかと気を揉んで思ったり、夜がふければ店の主は布団をかぶり寝始める。
書いてみると一見、なんて店だよ。と思うかもしれないが、全て思い通りになっていれば普通のよくあるお店とも変わらず、新しい人との出会いもなく、当たり障りがあるからこそ。人が集まっていた繁盛店だったと思える。
思い通りにならないからこそ、飲食店としての『アルゴリズム』が良い意味で狂っていた。その不規則さの中から面白い可能性が毎日違う流れで生まれる。予想ができない不規則さが人生と全く一緒で、店舗へ行く度に違った環境になる事が楽しみでしょうがなかった。
今、私は新しい事業を始めたばかりだが、色々な理由があり。業務内の職種や活動に制限や括りをあえてしていない。それはこの『思い通りにならない。もんじゃ焼き屋さん』がひとつの指針になっているからだと思う。
様々な人が集まり、どんな可能性の芽生える環境。私は業務の内容を広げて、色々な事に日々挑戦しているが、その結果は決して思い通りにはならない。だけど、それはそれで良いと考えている。
思い通りにならなくても、秘められた可能性の無数に転がってて存在しているから、私は安心して居られる。
似た感性の方、同士を探してます。良かったらInstagramフォローして頂くと嬉しいです。※枠組みに囚われない活動を仕事にしてます。こんなへんなやつがいるぞと拡散して頂いても嬉しいです。
・ECサイト運営、輸入代行、マーケティング、ECコンサル(Amazon・Amazon広告・Instagram広告)LINEスタンプ作成、youtube活動、ライター活動、写真撮影、動画編集、知人友人の依頼活動、地域企業への貢献を現在検討中。垣根を超えて幅広く活動中。
【Instagram】
【個人】
【店舗】
とつぜん現れた!GREENMONSTER【店舗ページ】
【とつぜん現れた!GREENMONSTER youtubeチャンネル】
よろしければサポート宜しくお願いいたします。枠組みに囚われない活動をしておりますので、さらに楽しい企画やアイディアを考えて活動費に致します。 【Instagram】 harumasa369 green__monster__ 【Twitter】 @greenmonster369