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【次世代のために】帝国器材さま インタビュー!

5月某日。雲ひとつない空の下、青々とした山の中で、帝国器材様に植林研修を実施しました。
研修の様子はこちらの記事をご覧ください!
【次世代のために】帝国器材さま 植林研修レポート

帝国器材株式会社 ご紹介

1937年に創業され、今年で85年の老舗木製品メーカー様。国産木材の活用に力を入れており、家具作りを始め、学校や公共施設に温かく居心地の良い空間づくりを日本全国で展開されています。

1990年頃から「人と環境に配慮した製品をつくる」と掲げておられます。今やどこでも耳にする”サステナビリティ”。30年以上前から、顧客だけでなく地球や環境の未来を考えて言語化し、挑戦している企業様です。
Webサイトにある事例には、学校や保育施設、子育て関係の公共施設などに施工された、オシャレでかつ温かみのある空間がたくさん掲載されています。国内で数十年かけて育てた木々が、子どもたちが学び生きていく場所に使われる架け橋を担っていらっしゃいます。

東京都の高等学校の素敵な事例

 研修後にインタビューのお時間を頂戴し、研修に参加いただいた4名の方からお話をお伺いしました。

(左)左手前から:中野さん、佐藤さん、右手前から:渡邊さん、吉田さん (右)岩田

岩田:先日は栃木までお越しいただき、ありがとうございました。早速なのですが、今回の研修が実現された背景と、研修の目的をお伺いしても良いでしょうか?

中野さん:こちらこそ、研修では大変お世話になりました。ありがとうございました。最初は共通の知人からの紹介がきっかけで、青葉組さんを知りました。最初に中間さんとお話をさせていただいて、植林について丁寧に教えていただいたんです。
その時に、改めて植林が興味深いなと思いまして。
子どもたちのため、将来世代のために、木で学校を作るだけでなく植林を交えた学びの場をつくれないか?とアイディアが浮かんだのですが、何を考えるにしても実際に植林を体験してみたいなと。これからの協業の糸口を探すため、というのが大きな研修の目的です。

岩田:ありがとうございます。実際、植林をしてみてどうでしたか?

中野さん:1本植えて終わり、ではなく、ガッツリ現場に入らせていただきました。青葉組の職人の方々と一緒に作業させていただくような研修だったからこそ、感じるところもそれだけ大きくて。私たちのような木材を使う側にとって必要な研修なんじゃないかなと思いました。

岩田:植林って、なかなか見えないところですよね。しかも植林・育林の職人さんは年々減っているので、出会うきっかけも少なくなってそうだなと思います。

中野さん:本当にもったいないなと思いました。こういった企業研修は初めてと中井社長も仰っていて。これだけ良い体験だから、研修事業として成立するのではと思いました。

岩田:森林や山への間口を広げると言いますか、”関わり方”を模索していきたいという思いは創業当初からありまして、今回このような企業研修の機会をいただけたことはその一歩になったと思っています!

中野さん:そう仰っていただけると嬉しいです!

岩田:今回の企業研修の目的が「協業の糸口を探す」ということでした。実際に体験されて、未来への妄想が膨らんだ部分はありますか?

吉田さん:先ほど中野がお話した通り、弊社は主に教育施設に携わらせていただいているので、エンドユーザーには子どもたちがいます。日々学校で弊社が製作した家具などを使っていただいているのですが、その家具ができるまでの流れ、すなわちスタートの「木を植える」ということから、私たちと一緒に体験したり知る機会があったらいいなぁと思いました。
今はSDGsに力を入れて教育を進めている学校も多くあります。私たちも実際にやってみたように、「体験」できる授業を届けたいですね。

岩田:子どもたちは、座学だけだと飽きちゃいますからね!

吉田さん:やっぱり体感しないと、なかなか頭にも入ってこないですよね!ただ字を目にするだけではなく、感じて得られることはたくさんあります。匂いだったり、感触だったり…。木だからこそ、自然だからこそできる楽しみ方・学び方があるので、それを活かせるプログラムを組めたらなと思いました。

掘る時の土の感触、草の匂い、自然の空気・・全身で感じながらの研修

佐藤さん:私は営業職で、実際に山に入って作業する機会が少ないので、とても刺激的で新鮮でした。
体験を通して、青葉組さんと「木のファン」を増やしていくことができるんじゃないかなと思いました。「木」と「山」は切り離せない関係ですが、私にとって「山」は近くて遠い存在だったんだなと感じたんです。
我々は国産材をPRしている中で、山から切り出した木の加工が自社でできるよう、少しずつ進めています。例えば、メーカーでありながら木材乾燥炉を持っていたり、最近は製材機を導入しました。これらを活用して、学校の記念樹などの既存樹木から製品をつくる事業も行っています。

製材後の木に触れる機会があるのでその良さは知っていますが、もっと根幹には「山」があることに研修を通して気付きました。そして、木の良さというのは「山」を知ってもらうことからもアプローチできるのではないかと。
「山」に関しては、私たちより青葉組さんがノウハウを持っているところです。ともに「木のファン」を増やしていくことができるんじゃないかと思いました。

中野さん:「木のファン」になってもらおうと思って木(木製品)を売るのではなくて、むしろ「山」を体験してもらう方が「木のファン」が増えることに繋がるんじゃないかってことですね。

佐藤さん:山のダイナミックさに勝るものはないと感じました。正直体験中、「落ちたら死んじゃうのかな」って感じる景色もあって。そんな現場で職人さんたちはサクサクと、時折仲間たちと笑いながら仕事をされていて。木材を使った公共施設の中を歩いていても感じない感情が湧き上がってくるあの感覚は、山だからこそですよね。やっぱり、山ってすごいです。

剥き出しの自然がある研修現場

岩田:山には植物・動物はもちろん、微生物など本当に多様な命が生きていて、そのエネルギーを私たちは受け取れるんだと思うんですよね。その「すごさ」もあれば、職人さんたちのエネルギーのすごさもあって。

中野さん:今回参加させていただいた渡邊は、「川上がもっと元気になってほしい」という気持ちを持っているんです。

渡邊さん:私は新入社員ですが大学では森林学、つまり川上側を勉強していました。川上と川下が分断されてしまっていて、これは山の課題なんじゃないかなって個人的には思っているんです。
今私はエンドユーザーに最も近い位置にいるので川下から川上を繋げていきたくて、それは教育だったりイベントだったりするのかなと想像していますが、やっぱり実際に「体験」する機会が学びになったり記憶に残ったりするのかなと考えています。

中野さん:川上でも、特に植林・育林は繋がりがないですよね。木製品をつくる僕らが「川上」という言葉を使うときにイメージするのは、やはり伐採に寄ってしまうんです。
でも今回植林を体験して、純粋に山の面白さや楽しさをダイレクトに感じられますし、伐採現場と違って場所も開けていたので虫や怪我の心配もほぼなく、実際に職人さんと近い距離で体験ができることも魅力に思いました。川上と川下を繋ぐ、今までにない別のアプローチができるんじゃないかとも感じます。

吉田さん:そう、すごく丁寧に説明していただいたり、働いている職人さんたちの雰囲気がとても良くて、本当にやりやすかったんです。トランシーバーを使って密に連携をとっている姿に、チーム力も感じました。
川上の業者さん・職人さんって、プロでやっているからこその厳しさがあるんじゃないかなと想像していたのですが、すごく明るく教えていただいて、印象が180度変わったんです
そういう印象を持っている方って他にもいると思うので、青葉組さんの強みである職人さん方の親しみやすさや明るさを発信したり、実際にお会いする機会をつくったりしたいですね。

岩田:ありがとうございます!とても有り難いことに、素敵な職人さんたちが集まってきてくださっていまして!すごく嬉しいです。

中野さん:実は今、弊社では自分たちの強みを活かして、産地にこだわる木材の使い方を提案しています。実際に特定の地域の木材を使いたい、というご依頼が多々あり、こういった木の学校づくりに大きな可能性があるんじゃないかと思っているんです。

産地にこだわる木材の学校へ導入事例

具体的な産地が伝わるようにすることで、どの山への貢献になっているのか、という関連性をリアルに感じることができます。それが植林体験と紐づいて、植えて、育って、伐って、使うことが繋がるようなイメージを持てたり体感できるコトづくりに、青葉組さんとご一緒したいですね。

岩田:”「木のファン」を増やしていくこと” というのが共通のゴールであり、”「木のファン」が増える =「山のファン」が増える”という形ができることは、地球にとってすごく良いことだと感じます。「子どもたち」や「次世代」も共通のキーワードですね!
多様なアイディアや熱い想いをお伺いできて、貴重な機会をありがとうございました。これからも、ぜひよろしくお願いいたします!


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インタビュアー・ライター情報
■氏名:岩田遥
■所属:みどり荘長(総務・人事担当)
■紹介文:林業未経験で青葉組に参画。GREEN WORKERが働きやすい環境を実現すべく、東京本社にてバックオフィスを担当。木のこと、山のこと、自然のこと、林業のことを日々勉強中。山の中でぼーっとするのが好き。山に行きたい。

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