2023シーズンのJ3全20クラブをおさらいしよう③ 愛媛・今治・北九州・宮崎・鹿児島・琉球
殴り書きでも為せば成る。
JFLから昇格の2クラブは④で紹介するので、既存クラブは今回でおしまい。
①はこちら
②はこちら
愛媛FC
■概要
昨年順位:7位(51得点、41失点)
監督:石丸清隆(留任・2年目)
■オフのトピックス&雑感
IN:15名
DF平岡康裕(仙台)
DF山口竜弥(東京V)
MF石浦大雅(東京V)
MF曽根田穣(愛媛)
FW深堀隼平(群馬) など
OUT:14名
DF内田健太(→FCマルヤス岡崎)
MF小原基樹(→広島)
MF田中裕人(→秋田)
MF近藤貴司(→長野) など
石丸体制初年度は昇格圏と勝ち点差15の7位でフィニッシュ。開幕3連敗から粘り強く立て直して戦ったが、昇格争いに絡むことはできなかった。
今オフは序盤から積極的に動き、J2の若手有望株を中心に補強を敢行。
一方で内田や高木、近藤といった愛媛に骨をうずめると思っていた選手の多くと決別した。このあたりの流れは岐阜や相模原と近いものを感じる。
山口、大嶽、吉永など複数の実力者が加入したSBは充実。
最終ラインのまとめ役に平岡を獲得。今年36歳になるが、昨季の仙台でも30試合に出場しておりとても元気そう。
石丸監督の愛弟子・曾根田が帰還。
衝撃的なゴールを連発して話題をさらった史上最強の2種登録・行友がいよいよトップ昇格。
開幕前に怪我人が続出している点は気がかり。
間違いなく強いし補強も手堅くまとまっているのだが、隣のクラブのせいで「いいチーム」の域を超えてこない。。。
FC今治
■概要
昨年順位:5位(55得点、40失点)
監督:橋川和晃 → 高木利己(新任)
■オフのトピックス&雑感
IN:12名
GKセランテス(UDログロニェス)
DF二見宏志(長崎)
MF松本雄真(富山)
MF新井光(福島)
FWドゥドゥ(町田) など
OUT:14名
GK茂木秀(→岐阜)
DF駒野友一(引退)
DF安藤智哉(→大分)
MF島村拓弥(→熊本)
FW千葉寛汰(→徳島) など
高木監督は2020年の鳥取以来のJ3の指揮となる。
前任の橋川氏は引き続きクラブ内に留まるため、継続性という点での不安はない。
「J2の町田、J3の今治」と形容したくなるような大型補強を敢行。
筆頭はGKセランテスで間違いないだろう。福岡をJ1に導いた当時のシュートストップが健在だとすれば驚異的な存在になる。
千葉が移籍したFWにも、町田からドゥドゥを獲得。背番号6が逆に怖い。
中央で落ち着きをもたらす三門、チャンスメイクもフィニッシュワークもこなす中川、理不尽な左足を持つマルクス・ヴィニシウス(旧登録名:インディオ)も健在。
平均年齢がやや高い以外にほぼ隙が無いスカッド。
当然ながら前評判は高い。新スタジアムの竣工をJ2昇格で飾ることができるか。
ギラヴァンツ北九州
■概要
昨年順位:13位(41得点、45失点)
監督:天野賢一 → 田坂和昭(新任)
■オフのトピックス&雑感
IN:13名
DF村松航太(長崎)
DF夛田凌輔(相模原)
MF岡田優希(宮崎)
MF野瀬龍世(八戸) など
OUT:12名
DF河野貴志(→秋田)
DF藤谷壮(→松本)
MF西村恭史(→長野)
FW佐藤亮(→群馬)
FW高澤優也(→町田) など
小林SD・天野監督の体制で1年でのJ2返り咲きを目指したが中位に低迷。
失点数はそこまで多くないが、無失点試合がわずか6試合しかなく不用意な失点が多かった印象。0-1負けが8試合もあったのも痛い。
後任には百戦錬磨の田坂和昭監督が就任。
昨季のFPの出場時間トップ10のうち、残ったのは乾と前川の2選手のみ。
ポジション別で気になるのはCB。河野や藤原が抜けてそもそも頭数が足りておらず、大石の加入は発表されたものの誰かしらコンバートする必要はありそう。
補強の目玉は宮崎、八戸の攻撃を牽引した岡田と野瀬。
スタイルは違えどどちらも左SHが主戦場なだけに、どう共存させるかは大きなテーマになりそう。全体的に新卒が多め。田坂塾で鍛えられながらシーズンを戦うのだろう。
「原点回帰」という危険なスローガンを掲げている。
テゲバジャーロ宮崎
■概要
昨年順位:9位(45得点、47失点)
監督:高崎廣嗣 → 松田浩(新任)
■オフのトピックス&雑感
IN:15名
DF眞鍋旭輝(山口)
DF北村椋太(福島)
FW山崎亮平(長崎)
FW石津大介(岐阜) など
OUT:12名
DF新保海鈴(→いわて)
MF徳永裕大(→藤枝)
MF岡田優希(→北九州)
MF千布一輝(→鹿児島) など
ゾーンディフェンスの伝道師、松田監督を招聘。
組織構築に一日の長がある指揮官だけに、ソリッドで統一感のあるチームが完成しそうな予感。2021年以来の優勝争いなるか。
2トップ候補は橋本や北村。新加入の石津や青戸も得点感覚は鋭い。特に石津は1年ぶりの九州でもう一花咲かせたいところ。
山崎、南野はそれぞれ長崎、G大阪で松田監督の下でプレーしており要求されるタスクは理解できているはず。チーム得点王の岡田が抜けた穴を十分に埋められる存在だ。
チームアシスト王の徳永と千布が移籍した中盤は、10番を引き継いだ下澤や2年目の江口が後釜を担う。左サイドを奥田に任せて、大熊を起用する手もありそう。
地元凱旋の西岡、高さと強さを兼ね備える眞鍋など、CBは意外と人材豊富。
相手にとっては非常にやりづらいチームになりそう。
鹿児島ユナイテッドFC
■概要
昨年順位:3位(55得点、39失点)
監督:大嶽直人(留任・2年目)
■オフのトピックス&雑感
IN:10名
GK松山健太(いわて)
MF千布一輝(宮崎)
FW鈴木翔大(いわき)
FW藤本憲明(神戸) など
OUT:9名
GK白坂楓馬(→横浜FM)
DF砂森和也(→長野)
MF牛之濵拓(→鳥取) など
大嶽体制1年目で3位。あと一歩昇格に届かなかったが、1年を通して安定して上位をキープし続けた。
オフは盤石にして充実。足りなかったピースを的確に補った印象。
まずDF陣に流出がほぼ無かったのが驚き。特に岡本の延長を早々に決めたのがファインプレーだった。
中盤にボール奪取力・キープ力に長けた千布が加わったのも大きい。
米澤が長期離脱中の左WGにはいわきの序盤戦の躍進を支えた鈴木とYSのアタッカー河辺が加入。どちらも2トップにも対応可能で万能感がある。
そしてラストピースとなる藤本の加入。彼が画竜点睛か。
懸念点を挙げるとすれば、主力の顔ぶれが変わらないので平均年齢がまるっと+1歳されてしまっていることか。
とはいえ構成だけならほぼ100点。どう考えても強いでしょこんなの。
FC琉球
■概要
昨年順位:21位*(41得点、65失点) *J2
監督:ナチョ・フェルナンデス → 倉貫一毅(新任)
■オフのトピックス&雑感
IN:14名
DF牟田雄祐(いわて)
DF高安孝幸(金沢)
FW白井陽斗(岡山)
FW平松昇(湘南) など
OUT:20名
DF岡崎亮平(→栃木)
DF大森理生(→大宮)
MF池田廉(→大分)
FW草野侑己(→水戸) など
残留を成し遂げることができず、ナチョ監督が退任。後任には昨季ヘッドコーチだった倉貫氏が就任。J3は鳥取で引退した2014年以来となる。
流出や個人残留は最小限に。中野や人見もJ3での戦いを選んだ。
田口とカルバハルのGK争いはハイレベル。
リヨンジとのトレードみたいな形で、牟田山脈が沖縄に出現。
スレイやケルヴィンの身体能力は脅威だが、体感的には阿部拓馬の方が怖い。川西に感じたのと同じ万能超人の雰囲気が彼からも漂う。
戦力は巨大で個々の能力も高い選手がそろっているが、降格クラブは目に見えない負のオーラを排斥できないままJ3に臨んでくることが多い。
倉貫監督のマネジメントでチームの雰囲気を変えられるだろうか。
もうちょっとだけ続く。
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